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『株とギャンブルはどう違うのか――資産価値の経済学』(三土修平 ちくま新書 2008

著者:三土修平[みつち・しゅうへい]

 

筑摩書房 株とギャンブルはどう違うのか ─資産価値の経済学 / 三土 修平 著

 

【目次】
目次 [003-008]
はじめに [009-011]

 

第一章 すべてはここから始まる――資本還元の公式 013
  急に始まったのではない年金制度の病理
  目減りしない保障はもともとなかった年金のプール金
  南国土佐にスキー場
  払い下げ価格は40分の1
  費用価値説の通用しないストックの世界
  ストックとフローの等価関係
  「資産」の存在が経済問題を複雑にする
  キャピタル・ゲインとキャピタル・ロス
  永久年金の割引現在価値の公式
  成長する収益の割引現在価値の公式
  合理的なものと非合理的なものを区別してとらえよう
  経済ニュースがおもしろくない原因

 

第二章 企業価値とは何だろうか――貸借対照表と株式の市場評価 041
  値動きのある資産の代表選手としての株式
  まず株式会計の概略を知っておこう
  利益処分と純資産の成長
  そもそも株式会社とはどういうものか
  株主の権利は純資産への権利
  純資産の変動と株式の市場評価
  含み資産と無形資産

 

第三章 株価の特殊な動きを読み解く――株式会社の資金調達をめぐる諸制度 061
  約束事について知る必要性
  企業成長と資金調達
  額面株式と無額面株式
  株主割当増資とそれにともなう株価の動き
  ダウ式修正平均株価の考え方
  時価発効増資
  無償増資
  株価の絶対額は会社間で比較しても意味がない
  残された問題

 

第四章 投資の決断とネット・キャッシュ・フロー 081
  投資プロジェクトの選択
  投資の限界効率の逓減
  資金を銀行から借り入れる場合
  正味現在価値の最大化
  配当と内部留保への利益の最適配分
  内部留保を積むことがむしろ株主のためになる
  ネット・キャピタル・フローの最大化
  投資とは蹴上がりのようなものである
  投資が増資によってまかなわれた場合
  ふたたび増資プレミアムについて考える
  増資プレミアムの正体
  ネット・キャッシュ・フローの観点から見た「配当落ち」
  恒常成長のあるノコギリ状の運動
  最初の数年は配当が配られなかったら
  「織り込み済み」という仮定

 

第五章 創業者利得の世界 117
  5年間で32倍に成長する木があったなら
  木の「切り時」によって異なる現在価値
  実際の木の成長はもう少しなめらかだが……
  物質量の成長と経済的価値お成長とは別
  オークションで値段をつけるとこうなる
  情報や技術に格差がある場合――巨大無形資産が発生する
  この事業を株式会社で営んだら――貸借対照表企業価値との乖離
  未公開株の公開時に生じる大きな利益
  ベンチャー・ビジネスとベンチャー・キャピタル――株式会社制度の大きな受益者
  リスクの引き受けてが現れることの大切さ
  企業買収が合理的である理由

 

第六章 キャピタル・ゲインとは何だろうか 139
  不確実性とリスク
  リスクとリスク・プレミアム
  リスクつきの配当時系列の資本還元
  リスクはあるが配当の期待値は言っている一定率で成長する場合
  リスクつきの場合のノコギリ状の運動
  最初の数年は配当が配られなかったら
  隣接する任意の2期間のあいだの関係
  急成長局面から恒常成長局面へ――新事業が勃興する時の典型的な姿
  ひとつの劇的な数値例
  「利回り」がどうあるべきかについては時代によって考え方が変化
  「キャピタル・ゲインがあれば利回りは低くてもよい」という考え方
  しかしキャピタル・ゲインだけが一人歩きすることは不可能だ
  経済成長率との関係でみたキャピタル・ゲイン
  インフレーションとキャピタル・ゲイン
  予想されなかったインフレでも結局は同じ

 

第七章 株とギャンブルはどう違うのか――理論から現実へ 169
  これまでの勉強のまとめ
  理論上の「リスク」概念では説明しきれない本当の「リスク」
  「織り込み済み」以外の情報の影響と景気変動の影響
  上昇過程や下降過程での自己増殖的な値動き
  バブル経済が引き起こす所得移転
  それでは株はギャンブルと言ってしまってよいのか?
  長く続いた間接金融中心の時代
  銀行業と証券業はどちらが危険性が高いか?
  土地神話バブル経済
  不良債権問題の発生と銀行業の再編

 

第八章 低成長時代に利殖は可能か 191
  ゼロ金利時代と自己責任論の台頭
  直接金融が重要になる時代へ
  機関投資家の役割が大きくなるはずだが……
  日本に特有な株式持ち合いが状況を複雑なものにした
  法人資本主義が後押しした利回り革命
  偏ったキャピタル・ゲイン中心主義の定着
  低成長時代には軽視されるべきでない配当利回り
  内部留保のための内部留保はむしろ効率阻害要因
  キャピタル・ゲインは小さくても利殖はできる
  要は「積み増し中」の世代と「取り崩す時期」の世代とのバランス
  低成長社会の活性化むけて
  最低限の生活保障のためには別の発想が必要

 

あとがき(2008年7月 著者) [215-217]
巻末補注 [218-221]