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『日本経済思想史――江戸から昭和』(川口浩ほか 勁草書房 2015)

著者:川口 浩 (1951-) 
著者:石井 寿美世 (1976-) 
著者:Bettina Gramlich‐Oka(ベティーナ グラムリヒ=オカ) (1966-) 
著者:劉 群芸(1972-) 
装幀:吉田 憲二
カバー画像:橋本貞秀「東都両国ばし夏景色」
NDC:331.21 経済学説史、経済思想史


日本経済思想史 - 株式会社 勁草書房


※難読漢字のルビは適宜、亀甲括弧〔 〕に示した。


【目次】
はしがき(二〇一五年六月 著者) [i-ii]
目次 [iii-xi]
凡例 [xii]


第一部
第1章 経済思想史とは 003
一 思想 004
  1 思想の三角形 
  2 観念 
  3 判断・価値基準・基軸的価値 
  4 行動 
  5 創造 
  6 理論化と政策化 
二 日本 010
三 歴史 010
四 経済と経済史 013
五 経済思想と経済思想史 013
六 経済学史 015
七 経済思想を理解する方法 016
  1 行動 
  2 言葉 
  3 思想の分析的理解 
  4 企業者・政策者・知識人 


第2章 身分制社会の成立 021
一 元和偃武〔げんなえんぶ〕 021
二 農工商 023


第3章 泰平の世の武士 025
一 兵学儒学 025
二 山鹿素行の自問自答 026
三 経世済民 028


第4章 脱市場の経世済民論 030
一 町の繁盛、武士の借銀 030
二 熊沢蕃山〔ばんざん〕 031
  1 修学と政治体験 
  2 道 
  3 道徳的退廃 
  4 経済的困窮 
  5 政治の実効性 
  6 状況への対応 
  7 道徳的改革の遷延 
  8 経済と道徳 
  9 武士土着 
  10 陽明学朱子学 


第5章 将軍権力による脱市場 047
一 徂徠豆腐と赤穂事件 047
二 朱子学の否定 049
三 人工物としての道 050
四 為政者 052
五 現状認識 053
六 武士土着 054
七 公儀と大名 056
八 物価と貨幣 058


第6章 経世論の曲がり角 063
一 孤高の太宰春台 063
二 争競ノ心 064
三 聖人の道 065
四 老子ノ無為 067
五 現状認識 069
六 国を富す術 070


第7章 将軍徳川吉宗と実務派官僚 072
一 財政難と貨幣改鋳 072
二 享保改革 075
  1 年貢の増徴 
  2 貨幣の良鋳 
  3 享保期の物価問題 
  4 元文の貨幣改鋳 
  5 吉宗の不満 
  6 年貢の金納化 


第8章 百姓・町人の自己認識・自己主張 081
一 社会的有用性 082
二 勤労の倫理 083
  1 宮崎安貞〔やすさだ〕 083
    (1)農書
    (2)農術
    (3)経済と人と社会
    (4)天と人
    (5)教導
    (6)農民と農業 
  2 西川如見〔じょけん〕 088
    (1)天文地理学
    (2)五等と四民
    (3)人
    (4)屛風 
  3 石田梅岩〔ばいがん〕 091
    (1)庶民相手の講席
    (2)現状認識
    (3)天地
    (4)孑々〔ぼうふりむし〕と蚊
    (5)無心
    (6)家業と富
    (7)石門心学 


第9章 田沼政治と多様化する思想界 098
一 田沼意次 098
  1 賄賂政治家? 
  2 財政難への対応 
  3 貨幣政策 
二 一八世紀後半期の思想界 102


第10章 市道国益 105
一 海保青陵〔かいほ せいりょう〕 105
  1 経営コンサルタント 
  2 市道 
  3 大名の借金 
  4 財政再建策 
  5 徂徠学の末裔 
二 国益 111
  1 三浦梅園の国益 
  2 武家財政と国益 


第11章 日本と国学 115
一 中華から支那へ 115
二 日本の上昇 118
三 本居宣長 119
  1 国学 
  2 人と神 
  3 現実政治大政委任 
  4 経済思想史における本居宣長 


第12章 職分と遊民 127
一 職分 127
二 宵越しの銭 128


第13章 生活の持続 131
一 江戸時代の経済成長率 131
二 ほどほどの倹約 132
三 利用厚生正徳 133


第14章 一九世紀における世界像の転換 137
一 国内の経済構造と地域表象 137
二 日本における西洋像の展開 139
三 一九世紀における国際環境の変化と世界像の転換 142


第15章 「鎖国」論と「開国」論 146
一 「鎖国」論 146
二 本多利明の「開国」論 147
三 横井小楠〔しょうなん〕の「開国」論 151


第16章 東アジアと西洋の人間観・社会観 157
一 近世日本と近代日本の連続・非連続 157
二 東アジアの人間観・社会観 159
三 西洋の人間観・社会観 160
四 古典派経済学 162
五 日本における西洋経済学の受容 163


第17章 「明治啓蒙」の知識人 167
一 福沢諭吉 168
二 高田早苗 173


第18章 明治政府の殖産興業政策 178
一 政府紙幣 178
二 国際金本位制 180
三 新貨条例と国立銀行 180
四 政府政官の誘導奨励 181
五 国家による起業 183
六 銀本位制と日本銀行 184


第19章 産業・貿易構想 187
一 田口卯吉 188
  1 人の「天性」と社会の「進歩」 
  2 政府の「干渉保護」と社会の秩序 
  3 「経済世界」における「大理」と「無為」の「治道」  
二 犬養 毅 192
  1 人の「稟性」と一国の「幸福」 
  2 「文明劣等国」における「保護」政策 
  3 政治の役割と価値 


第20章 高等教育と企業家群 198
一 近代日本における企業の生成 198
二 高等教育と経営者 198
三 高等教育機関の卒業生の進路 201
四 高等教育と地方企業家群 203
五 企業家の経済思想 204


第21章 組織化された企業者活動 207
一 渋沢栄一 208
  1 人と社会――企業家の「職分」と「国家」 
  2 手段としての「論語」、目的としての「富」 
二 伊東要蔵 211
  1 「家産」と「私有」 
  2 「人」と「世界」 
  3 人の「天性」と社会の「発達進歩」 


第22章 近代工業と二〇世紀の新産業 217
一 武藤山治〔さんじ〕 218
  1 輸出産業=綿糸紡績業の「日本的経営」者 
  2 人間観・社会観 
  3 「番頭」の職分と「国家的」事業 
二 堤康次郎 223
  1 「新中間層」に向けた二〇世紀の新事業 
  2 「感謝」と「奉仕」 


第23章 体制批判の視座 228
一 中江兆民 228
  1 規範主義的人間観・社会観 
  2 近代の陰への眼差し 
二 安部磯雄 233
  1 キリスト教の受容と社会問題への開眼 
  2 社会主義の受容 


第24章 社会政策と日本的マルクス主義 239
一 福田徳三 239
二 山田盛太郎 242
  1 マルクス主義への関心 
  2 日本資本主義論争 
  3 講座派マルクス主義の見解 
  4 講座派マルクス主義の説得力 


第25章 世界と日本の模索 250
一 第一次世界大戦と一九二〇年代 250
二 国際協調と産業合理化 251
三 新平価金輸出解禁論 254
四 世界大恐慌満州事変 256
五 新秩序の構想 258
六 対米開戦 259


補章 「戦後」の経済思想史 263


第二部
第26章 欧米における日本経済思想史研究 271
一 日本学の始まり――ヨーロッパのアマチュアたち 272
二 日本におけるアマチュアとその組織 275
三 第三の波――専門化 281
四 戦後欧米における展開――近代化論 283
五 結論 287


第27章 東アジアにおける日本経済思想史研究 292
はじめに 292
一 日清・日露戦争第一次世界大戦 293
二 第一次世界大戦〜一九四五年 296
三 一九四五〜一九七〇年代 300
四 一九七〇年代末期〜一九九八年 302
五 一九九八年〜今日 305
六 事例研究――中国における日本経済思想史研究 307
おわりに――東アジアから見る日本経済思想史 309


参考文献 [313-328]
人名索引 [ii-v]
著者紹介 [i]