contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『概説 社会経済学』(角田修一 文理閣 2011)

著者:角田 修一[かくた・しゅういち] 社会経済学、生活経済論、経済学方法論
内容:政治経済学Political Economy の概説書。多くの部分をマルクス経済学に依拠している。


概説社会経済学


【目次】
はじめに(2011年7月11日 東日本大震災原発災害から4ヵ月後の京都にて 筆者) [i-ii]
目次 [iii-x]


  第1部 社会経済学の基礎

第1章 社会経済学とは何か(introduction) 003
1. ポリティカル・エコノミー 003
2. 社会経済学の基本的特徴は資本制経済の認識にある 004
3. 経済学の方法:抽象と具体、現象と本質、主要なものと次要なもの、偶然と必然、変化と発展 007
4. マルクス史的唯物論と経済学の体系 009


第2章 社会経済学の人間観――「ホモ・エコノミカス」から「発達する人間」「協同する種」へ 014
1. 経済学の前提としての人間観 014
2. 協同する種――ラディカル派社会経済学による人間性の理解 018
3. 人間観と経済学の定義 020


第3章 経済学 対 経済学――社会経済学対新古典派経済学 024
1. 社会の経済的構造 024
2. 経済体制と経済学(ポリティカル・エコノミー対エコノミックス) 026
3. 経済学説の展開 029


第4章 経済思想と経済倫理――経済体制の理念と価値基準 032
1.  経済学と価値判断 032
2.  自由主義の意義と限界 033
3.  民主主義の問題 035
4.  社会主義の問題 036
5.  経済体制の評価基準:効率性、公正、民主主義、コミュニティ 037


第5章 労働を基礎とする経済と社会 042
1. 自然のなかの経済 042
  (1)  生命と環境 042
  (2)  生態系と経済系 043
2. 社会の経済的構造 046
  (1) 人間は労働を基礎に社会を形成する 046
  (2) 社会関係としての経済関係と労働の生産力 046
  (3) 労働と生産関係の内容 048
  (4) 生産関係を基礎とした行為のルールとしての経済制度 050


第6章 必要と剰余 054
1. 必要と剰余という区分 054
  (1) 社会の総生産物は必要生産物と剰余生産物とに分かれる 054
  (2) 必要労働と剰余労働 056
  (3) 剰余労働と剰余生産物が存在する意義 057
  (4) 経済体制による剰余生産物の形態の相違 058
  (5) 剰余をめぐる闘争 059
  (6) 経済における変化 060
2. 経済的階級と経済における権力 061
  (1) 経済的階級 061
  (2) 階級関係 062
3. 人口・階級・地域社会および家族 063


  第2部 資本制経済の基礎理論

第7章 資本制経済(概観)――商品生産・資本所有・賃労働 069
1. 商品生産 069
2. 資本の私的所有 070
3. 賃金労働 072
4. 剰余生産物と利潤 072
5. 資本蓄積による経済の変化 072


第8章 資本制以前の経済体制――原始共同制、古代奴隷制、中世封建制その他 079
1. 原始共同制 079
2. 古代奴隷制 081
3. 中世封建制 082
4. 封建制の解体と資本制経済の形成 083


第9章 商品生産と労働 087
1. 商品の2要因 087
  (1) 商品の集積 087
  (2) 商品の使用価値と交換価値 088
  (3) 交換価値から価値へ 089
  (4) 労働の二重性 090
  (5) 商品を生産する労働の性質 090
2. 価値量 091
  (1)  商品価値の大きさは、より正確にはどのように規定されるか 091
  (2)  価値量の変動 093
  (3)  価値方程式(価値量の数式的表現)とその数値例 094
  (4)  日本の労働価値計算と日米比較を行った最近の研究 095
3. 商品生産の社会的性格――いわゆる市場経済の特質 095


第10章 商品交換と貨幣 099
1. 商品交換から貨幣へ 099
  (1) 貨幣は商品の価値を表現するもの 099
  (2) 交換過程の矛盾から貨幣が生まれる 101
2. 貨幣それ自体の機能には5つある 102
  (1) 価値尺度 102
  (2) 流通手段 103
  (3) 蓄蔵貨幣すなわち価値保存 104
  (4) 支払手段 105
  (5) 世界貨幣 106
  (6) 貨幣の物神性 106
【補説:貨幣に関する現実と経済常識】 107


第11章 資本制商品生産その1――賃金労働 110
1. 資本と賃労働 111
  (1) 資本としての貨幣G‐W‐G’ の不思議さ 111
  (2) 労働力商品がカギ 112
2. 賃金形態としての労賃 115
  (1) 賃金とその大きさ 115
  (2) 「労働の価値=価格」は現象をそのまま反映した見方 116
  (3) 時間賃金が基本 118
  (4) 出来高賃金は時間賃金の変形 119


第12章 資本制商品生産その2――剰余価値の生産 121
1. 資本による剰余価値の生産 121
  (1)  労働過程と価値増殖過程――剰余価値の正体 121
  (2)  不変資本と可変資本の区分 123
  (3)  剰余価値量と剰余価値率 124
2. 剰余価値生産の展開 126
  (1) 絶対的剰余価値生産の概念 126
  (2) 相対的剰余価値生産の概念 127
  (3) 資本制における生産=労働様式の特殊性 128
  (4) 資本間の競争による生産力の不断の発展 130
  (5) 可変資本の節約と労資のあいだの抗争 131


第13章 資本蓄積と雇用 134
1. 資本による再生産 134
2. 単純再生産 135
3. 資本蓄積による拡大再生産 137
  (1) 資本蓄積とは何か 137
  (2) 取得法則の性格が変わる 138
  (3) 蓄積の大きさを規定する要因 139
  (4) 資本の集積と集中 139
4. 資本の有機的構成とその変動 140
  (1) 資本の有機的構成 140
  (2) 可変資本の節約と相対的減少 141
5. 相対的過剰人口と労働者の階層区分 142
6. 労働者の状態の改善のために必要なこと 144


第14章 資本循環と回転する資本 147
1. 資本の循環 147
2. 流通に必要な費用(「流通費」) 149
3. 回転する資本――固定資本と流動資本の区別 151


第15章 再生産表式 155
1. 資本の再生産のための条件 155
2. 単純再生産における年総生産物の転換 156
3. 拡大再生産における年総生産物の転換 160


第16章 利潤率 164
1. 剰余価値の利潤への転化と費用価格 146
2. 利潤率 166
3. 利潤率の均等化傾向と資本の競争 168
4. 現代日本の平均利潤率と生産価格 172
5. 平均利潤率の低下傾向 173


第17章 商業資本。商業利潤と商業労働 177
1. 商業資本が自立化する根拠 178
2. 商業利潤 180
3. 商業労働 182

第18章 利子生み資本と信用制度 184
1. 利子生み資本 184
2. 信用と信用制度 187
  (1) 商業信用(企業間信用)  187
  (2) 銀行信用 187
3. 擬制資本または架空資本 189
  (1) 擬制資本または架空資本 189
  (2) 株式会社 190
  (3) 所有と経営の分離と階級概念 192
  (4) 株式会社における生産と資本の社会化 194
4. 中央銀行 194


第19章 地代と近代的土地所有 197
1. 土地所有の実現形態としての地代 198
2. 差額地代 199
3. 絶対地代 201
4. 土地所有と土地価格 202
5. 資本による土地所有とバブル経済 203


第20章 資本制経済の総括:歴史と傾向 207
1. 諸階級の収入とその源泉――三位一体定式の批判 207
2. 資本制経済における国家と財政 210
3. 資本制経済の生成・発展と歴史的傾向 213
  (1) 資本制経済と国家 210
  (2) 財政の原理・原則と具体的な機能 211
  (3) 現代日本の国家と財政 213


第3部 資本制経済の動態
第21章 利潤率の決定要因と闘争 221
1. 利潤についての諸説 222
2. 社会経済学のミクロ経済学 223
3. 利潤とは何か 224
4. 利潤率の決定要因 226
  (1) 何が利潤率の高さを決定するのか 226
  (2) 労働時間当りの利潤率 227
  (3) 利潤率の規定要因としての原材料および資本財 229


第22章 個別資本間の競争と資本の集中 233
1. 利潤のための競争 234
2. 競争の諸形態 235
  (1) 価格競争 Price Competition 235
  (2) 新機軸 Breakthroughs 236
  (3) 独占力 Monopoly Power 237
3. 競争のための投資 239
4. 競争は本質的に動態的(dynamic)である 241
5. 利潤率の均等化傾向 242
6. 経済力の集中にむかう傾向 243


第23章 労働と賃金――賃労働の特殊理論 247
1. 労働と社会 248
2. 支配命令経済(command economy)としての資本制企業 250
3. 労働者と雇用主とのあいだの闘争 251
4. 労働規律:アメとムチ 253
5. 労働市場、賃金、労働強度 256


第24章 総需要と総供給――マクロ経済の動態 266
1. 総需要と総供給 267
2. 失業と財政政策(fiscal policy) 273
3. 景気循環とビルト−イン・スタビライザー 277
4. 投資、総需要、金融政策 279
5. 賃金、総需要、そして失業 280


第25章 マクロ経済政策のジレンマ 284
1. 高雇用による利潤圧縮 285
2. 輸出、輸入、総需要 288
3. 国際貿易とマクロ経済政策 291
  (1) 純輸出の促進 291
  (2) グローバル市場競争 293
4. 金融政策とフィスカル・ポリシーの衝突 294
  (1) 利子率を決定する要因 294
  (2) 政府の借入と外国為替相場 295
  (3) 金融政策とフィスカル・ポリシーの争い 296
5. 完全雇用達成のための制度的変革 297
  (1) 完全雇用の制度的障害 297
  (2) 完全雇用達成のための制度 299
6. 結論 302


人名索引 [304-307]