著者:植村 和秀[うえむら・かずひで](1966年-) 政治学(政治思想史・ナショナリズム論)
シリーズ:講談社現代新書;2203
『ナショナリズム入門』(植村 和秀):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [003-006]
はじめに――ナショナリズムを見た日 007
ミュンヘンのセルビア人
ナショナリズムとはこだわり
ネイションへのこだわり
ネイションの特徴
ネイションの形成単位
地域と人間集団と政治的仕組み
第一章 ナショナリズムの作り方 023
まず必要なのは土地
土地に歴史が降り積もる
ネイションとしての認知
歴史の中身を何で詰めるか
認知をどのようにして得るか
マイネッケのネイション論
第二章 ネイションの自明性――日本の形 029
日本の事情
形の見えるネイション
日本ネイションの土地
日本ネイションの特徴
日本ナショナリズムはいつからなのか
ネイションのために死ぬこと
こだわりの重点変化
日本ネイションと日本国家
敗戦後のこだわり
第三章 ネイションの多義性――ドイツの変形 063
ドイツの形
変幻自在のドイツ
ドイツの国家の複雑さ
プロイセン王国とハプスブルク帝国
ドイツ国家とドイツ文化
多すぎるドイツ
ドイツ帝国の物足りなさ
不都合な統一
不完全な統一
第一次世界大戦という画期
第四章 人間集団単位のネイション形成(一)――ドイツと東欧 091
西欧と東欧
地域単位と人間集団単位
東欧と第一次世界大戦
東欧のドイツ人問題
ドイツ人へのこだわり
ドイツ・ネイションと東欧
破局の進行
東欧的ネイションの変容
冷戦による氷漬け
冷戦後の東欧
第五章 人間集団単位のネイション形成(二)――ユーゴスラヴィアの滅亡 119
暴力の再来
セルビア・ネイションと宗教
セルビア・ネイションと近代国家
ユーゴスラヴィアヘのこだわり
セルビア人問題とユーゴスラヴィア
セルビア人問題の解決策
セルビア人問題の帰結
セルビア・ネイションの敗北
ムスリム人からボシュニャク人へ
ネイションは今も形成されている
経験ある第三者の役割
未来志向の可能性
第六章 地域単位のネイション形成(一)――アメリカ大陸の状況 149
地域単位のネイション形成と近代国家
ケベック・ネイション
ケベック・ネイションの地域性
シビックとエスニック
地域という単位
アメリカの民主主義
アメリカの裏側
地域住民の選別
アメリカのこだわり
中南米の地域的性格
第七章 地域単位のネイション形成(二)――ヨーロッパの西と南 175
イタリアとドイツ
「フランス」というこだわり
忘却とネイション形成
地域の変更
原住民という例外
フランスとアルジェリア
イギリスとブリテン
ネイション形成のダイナミズム
第八章 ネイション形成のせめぎ合い――重複と複雑化 197
ロシアのせめぎ合い
巨大さへのこだわり
ソ連のわかりにくさ
ロシア・ネイションの弱さ
大きすぎるトルコ
小さくなるトルコ
トルコとイスラーム
アラブの複雑さ
アラブ諸国家の強さと弱さ
イスラームと国家とアラブ
こだわりの強烈さ
第九章 ナショナリズムのせめぎ合い――東アジアの未来 227
ネイションの認知
中国と台湾
中華民族というこだわり
中国ネイションと中華民族
統一へのこだわり
朝鮮半島をめぐる国際政治
東アジアという不安定要因
昭和戦前期の意味
ナショナリズムの季節
せめぎ合いを前向きに
第一〇章 政治的仕組みとネイション 255
近代国家とネイション
ナショナリズムと民主主義
ネイションへの広がり
ネイションの活力
こだわりの重点変化
重点変化の事情
ネイションにすがる理由
ナショナリズムの動き方
国家とネイションの激増
国家の争奪
ネイションの形成は続く
おわりに [280-283]
【メモランダム】
・五百旗頭薫による書評(植村『昭和の思想』と併せて論じている)。
【書評】植村和秀『ナショナリズム入門』(講談社現代新書、2014年) | 研究プログラム | 東京財団政策研究所