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『不平等との闘い――ルソーからピケティまで』(稲葉振一郎 文春新書 2016)

著者:稲葉 振一郎[いなば・しんいちろう]
件名:所得分配
NDC:331.85 経済学.経済思想 >> 経済各論 >> 分配の理論:地代,賃金,利潤,利子


文春新書『不平等との闘い ルソーからピケティまで』稲葉振一郎 | 新書 - 文藝春秋BOOKS


【目次】
目次 [003-007]


第0章 はじめに――ピケティから、ルソーとスミスへ 009
  経済的不平等論はいつ始まったのか
  ルソー『人間不平等起源論』
  スミス『国富論
  「成長か格差か」という議論の原型
  資本主義の中の不平等談義
  本書の構成


第1章 スミスと古典派経済学――「資本主義」の発見 027
  アダム・スミスの新しさ――「資本主義」のイメージ
  資本主義のもとでの不平等



第2章 マルクス――労働力商品
 039
  マルクスの先駆性――「労働力」の発見
  「労働価値」で「搾取」を捉える
  労働の搾取と利潤
  マルクスが「労働力」の存在を主張した理由
  技術革新が失業者を生み続ける?
  不平等の原因は「資本蓄積」にあり
  技術革新の思想家マルクス



第3章 新古典派経済学
 061
  民主化の時代と新古典派経済学の成立
  古典派経済学と新古典派経済学の違い
  「収穫逓減」とは何か
  新古典派が見出す「誰もが資本家になりうる」可能性
  マーシャルの「人的資本」という視点


第4章 経済成長をいかに論じるか 079
  古典派・マルクスにおける「典型的な状況」
  新古典派にとっての「典型的な状況」
  新古典派的な定常状態
  新古典派はなぜ成長と分配問題への関心を低下させたか
  経済成長の核心
  技術革新と生産性との関係



第5章 人的資本と労働市場の階層構造
 103
  新古典派の金融システム論――労働者はなぜ資本家になりえるとされたのか
  株式という仕組み
  薄れゆく「労働問題」――労働経済学の変化
  労使関係の変容
  「発展段階論」による歴史変化の説明
  二通りの格差
  労働者間の格差は「人的資本」の格差である
  「人的資本」はチームのもの?
  抜き差しならない「生産と分配」の不可分性
  「不平等ルネサンス」前夜


第6章 不平等ルネサンス(1)――「クズネッツ曲線」以後 141
  「不平等ルネサンス」とは何か
  「生産から分配へ」と「分配から生産へ」
  はっきりしない「成長と分配」の理論


第7章 不平等ルネサンス(2)――成長と格差のトイ・モデル 146
  「成長と分配の理論」のモデルを考える
  資本はどのように蓄積されていくのか
  資本市場の有無は経済成長にどのように影響するか
  格差は温存されるか、平等化が実現するか
  技術革新をモデルに組み込む


第8章 不平等ルネサンス(3)――資本市場の完成か、再分配か 183
  資本の遍在をどのように解消するのか
  「人的資本」は資本市場になじむのか
  効果的な再分配政策は政治的に選ばれるのか
  不平等は悪なのか?――ルソーとスミスの対決からピケティへ


第9章 ピケティ『21世紀の資本 205
  ピケティは『21世紀の資本』で何を論じたか
  インフレーションのプラスの効果を重視するピケティ
  「r>g」は歴史的にみて常態である
  ピケティ『21世紀の資本』四つのエッセンス


第10章 ピケティからこころもち離れて 227
  ピケティの論敵たちは「不平等」をどのように考えるのか
  ピケティの「平等」についてのスタンスは揺らいでいる?
  ピケティが論じていない格差問題


おわりに [241-244]
あとがき(2016年3月 稲葉振一郎) [245-248]
参考文献 [i-vi]