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『金融の世界史――貨幣・信用・証券の系譜』(国際銀行史研究会[編] 悠書館 2012)

編集:国際銀行史研究会[こくさいぎんこうし・けんきゅうかい]
著者:鈴木 俊夫[すずき・としお] 経済史、経営史、英米金融史。
著者:小林 襄治[こばやし・じょうじ] 証券市場、国際金融、金融史。
著者:矢後 和彦[やご・かずひこ] フランス経済史、国際金融史。
著者:赤川 元章[あかがわ・もとあき] ドイツの国際銀行業。
著者:Sofia A. Salomatina[Саломатина Александровна/ソフィア・ソロマティーナ] ロシア経済史、ロシア金融史。
著者:菅原 歩[すがわら・あゆむ] イギリス対外投資史、アメリカ国際銀行業史。
著者:北林 雅志[きたばやし・まさし] イギリス系国際銀行の歴史的研究。
著者:西村 雄志[にしむら・たけし] アジア経済史、特に第一次世界大戦以前のアジアにおける国際金本位制の展開。
著者:蕭 文嫻[Siu, Man-han] 中国金融史。
著者:粕谷 誠[かすや・まこと] 日本金融史・日本経営史。
著者:平岡 賢司[ひらおか・けんじ] 両大戦間期の国際通貨・金融システムの分析。
著者:入江 恭平[いりえ・きょうへい] 国際金融市場と国際銀行業との関係史。
著者:MD. Main Uddin[モハマド・マイン・ウディン] 貧困対策からみたマイクロファイナンス、グラミンバンク経営史。
訳者:伊藤 大輔 [いとう・だいすけ] 米国金融史。
訳者:矢後 和彦
NDC:338.2 経済 >> 金融.銀行.信託 >> 金融史・金融事情.銀行史・銀行事情


金融の世界史―貨幣・信用・証券の系譜 - 【悠書館】人文書、自然科学書、レファレンスなどを出版しております



【目次】
まえがき [i-iv]


序論 中世から近世へ――国際金融の始まり[鈴木俊夫] 001
はじめに 002
貨幣と利子 003
  1 高利の制限 003
  2 高利引き下げと信用制度の発達 005

地中海やハンザ同盟諸都市の交易活動と大市(メッセ) 006
  1 ヨーロッパ世界の誕生と「商業の復活」 006
  2 「中世のグローバル市場」 007
  3 遠隔地取引と富豪の登場 008
    メディチ家 008
    フッガー家 010

初期の金融市場と銀行の発達 012
  1 アントウェルペンアムステルダムの金融市場 013
  2 中世イタリアの銀行業 015
  3 振替銀行―アムステルダム銀行 016
  4 東インド会社 018
    オランダ
    イギリス
    フランス
  5 チューリップ恐慌 022
  6 「南海泡沫」事件 022

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 025


第1章 イギリス[小林襄治] 027
はじめに 028

金本位制の展開 030
    金本位制
    ポンド・スターリングの誕生
    金貨の導入
    銀の洪水と大改悪
    ギニー金貨の時代
    銀貨大改造と銀の流出
    ニュートン比価で実質金本位制
    兌換停止の銀行券時代
    地金委員会報告、金単一本位法、金兌換再開
    19世紀の金銀生産動向
    物価の動向
    金本位制の国際的波及
    金本位制金保有額

銀行制度の発展 042
    金属貨幣から信用貨幣の時代へ
    銀行の誕生
    金匠銀行
    イングランド銀行の創設
    地方銀行の勃興
    預金銀行(株式銀行)の時代
    1844年(ピール)銀行法
    銀行合同運動の進展と五大銀行体制

貨幣・資本市場の発展 051
    ビルブローカー・割引市場
    「中央銀行
    「最後の貸し手」
    国際金融センター
    国債市場の生成
    減債基金、コンソル
    株式市場の生成・発展
    国際資本市場としてのロンドン
    マーチャント・バンク(引受商会)

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 065


第2章 フランス[矢後和彦] 067
はじめに 068
絶対王政期の金融システムとフランス革命 069
フランス銀行とオート・バンク 071

近代的信用制度の成立 074
  1 フランス銀行の改革 074
  2 クレディ・モビリエの展開と挫折 076
  3 預金銀行・事業銀行の形成 077
    パリ割引銀行 078
    クレディ・リヨネ 079
    ソシエテ・ジェネラル 079
    パリ・オランダ銀行 080
  4 パリ証券取引所 081

大衆貯蓄、農業信用、地域金融――独自の領域 083
  1 大衆貯蓄機関――貯蓄金庫と預金供託金庫 083
  2 農業信用金庫――クレディ・アグリコルの前身 085
  3 地方銀行――預金銀行・フランス銀行との関係 086

両大戦間期の変化 089
  1 1920年代の通貨危機と通貨安定化――「ポワンカレ・フラン」 090
  2 1930年代初頭の金融危機――中期信用と金融市場調整 091
  3 人民戦線期前後の改革――フランス銀行の進化 092

おわりに――フランスの金融システムの特異性 095
さらに詳しく知りたい人のための読書案内 097


第3章 ドイツ[赤川元章] 099
はじめに 100

通貨制度の形成およびライヒスバンクの成立と役割 103
  1 ドイツ通貨、マルクの誕生 103
  2 ライヒスバンクの成立と役割 104

金融システムの成立と展開 106
  1 個人銀行の発生と展開 106
  2 ドイツ産業と大規模株式銀行の成立 109
    第一次企業創業ブーム
    第二次企業創業ブーム
  3 専門金融機関の成立と業務の特色 113
    貯蓄金庫
    信用協同組合
    抵当銀行

大銀行と産業金融 117
  1 大銀行の発展とその業務 117
    銀行業務の主要勘定項目と内容
    銀行の証券業務
  2 銀行の産業に対する関係 122
    大銀行の資金調達と支店網の拡充
    大銀行と産業諸企業との関係および大銀行グループの特色

取引所の発達と証券市場の特色 124
  1 主要取引所の成立と展開124
  2 ドイツ証券市場と取引所126

ドイツの国際銀行業――海外銀行の活動と世界市場 127
  1 資本輸出 127
  2 海外諸地域におけるドイツ銀行業の活動 128
    中南米地域
    中近東地域
    アジア地域
    北米地域
    南欧地域
    東欧地域
  3 ロンドン金融市場とドイツ銀行業の関係 131

激動の両大戦間期における金融問題 132
  1 ドイツ金融恐慌と銀行業 132
  2 大インフレーション期の国家とライヒスバンク 134

さらに詳しく知りたい人のための読書案内136


第4章 帝政ロシア[ソフィア・ソロマティーナ[著] 矢後和彦[訳]] 137
帝政ロシアの経済成長―― 1860年代~1910年代 139

帝政ロシアの金融システム―― 19世紀後半~20世紀初頭 142
  1 金融機関の諸類型 143
    ロシア国立銀行
    株式商業銀行とその他の銀行
  2 初期の株式商業銀行―― 1864~74年 147
    ペテルブルク私営商業銀行
    モスクワ商業銀行
    その他の諸銀行
    ヴォルガ・カマ銀行
  3 景気後退と新たな飛躍の準備―― 1875~92年 151
    「ウィーン恐慌」の衝撃
    ロシア証券市場の発展
  4 1890年代における投資銀行の活況 155
    投資業務の概況
    ペテルブルク国際商業銀行の投資業務
    ロシア外国貿易銀行とロシア商業銀行
    収益構造と企業金融

20世紀初頭の変化 162
  1 1899~1908年における「ニューエコノミー」の危機 162
    銀行危機と政府・国民銀行
    リスク管理のネットワーク
  2 ユニバーサル・バンキングへ―― 1909~13年の新生 165
    露亜銀行
    その他の諸銀行

戦争と革命の時代におけるロシアの銀行―― 1914~17年 169
    第一次大戦とロシア経済
    戦時の銀行システム
    戦時のコンツェルン
    二月革命から一〇月革命へ

帝政ロシアの銀行システムの経験とその特徴――結論にかえて 174

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 177


第5章 アメリカ合衆国[菅原歩] 179
アメリカ金融史の特徴 180
植民地時代 181

建国期 183
  1 大陸紙幣 184
  2 ドルの成立 185
  3 最初の銀行設立 186
  4 第一合衆国銀行の設立から清算 187
    設立とその背景
    銀行の清算
  5 第二合衆国銀行の設立から清算 188
    設立とその背景
    銀行戦争と清算

州法銀行期 190
  1 州法銀行の発展 190
    サフォーク・システム
    ニューヨーク自由銀行法
  2 アメリカ銀行制度の特徴 192
  3 ニューヨーク証券市場の発展 194

南北戦争期 195
  1 グリーンバックの発行 196
  2 国法銀行の設立 196

金本位制の成立 198
  1 金本位制への道 198
  2 自由銀運動 199
  3 金本位制への巻き返し 200
  4 自由銀運動の退潮 201

中央銀行制度の成立202
  1 1907年恐慌
  2 連邦準備制度の成立

1920年代の繁栄 206
  1 第一次世界大戦の影響 207
  2 1920年代の株式ブーム 208

大恐慌ニューディール 209
  1 大恐慌 211
  2 ニューディール 213

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 216


第6章 アルゼンチン[北林雅志] 219
はじめに 220

アルゼンチン国家形成期における通貨と金融 221
  1 独立当初の通貨と金融 221
  2 ブエノスアイレス銀行 222
  3 リオ・デ・ラ・プラタ諸州連合銀行 223
  4 ロサス独裁体制下の通貨と金融 224
  5 ブエノスアイレス州とアルゼンチン連合 226
  6 貨幣制度統一に向けた動き 227
  7 兌換部の開設と銀行券兌換開始 228
  8 1876年の兌換停止 229
  9 ナショナル銀行の創設 230

通貨・銀行制度の改革(1880年代)からベアリング恐慌へ 231
  1 アルゼンチン・ペソの創設 231
  2 金本位制の採用と免換制度の再開 233
  3 国家保証銀行制度の導入 236
  4 不動産銀行と土地ブームの実態 238
  5 1880年代後半の外国資本の流入 240
  6 1890年アルゼンチン恐慌 242
  7 ベアリング恐慌 243

国際金本位制とアルゼンチン 244
  1 アルゼンチン国民銀行創設と兌換局の開設 244
  2 恐慌からの回復過程とその後の経済発展 245
  3 1899年兌換法の成立 248

アルゼンチンにおける中央銀行の設立過程 252
  1 金本位制の停止と再開 252
  2 世界恐慌金本位制からの離脱 252
  3 中央銀行の設立 254
  4 アルゼンチン中央銀行 255
  5 アルゼンチン中央銀行の国有化 256

むすび 257
さらに詳しく知りたい人のための読書案内 259


第7章 インド[西村雄志] 263
はじめに 264
インド経済の概観 267

金融制度の展開 268
  1 概要 268
  2 在来金融機関の役割 270
    19世紀以前の在来金融機関
    近代銀行業との関係
    在来金融機関のインド金融市場における役割
  3 為替銀行の発展 275
    インドにおける為替銀行
    為替銀行とインド省証券
    第一次世界大戦後の為替銀行の活動
  4 管区銀行の設立 282
  5 株式銀行の発展と役割 283
  6 中央銀行制度の発展 286
    銀行業と信用制度

おわりに 291
さらに詳しく知りたい人のための読書案内 294


第8章 中国[蕭文嫻] 297
はじめに 298
中国における財政通貨制度の展開298

中国の伝統的金融機関 301
  1 地方金融機関である銭荘 301
  2 国内送金業務の専門金融機関である票号 303
  3 地方官銀銭号 304

中国に進出した外国銀行 306
  1 外国銀行の進出過程―― 1840~1914年 307
  2 1914年以降の外国銀行 309

中国系近代銀行の発展 311
  1 中国の最初の株式銀行の設立 312
  2 政府系銀行の設立 313
  3 1912~36年の発展 315
  4 近代銀行の銀行券発行業務 316
  5 近代銀行と内国債引受業務 318
  6 銀行業務の近代化 319
  7 政府系銀行と政府との関係 320

戦時期および戦後直後の金融変革―― 1937~49年 322

計画経済時代の金融システム―― 1949~78年 324

改革開放後の銀行システムの変革 325

おわりに 330
さらに詳しく知りたい人のための読書案内 331


第9章 日本[粕谷誠] 333

江戸時代の金融システム 334
  1 金融を支える制度 334
  2 貨幣制度 335
  3 金融の仕組み 336

近代的金融システムの形成 338
  1 金融を支える制度 338
  2 貨幣制度 340
  3 普通銀行と貯蓄銀行 342
  4 中央銀行をはじめとする特殊銀行 346
  5 株式会社制度の普及と株式取引所 348
  6 銀行の外国業務 352

戦間期の金融 354
  1 戦間期の経済 354
  2 銀行動揺の発生と銀行合同政策 356
  3 株式市場と社債市場 360
  4 外国業務の発展 362

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 365


第10章 世界大恐慌と国際通貨制度[平岡賢司] 367

第一次世界大戦後の世界経済上の構造変化 368
  1 戦債・賠償問題 368
    戦債問題
    賠償問題
  2 国際金融市場の変化 371
    ロンドン国際金融市場の地位後退
    ニューヨーク国際金融市場の台頭

再建金本位制の成立と展開 374
  1 イギリスの金本位復帰とポンドの脆弱化 374
    旧平価での金本位復帰
    イギリス経済の停滞
    国際収支の赤字定着と対外短期債務の累積376
  2 国際通貨ドルの台頭とアメリカの資本輸出 378
    アメリカ経済の繁栄の1920年
    アメリカの資本輸出とドル供給
    アメリカの資本輸出急減とニューヨークへの資金流入

世界大恐慌と再建金本位制の崩壊 381
  1 アメリ大恐慌の勃発 381
    ニューヨーク株式恐慌
    スムート=ホーリー関税法の成立 
  2 ヨーロッパ金融恐慌 383
    オーストリア金融恐慌
    ドイツ金融恐慌
    イギリスの金本位制停止
  3 イギリスのポンド切下げとスターリング・ブロック形成 389
    為替平衡勘定の創設と低為替政策
    スターリング・ブロック形成
  4 アメリカの金本位制停止 393
    アメリカの銀行恐慌の進展

ローズヴェルトの通貨政策の展開と為替安定化の枠組構築 395
  1 ローズヴェルトの金政策 395
  2 金準備法の成立 396

三国通貨協定 398
  1 金ブロックの結成と崩壊 398
  2 三国通貨協定の成立 400

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 404


第11章 現代国際金融の諸相[入江恭平] 407
ブレトンウッズ体制とユーロカレンシー市場の出現―― 1950年代~60年代 408
  1 ブレトンウッズ体制 408
    ブレトンウッズ体制の理念と現実 408
    対外交換性回復期以前での外国為替市場の復活 409
  2 ユーロカレンシー市場の出現と国際銀行業 411
    国際短期金融市場に依存した国際銀行業 412

ドルの金交換停止と変動相場制移行―― 1970年代以降 414
  1 ドル危機からブレトンウッズ体制の崩壊 414
    金プール 414
    スワップ協定 415
  2 ブレトンウッズ体制の崩壊と変動相場制への移行 416
  3 ヨーロッパ通貨統合への胎動――スネーク(ヘビ)からEMSへ 419

証券取引システムの変貌――「メーデー」から「ビッグ・バン」へ 421
  1 ニューヨーク証券取引所メーデー(1975年)と全米市場システム 421
  2 NASDAQの登場(1971年) 422
  3 メーデーからビッグ・バンへ(1986年) 424

2000年代の世界金融危機 427
  1 規制緩和・シャドーバンキング・金融コングロマリット 428
  2 証券化とSPL問題 431
  3 証券化過程と金融機関 433
  4 世界金融危機の発現・展開 435
    2008年の危機の進行過程 438

世界金融危機と「ドル不足」 439

欧州の銀行における「ドル不足」の発現 442
  グローバルなスワップ網形成と歴史的な意義 442

さらに詳しく知りたい人のための読書案内 445


補論 開発経済とグラミンバンク[モハマド・マイン・ウディン[著] 伊藤大輔[訳]] 447
はじめに 448
グラミンバンク・モデル 451
女性が顧客である意味 456
さらに詳しく知りたい人のための読書案内 460


あとがき [462-463]
参考文献 [464-489]
索引 [490-499]
著者略歴 [500-503]