著者:石黒 圭[いしぐろ・けい] (1969-) 文章論。
NDC:801.03 言語学 >> 言語社会学
日本語は「空気」が決める 石黒圭 | 光文社新書 | 光文社
- 作者: 石黒圭
- 出版社: 光文社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 新書
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【目次】
はじめに 003
0-1. 「空気」の支配力
0-2. 言葉選びの科学
0-3. 文法は(もちろん)おもしろい
0-4. 理論言語学と社会言語学――標本か、観察か
0-5. 社会言語学はもっとおもしろい――しんちゃんが母を「みさえ」と呼ぶ理由
目次 [018-026]
第一章 社会言語学とは何か 027
【問い】「留守番電話での名乗りが苦手です。どうしたらよいですか?」
1-1. 言語共同体とアイデンティティ
1-2. バリエーションとコード
1-3. 言葉の種類――五つの視点
1-4. 言葉の選択――肉まんか、豚まんか
1-5. 言葉の変化――出会いと政治
【第一章のまとめ】 045
第二章 地域に根ざした言葉 047
【問い】「方言がうらやましがられたり、馬鹿にされたりするのは何故ですか?」
2-1. 地域方言と社会方言
2-2. 標準語と共通語
2-3. 俗語と標準語
2-4. 方言の否定――「方言札」
2-5. 方言の誇り――アイデンティティに根ざした言葉をあえて選ぶ
2-6. 隠れた方言――「あとで」「えらい」「ばんそうこう」……
【第二章のまとめ】 071
第三章 話し手に根ざした言葉 073
【問い】「言葉遣いを変えたら、自分のイメージも変えられますか?」
3-1. 言葉とジェンダー
3-2. 言葉と世代――①幼児語
3-3. 言葉と世代――②若者語
3-4. 言葉と世代――③老人語
3-5. 中年語がないのはなぜか
3-6. 言葉と社会階層
3-7. 役割語と「らしさ」――サツキとカンタの会話が示すもの
【第三章のまとめ】 100
第四章 聞き手に合った言葉 101
【問い】「人によって話し方の丁寧さを変えるのは、不公平ではないですか?」
4-1. 親疎関係――聞き手との距離を取ったり縮めたりする
4-2. アコモデーション理論――親しさを示すために同調する
4-3. 上下関係――尊敬語、謙譲語、呼称
4-4. 敬語とポライトネス理論――心理的な距離の取り方が難しい
【第四章のまとめ】 115
第五章 状況に合った言葉 117
【問い】「質問が上から目線、といわれてしまいました。なぜですか?」
5-1. 場と場面――不思議なオトナ語、飲み会のくだけた言葉
5-2. 話題――事務的か、心情的か
5-3. 機能――役割を果たすために、言葉を尽くす
5-4. 文末文体の切り替え
【第五章のまとめ】 132
第六章 伝達方法に合った言葉 133
【問い】「レポートではなぜ、ふだんの日本語を使っちゃだめなんですか?」
6-1. 談話共同体とジャンル――空気と暗黙のルールがある
6-2. 話し言葉と書き言葉
6-3. 話し言葉と書き言葉の境界線
【第六章のまとめ】 148
第七章 日本語の人称表現 149
【問い】「なぜジャイアンは『おれ』で、スネ夫は『ぼく』なのですか?」
7-1. 日本語の人称表現の特徴
7-2. 人称表現の種類が多い
7-3. 一人あたりの人称表現の種類は多くない
7-4. 話し手のアイデンティティに根ざす
7-5. 話し手のキャラ立て
7-6. 聞き手や状況に合わせる
7-7. ニ人称表現は失礼か
7-8. 時代とともに変わる一人称――「うち」「こっち」「自分」
7-9. 親族名称の体系と変化――家族のルールも変わってきた
【第七章のまとめ】 181
第八章 言葉と言語 183
【問い】「世界には数千もの言語があるというのは、本当ですか?」
8-1. 言語と方言の境界線――どこで線を引くかは極めて困難
8-2. ダイグロシア――異なる機能の言語を使いこなす
8-3. バイリンガリズムとマルチリンガリズム
8-4. バイリンガルもいろいろ――第一言語の重要性
8-5. イマージョン・プログラムとサブマージョン・プログラム
8-6. コード・スイッチングとコード・ミキシング――意図的か、無意識か
【第八章のまとめ】 200
第九章 言葉と文化 203
【問い】「外国語を学ぶと、発想が豊かになるというのは本当ですか?」
9-1. 言語決定論と言語相対論――言葉が思考、認識を規定するのか?
9-2. 言葉によって変わる言語特徴――男女、単複、有生・無生
9-3. 政治的公正性
9-4. 言葉によって変わる談話構造
【第九章のまとめ】 220
第十章 言葉の変化 221
【問い】「『ありうる』と『ありえる』は、どちらが正しいですか?」
10-1. 変化の進行――言語学者は「言葉の乱れ」とは見ない
10-2. 敬意逓減の法則――「きさま」「おまえ」もかつては敬語だった
10-3. 変化の理由
10-4. 世代と変化
10-5. 時代と変化――「夜ご飯」「食感」「体幹」の出現
10-6. 地理と変化――年速一キロメートルで進む
10-7. 言語の接触――ピジンやクレオールの誕生
10-8. 言語の死―― 二五〇〇の言語が危機にある
10-9. 言語の再生――言葉は一人では残せない
【第十章のまとめ】 252
第十一章 言葉と政治 253
【問い】「日本で日本語を使うことは、法律で決まってないんですか?」
11-1. 国語と公用語
11-2. 言語設計と言語政策――公用語の決定には入念な準備がいる
11-3. 日本の近代化と公用語の選定――東京の「山の手言葉」を選定
11-4. 世界最強の言語、英語の君臨
11-5. 日本の言語政策――英語の公用語化をめぐって
11-6. 多言語主義と複言語主義――豊かさは多様性のなかに
11-7. ヨーロッパ言語共通参照枠――言語のステップアップを実感できるしかけ
11-8. コミュニケーション能力――文章は「ふさわしさ」で決まる
【第十一章のまとめ】 274
おわりに [275-277]
参考文献 [278-284]
索引 [285-293]