原題:Finance and the Good Society
著者:Robert J. Shiller (1946-) 経済学、金融論。
訳者:山形 浩生[やまがた・ひろお](1964-) 翻訳など。
訳者:守岡 桜[もりおか・さくら](1975-) 翻訳。
NDLC:DF121
NDC:338 金融.銀行.信託
シラー『それでも金融はすばらしい』日本語訳サポートページ
それでも金融はすばらしい | 東洋経済STORE
【目次】
目次 [003-009]
ペーパーバック版へのはしがき [011-020]
はしがき [021-031]
序章 金融、財産管理、そしてわれわれの目標 033
用語の重要性――金融資本主義
金融資本主義のとどめがたい広がり
金融資本主義とマルクス共産主義
金融資本主義の成熟
金融資本主義の作業理論によせて
金融の働き
金融と良い社会の出会い
明日の機会――情報時代の金融資本主義
経済における金融活動
金融資本主義と金融イノベーションの挑戦
本書の内容
第1部 役割と責任
第1章 最高経営責任者(CEO) 062
CEOの代替わり
報酬の水準を決める
モラルハザードと繰延報酬
取締役会のなれ合い
CEOの動機付け問題の普遍性
第2章 投資マネージャー 075
市場に勝つ
投資マネージャーの実績の持続性
投資マネージャー報酬のバブル
投資マネージャーの欺きのゲーム
投資マネージメントの誠実さ
第3章 銀行 094
銀行の起源
流動性のある安全な収益の提供者としての銀行家
銀行業の進化と将来
銀行業の民主化
第4章 投資銀行 108
投資銀行の民主化
投資銀行業がいかにインセンティブを新鮮に保つか
第5章 住宅ローン業者と証券化業者 117
住宅ローンの融資実行
住宅ローンの証券化
第6章 トレーダーとマーケットメーカー 129
金融報酬システムを仕切るトレーダー
高頻度取引
広範囲取引
第7章 保険業者 142
保険の民主化
長期リスクへの対応
保険改善のプロセス
第8章 マーケットデザイナーと金融エンジニア 150
マーケットデザインの多様な目的
きわめて個人的な問題もマーケットデザインが解決
第9章 デリバティブ業 160
デリバティブの起源
デリバティブ市場の正当化
オプションの規制
第10章 弁護士とファイナンシャルアドバイザー 172
弁護士
弁護士の数
低所得者・中間所得者にとっての弁護士
ファイナンシャルアドバイザー
金融資本主義の重要要素たる法的アドバイザー・金融アドバイザー
第11章 ロビイスト 183
ロビイストの力の不均衡
それでもロビイストは社会に役立つ
ロビー活動とロビイストの改革
第12章 規制当局 195
自主規制機関
政府規制当局
第13章 会計士と会計監査 205
秩序と一貫性の象徴
会計士業の自主規制機関
第14章 教育者 210
ビジネス教育の歴史的使命
経済教育と道徳
第15章 公共財ファイナンス 217
公共財の特徴
公共財供給のための戦略
第16章 経済安定化の責任を負う政策立案者 224
金融政策立案者
財政政策立案者
金融制度を発展させて経済変動を減らす
将来の安定化
第17章 信託業と非営利団体 237
信託による長期目標の実現
非営利組織
制度組織的な集積装置
信託業と非営利組織の未来
第18章 慈善家 247
慈善の根本的な経済的役割
エゴイズムと慈善
第2部 金融への不安
第19章 ファイナンス、数学、美 258
対称性
ファイナンスで支援される経済活動の美しさ
第20章 ビジネスマンと理想主義者はちがうのか 264
芸術家たちの金融財務史
革命家たちと金融の関わり
第21章 リスクを取ろうとする衝動 271
リスク負担が天職に
不安と格差
第22章 因習性と馴染み深さへの衝動 277
言葉をモノとして扱う
権利
第23章 負債とレバレッジ 291
負債に関する人的なまちがい
2007年アメリカ金融危機におけるレバレッジ
レバレッジとヨーロッパ債務危機
レバレッジの周期
不健全な負債、健全な負債
第24章 金融に内在するいかがわしさへの不幸なインセンティブ 306
カジノでのギャンブルとの対比
認知的不協和と偽善
道徳的な狙い
いかがわしさの誤解
人々はいかがわしさに確実に気づく
いかがわしいふるまいに対する過剰反応を避ける
第25章 金融投機の意義 323
投機は市場効率に貢献
アニマルスピリット
選択と投機行動
有限責任
パートナーシップ制から、有限責任公開企業への移行
金融投機の良い部分を奨励する
第26章 投機バブルと社会へのコスト 343
そもそも投機バブルって何?
社会病理
金融以外の投機バブル
戦争とバブル
良い社会
バブルの意義
第27章 格差と不公正 359
ファイナンスと不公正
富と金融の結びつき
金融の報酬バブル?
家族王朝
地位による消費
相続税
格差連動税または格差保険
体系的に考えファイナンス理論を適用する
第28章 慈善の問題 377
慈善インセンティブの改善
寄付を優遇する税法
今日では税制を単純化するニーズは減っている
もっと細かく定めた寄付控除と免税
個人間の贈答に対する税制インセンティブ
参加型非営利企業
慈善の有効性を高める他の方法
目標と人生
第29章 金融民主化の成果:資本所有の分散 399
土地改革
持ち家
投資ポートフォリオの所有
企業の従業員保有を奨励する政策
所有の集中に上限を
資本分散政策の全体的な効果
第30章 大いなる幻影、今昔 417
1910年の大いなる幻影
第一次世界大戦の究極原因たる大いなる幻影
今日のビジネスにおける大いなる幻影
人生の満足感
人生とビジネスにおける攻撃性
金融と紛争管理
終章 金融、権力、人間的価値観 438
金持ち権力者への敵意の激しさ
金持ちは特別なのか?
金融の民主化は独立した個人の自由な取引を助ける
金融資本主義の中心に来るべき金持ちの贈り物
権力追求は人間の本性か?
賞賛への欲望――人間の衝動
暴力なき権力闘争の場としての金融資本主義
謝辞 [456-458]
訳者あとがき(2013年11月 プノンペン/ビエンチャン/ハノイにて 山形浩生) [459-473]
注 [31-50]
参考文献 [9-30]
事項索引 [1-8]