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『反知性主義――アメリカが生んだ「熱病」の正体』(森本あんり 新潮選書 2015)

著者:森本あんり[もりもと・あんり] (1956-)  神学。宗教学。
NDC:192.53 キリスト教史.迫害史(アメリカの)


森本あんり 『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』 | 新潮社


【目次】
はじめに [003-006]
目次 [070-016]


プロローグ 019
  レーガン大統領とピューリタン
  祝福か滅びか
  「契約」概念のアメリカ化
  宗教の伝播とウィルス感染
  単純な二本線の論理
  幸福の神義論
  反知性主義の成分要素


第一章 ハーバード大学 反知性主義の前提 
1.極端な知性主義 031
  リバイバリズムを生む土壌
  高学歴社会
  ハーバード大学の設立
  牧師養成の神学校として
  一般教養の大学として
  神学ではなく教養
  学部と大学院
  「万人祭司制」の教育
  カトリックの神学教育
  その後の高等教育
2.ピューリタンの生活ぶり 047
  教会の成り立ち
  高度に知的な礼拝
  実像のピューリタン
  水没した学長


第二章 信仰復興運動 反知性主義の原点 
1.宗教的熱狂の伝統 055
  テレビ伝道者と大統領選挙
  信仰復興運動の発端
  「誠実な報告者」エドワーズ
  信仰復興はなぜ起きたか
  幼児洗礼と半途契約
  教会員籍と公民資格
  人口増と印刷業の発展
  メディアとコンテンツの循環
2.「神の行商人」 068
  「メソポタミア」の一言で
  フランクリンとの出会い
  フランクリンの絶賛
  メディアの活用
  ホイットフィールドとエドワーズ
  歴史の証言者になるとは
  伝道集会の規模
3.反知性主義の原点 082
  なぜ野外集会なのか
  古女房かコーラスダンサーか
  反知性主義の決めぜりふ
  原点への回帰
  「熱心」の逸脱
  「詐欺師」の伝統
  信仰復興と「アメリカ」の成立


第三章 反知性主義を育む平等の理念 
1.アメリカの不平等 095
  平等理念のプロテスタント的起源
  平等は画に描いた餅か
  平等の超越的な根拠
  宗教的には平等だが
  宗教的反逆と政治的反逆
  ニューイングランドの矛盾
2.宗教改革左派とセクト主義 104
  第三の改革勢力
  チャーチ型とセクト
  ミュンスターの惨劇
  迫害への抵抗
  法律違反という挑戦
  クエーカーの過激な平等主義
  フランクリンとクエーカー
3.宗教勢力と政治勢力の結合 115
  建国父祖たちとの協力
  マディソンの確信
  アメリカ的な政教分離の真意
  窮地に陥ったジェファソン
  反知性主義を育む平等論
  大きな政府への警戒心
  「キリスト教アメリカ」の意味


第四章 アメリカ的な自然と知性の融合 
1.釣りと宗教 127
  「リバー・ランズ・スルー・イット」
  自然の法に聞き従う
  語り得ないものを伝える
2.「理性の詩人」と「森の賢者」 132
  自然と魂との連続
  映画化された哲学
  エマソン反知性主義
  ヨーロッパ的な知性に抗して
  ラディカル・セクトとの共通性
  「森の賢者」ソロー


第五章 反知性主義と大衆リバイバリズム 
1.第二次信仰復興運動 145
  広がりゆくアメリ
  メソジスト教会の発展
  「読み書きのできるバプテスト」
  バプテスト教会の発展
  諸教派の乱立
2.反知性主義のヒーロー 153
  間抜けなロバ
  ジャクソンの生い立ち
  「読み書きのできるアダムズ」
  大衆動員による選挙
  反知性主義の使命
  ジャクソン政権の遺産
  ジェントルマンの凋落
  ほら話のできるヒーロー
  詐欺師の伝統
  強者をやっつける反知性主義
3.リバイバルのテクニック 174
  チャールズ・フィニー
  弁護士のように説教を語る
  宗教か呪術か
  リバイバルは奇跡ではない
  リバイバルのプロデューサー
  女性と黒人の平等へ


第六章 反知性主義のもう一つのエンジン 
1.巨大産業化するリバイバル 185
  第三次信仰復興運動
  子どもたちの日曜学校から
  独立系教会のはじまり
  理想のビジネスモデル
  イギリスへの伝道旅行
  体制派知識人の反発
  スコットランド教会の立場
  困惑するリベラリズム
  唯物論エンゲルスの見解
2.信仰とビジネスの融合 201
  徹底した組織化
  リバイバル集会の会場
  資金と報酬
  巡回セールスの起源
3.宗教の娯楽化 209
  元祖パブリック・ビューイング
  音楽家サンキーの魅力
  秩序立った興奮
  「天助」と「自助」の相即
  温和な反知性主義
  宗教と現世の利益


第七章 「ハーバード主義」をぶっとばせ 
1.反知性主義の完成 221
  戦闘的な反知性主義のヒーロー
  サンデーの生い立ち
  大リーグ選手へ
  野球のプロスポーツ
  二つの出会い
  妻に釣り合う人間となるために
  伝道者への転身
  牧師資格の取得
2.知性の平等な国アメリ 234
  トクヴィルの驚き
  知性の前進を促す反知性主義
  「たたき上げ」の可能な時代
  成功が成功を生む時代
  アメリカン・ドリームの体現者
  成功神話に隠された心理
3.アメリカ史を貫く成功の倫理 245
  ショービジネス化する伝道集会
  政教分離の副産物
  リバイバルと音楽
  ナショナリズムへの傾斜
  反知性主義の変質
  キリスト教の土着化
  素朴な道徳主義
  矛盾に満ちた晩年


エピローグ 259
  知性とは何か
  知性をもつのはどんな人か
  反知性主義とは何か
  反知性主義が生まれた背景
  反知性主義の存在意義
  反知性主義のゆくえ
  ポジティヴ病の現代アメリ
  反知性主義は輸出されるか


あとがき(森本あんり) [271-276]
註 [277-282]