原題:THE REBEL SELL: Why the Culture Can’t be Jammed Capstone
著者:Joseph Heath(1967-) 哲学。
著者:Andrew Potter(1970-) 編集業。随筆。
訳者:栗原 百代(1962-) 翻訳。
NDC:253.073 アメリカ合衆国
NDC:309.02 社会思想
NDC:331.87 消費.貯蓄.投資.奢侈.貧困
反逆の神話 カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか|書籍出版|NTT出版
※追記。本書は2021年に「ハヤカワ・ノンフィクション文庫」に収められた。この文庫には、Joseph Heathによる長い序文と、稲葉振一郎による解説が付されている。副題を俗に改めても読み手を相当選ぶ本なのは変わらない。
反逆の神話〔新版〕──「反体制」はカネになる | 種類,ハヤカワ文庫NF | ハヤカワ・オンライン
【目次】
目次 [/]
謝辞 [003-004]
序章 005
反逆者が履くナイキ/『マトリックス』を読み解く/カウンターカルチャーの快楽主義
第1章 カウンターカルチャーの誕生 019
誰がカート・コバーンを殺したのか/反逆思想の系譜/カール・マルクスの診断/ファシズムと大衆社会/ミルグラムの「アイヒマン実験」/「システムからの解放」という目的/「体制」はなぜ崩壊しないのか
第2章 フロイト、カリフォルニアへ行く 045
フロイトの登場/イド・自我・超自我/心の「圧力鍋」モデル/現代社会は「抑圧」する/マナーの起源/アメリカはファシズム社会か/『アメリカン・ビューティー』と『カラー・オブ・ハート』/ドラッグによる革命/パーティーのために闘え!
第3章 ノーマルであること 077
フェミニズムがもたらしたもの/アナーキズムの罠/集合行為問題の解決法/異議申し立てと逸脱の区別/フロイトvsホッブズ/フロイトvsホッブズ(その二)/日常の中の「ルール」/わがパンク体験
第4章 自分が嫌いだ、だから買いたい 115
反消費主義=大衆社会批判?/幸福のパラドックス/消費主義の本質/ボードリヤール『消費社会と神話の構造』/マルクスの恐慌論/ヴェブレンの洞察/消費主義の勝利は消費者のせい/都会の家はなぜ高い/「差異」としての消費/バーバリーがダサくなった理由/ナオミ・クラインのロフト
第5章 過激な反逆 157
ユナボマーのメッセージ/反体制暴動は正当化されるか/マイケル・ムーア『ボウリング・フォー・コロンバイン』/精神病と社会/「破壊」のブランド化/オルタナティブはつらいよ/消費主義を活性化するダウンシフト/お金のかかる「シンプルな生活」
第6章 制服〔ユニフォーム〕と画一性〔ユニフォーミティ〕 187
ブランドなしの「スタトレ」/制服は個性の放棄か/制服の機能/「全体的制服」をドレスダウン/軍隊の伊達男/反逆のファッション/イリイチ『脱学校の社会』/学校制服の復活/女子高で現地調査/なぜ消費主義が勝利したか
第7章 地位の追求からクールの探求へ 217
「クール」体験/クールとは何か/「ヒップとスクエア」/アメリカの階級制/ブルジョワでボヘミアン/クリエイティブ・クラスの台頭/クールこそ資本主義の活力源/広告は意外に効果なし?/どうすれば効くのか/ブランドの役割/選好とアイデンティティ/流行の構造/広告競争のなくし方
第8章 コカ・コーラ化 255
レヴイットタウン/現代の建売住宅事情/画一化の良し悪し/みんなが好きなものはあまり変わらない/少数者の好みが高くつく理由/「マクドナルド化」批判の落とし穴/グローバル化と多様性/反グローバル化運動の誤謬
第9章 ありがとう、インド 289
自己発見としてのエキゾチシズム/エキゾチシズムの系譜/ボランタリー・シンプリシティ/東洋と西洋/香港体験記/カウンターカルチャーは「禅」がお好き/先住民は「自然」か/「本物らしさ」の追求/胡同を歩く/旅行者の自己満足/ツーリズムと出張/代替医療の歴史/代替医療はなぜ効かない
第10章 宇宙船地球号 327
サイクリストの反乱/テクノロジー批判/「スモール・イズ・ビューティフル」/適正技術とは何か/サイバースペースの自由/スローフード運動/ディープエコロジー/環境問題の正しい解決法
結論 365
ファシズムのトラウマ/反逆商売/多元的な価値の問題/市場による解決と問題点/反グローバル運動の陥穽――ナオミ・クラインを批判する/そして何が必要なのか
後記 383
倫理的消費について/簡単な「解決策」などない/左派は文化的政治をやめよ/カウンターカルチャーの重罪/資本主義の評価/僕らはマイクロソフトの回し者?
原注 [400-414]
訳者あとがき(二〇一四年八月 訳者) [415-418]
読書案内 [419-420]
索引 [422-433]