著者:柿埜 真吾[かきの・しんご](1987-) エコノミスト。学習院大学大学院経済学研究科博士後期課程(2019年代の当時)。
装幀者:芦澤泰偉+児崎雅淑
ミルトン・フリードマンの日本経済論 | 柿埜真吾著 | 書籍 | PHP研究所
【目次】
はじめに [003-009]
目次 [011-018]
第1章 ミルトン・フリードマンの生涯 020
最初は保険数理士になるつもりだった
悪化する米国経済
反ユダヤ主義が吹き荒れる
住宅不足の真の原因は家賃統制だ
事実から自由市場の有効性を明らかに
ケインズ経済学に代わる新しい理論を促す
マネタリスト・フリードマンの誕生
経済的自由は政治的自由の必要条件である
知識人の攻撃の的に
毛沢東思想を絶賛した経済学者たち
フリードマンの助言を無視したニクソン
ノーベル経済学賞受賞とテレビシリーズの大反響
全体主義者が恐れた思想
バウチャー制度とベーシックインカムの先駆け
第2章 フリードマンの貨幣理論 045
フリードマンの大恐慌研究
貨幣数量理論の復活
依然として貨幣は重要な役割を果たしている
ルールに基づく金融政策――フリードマンの先見性
マネタリズムの理論とk%ルールの関係
フリードマンの変動相場制擁護論――ユーロの失敗を予言
投機擁護論の誤解――闇雲な規制には慎重だった
実証的な分析スタイル
第3章 フリードマンの日本経済論 077
フリードマンの日本への関心
フリードマンの日本特殊論批判
第4章 日本の金融政策――固定相場制下の金融政策 085
固定相場制下のインフレのメカニズム
物価決定における予想の重視
構造的インフレ論批判――特定商品で物価水準の変動は説明できない
第5章 狂乱物価から物価安定へ 095
金融政策の失敗が招いた狂乱物価
貨幣量の重視により物価安定を達成
日本におけるマネタリズムの成功
貨幣量重視の金融政策になった背景
フリードマンの貨幣軽視への警告
第6章 日米貿易摩擦とフリードマン 117
揺れ動く日本特殊論者
フリードマンの日米貿易摩擦批判――日本特殊論への反論
“国際協調”に批判的だった
第7章 バブルの崩壊と金融政策 125
バブル経済批判――「東京の株式市場は健全とは思えない」
マネーサプライ急落を招いた日銀を批判
フリードマンの金融政策提言はなぜ無視されたのか
イデオロギーと経済分析上の道具を分離せず
小宮隆太郎氏の一貫した反マネタリズム
第8章 日本の構造問題へのフリードマンの見解 141
金融緩和の下での減税政策を主張
「高齢化社会を迎えるにつれて、深刻な問題になるだろう」
構造問題説批判――説得力のない日本特殊論の焼き直し
デフレ脱却と構造改革は補完的な関係
マネタリストとオーストリアン――ハイエクの経済理論との隔たり
第9章 量的緩和のための闘い 155
平成不況は予測可能だった
名目利子率重視の金融政策を批判
貨幣の成長率を高めよ
フリードマンのデフレ予測の的中
「流動性の罠」論の誤謬
フリードマンの量的緩和論
日銀による不完全な量的緩和の採用
第10章 実証主義者としてのフリードマンの一貫性 185
日米の対照的な経済成績
第11章 フリードマンの遺産 193
バーナンキのFRBはマネタリズムの原理を採用してデフレを回避
アベノミクスによる大胆な金融政策の登場
おわりに 207
あとがき(2019年10月 柿埜真吾) [211-220]
貧困対策はデフレ脱却・景気回復と矛盾せず
チャイナ・バッシングは百害あって一利なし
消費増税に頼った財政再建は再考すべき
自由市場経済は市民の自由を守る
参考文献 [1-17]
【関連記事】
フリードマンの著作権のひとつ。
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20101101/1288882800