著者:岡本 隆司[おかもと・たかし](1965-) 中国近代史、東アジア国際関係史。
NDC:222.01 中国史 >> 通史:興亡史,文化史,民族史,災異史,対外交渉史
【目次】
目次 [003-007]
中国全土図 [008]
プロローグ――中国経済と近代中国史 009
成長と謎の中国経済
異形の経済
中国を理解するために
I ステージ ――環境と経済 017
1 自然環境と開発の歴史 018
中国という世界
黄河と黄土
黄河流域の灌漑
長江と江南世界
江南の開発
外界との関係
南北の対外関係
2 人口動態と聚落形態 033
人口の中国史
人口変動と時期区分―― 一四世紀まで
人口変動と時期区分―― 一五世紀以降
「邑」と「村」
「市鎮」とその増加
聚落形態と時代区分
日中の対比
II アクター ――社会の編成 051
1 政府権力 052
財政への着眼
財政支出
汚職の慣習
財政収入
清代の納税
権力の位置
2 科挙と官僚制 065
「国」と「民」
二重構造
「士」「庶」の分岐
科挙の設立
特権階級の形成
科挙存続のメカニズム
官僚制のありかた
徴税と汚職
3 民間社会 083
「官」と「士」
「士」の分化
郷紳の役割
中間団体とその機能
宗族と同郷同業団体
人口増加とその影響
移住民の動向
秘密結社の叢生
一九世紀の世相と社会構造
III パフォーマンス ――明清時代と伝統経済 105
1 思想と行為 106
言行不一致の中国
中国の統計
「ものづくり」と中国史
「重農」の虚構
「地大物博」と貿易
商業の位置
2 明朝の成立と中国経済 118
唐宋変革からモンゴル帝国へ
明朝のイデオロギーと現物主義
税制・徭役・貨幣
朝貢と海禁
3 転換と形成 128
遷都と大運河
銀納化の進展
「湖広熟天下足」――地方間分業の形成
貨幣制度の破綻
通貨の生成
4 伝統経済の確立 138
密貿易の盛行
「北虜南倭」
明清交代
明代の「商業革命」
「革命」と伝統経済
5 伝統経済の特徴 148
現物主義の残存
中央と地方
原額主義と請負
通貨としての銀
通貨としての銭
内と外
徳川日本との対比
財産・契約の保護――権力の不干渉
中間団体の役割
6 景気の変動 166
デフレの時代
「危機」の構造
回復の契機
貿易の発展と「盛世」
7 経済体制と社会構成の定着 174
人口の増加と移民
中国のマルサス
零細な生業
貧民の生活
固定的で不安定な重層社会
IV モダニゼーション ――国民経済へ向かって 187
1 序曲―― 一八七〇年代まで 188
伝統と近代
貿易の旋回
密貿易の位置
買辦の起源
戦争・条約・開港の意味
伝統経済と綿布
貿易の増加と上海の勃興
外國と不平等条約
内乱と秩序の回復
釐金とは何か
督撫重権
2 胎動―― 一八九〇年代まで 210
輸出貿易の変化
地方の分業から分立へ
インド綿糸の流入
変化の様相
保護関税の成否
工業化の動き
企業経営
会社と合股
産業化の挫折
貿易と財政
財政再編の胎動
3 進展――日中戦争まで 232
観念の転換
借款・賠償金と中央財政
督撫重権から各省分立へ
「満洲国」の成立へ
軍閥の割拠
中央の挫折
袁世凱の遺産
第一次大戦と財政金融
「黄金時期」
対内凝集
国民政府の登場
エピローグ――中国革命とは何だったのか 259
限界
崩潰
共産党の登場
革命の展望――「改革開放」へ
現代中国と近代中国史
あとがき(二〇一三年四月 晴れわたった賀茂の畔にて 岡本隆司) [270-273]
参考文献 [viii-x]
索引 [iii-vii]
関連年表(BC221〜2008) [i-ii]