著者:佐久間 孝正[さくま・こうせい] (1943-) 社会学。移民政策。
NDC:316.81 国家と個人・宗教・民族 >> 民族・人種問題.民族政策
件名:朝鮮人 (日本在留)
件名:アイルランド人 (イギリス在留)
【目次】
はじめに [i-viii]
目次 [ix-xiv]
1章 参政権への問いかけ 001
方法としての比較/求められる過去へのまなざし/問題提起者の一人はイギリス人
2章 イギリスのアイルランド支配――怨念の歴史 013
イギリス最初の植民地/フランスがイギリスをつくった/増長する偏見/アイルランド人は「世界史的民族」になれない/性のタブー化/離婚の禁止/言語の収奪/アイルランド語衰退に関心をもった日本人/二言語併用の明暗/思わぬ副産物/第二次世界大戦の影響/隣国との差異/カトリックとしてのこだわり/避妊の忌避/ナショナリズムとしてのスポーツ
コラム 国家と民族 047
3章 日本の近代化と東アジア侵略 051
戦略としての植民地/日本人の自画像/新体制にも引き継がれた外国人蔑視の体質/国の独立は人の自立から/「想像の共同体」/世界に類を見ない権威/第二次世界大戦への突入/隣国の言語支配/疑似「日本人」化の推進/東アジアの「文明化の使命」/皇民化による文明化/植民学の隆盛/帝国の「臣民」/冷戦による分断/東アジアのアイルランド/大国による国家の創出
コラム 貧困と移民 089
4章 在英アイリッシュと在日コリアンの現在 097
アイルランド人の数/入国時期と居住地域/職種と階層/根強い偏見/マイノリティのなかのマイノリティ/在日韓国・朝鮮人の職業と生活/向上する暮らし/在日の四類型/移動と疾患
コラム 言葉と国民性 124
5章 市民権の日英比較 129
マーシャルの問題提起/市民権をめぐる土壌の差/イギリスとアイルランド/「復活」したテロリズム防止法/在日韓国・朝鮮人の権利状況/在日の恣意的分離/市民的権利/マイノリティ問題という名の日本人の問題/悩む教員/問題残す公務就任権/教育界への影響/厳しい帰化要件/帰化を逡巡させる本国の族譜/デニズンの権利を認めない「先進国」/政治的権利/二分された運動/不合理な実態/再入国許可/社会的権利/求められる外国人市民の視点/教育をめぐる問題/朝鮮学校をはずす愚/教育の政治からの自由/日本は隣国を笑えるか/民主主義も途半ばの東アジア/多文化・多信仰に対するイギリス的配慮/強制しない儀式のあり方に/人種差別禁止法の制定を/梃子にしたい「間接的差別禁止法」
コラム 多様性の国際比較 211
6章 グローバリゼーションのインパクト 213
グローバリゼーションのひかりと影/EU加盟がアイルランドを変えた/大陸との交流の促進/婦人の解放/言語の復活/困難な道のり/グローバル化のなかのアイルランド/近年の韓国/国際条約のインパクト/批准した国際条約に伴う責任/小細工許さない判決/ほかのエスニシティへの影響
7章 国家によらない交流する市民 255
トランスナショナルな「市民」の連携/深まる日本各地と近隣諸国の関係/ポストナショナルな市民権/モデルなきアジア
コラム スーパーダイバーシティの到来 269
あとがき(佐久間孝正) [273-275]
参考文献 [x-xvii]
事項索引 [iii-ix]
人名索引 [i-ii]