contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『物語 アメリカの歴史――超大国の行方』(猿谷要 中公新書 1991)

著者:猿谷 要[さるや・かなめ] (1923-2011) アメリカ史。

【メモランダム】
本文には、コラムと別項目の中間のような文があるので、下記目次でも「囲み記事」として明示しておきました。


【目次】
目次 [/]


プロローグ 歴史の入り口で 003
  『風と共に去りぬ』の町で/フットボールの熱狂ぶり/公民権運動の古戦場/チェロキー・ネイションの地/“チャタヌーガ・チューチュー”/日本企業を迎える側/『アンクル・トムの小屋』の舞台/これが人種差別か/「水でも酔ったわ」


第一章 新しい共和国の誕生(〜一七八九) 027
1 最初のアメリカ人たち
  最初のアジア系移民/日本人との関係/八つの生活文化圏/インディアン系の混血
2 植民地の生活環境
  征服者たちの爪跡/ヴァジニア植民の成功/神話と現実のギャップ/ニューヨークの誕生/西欧人にとっての世界/植民地人は多産
3 独立革命の成果
  革命前夜/独立戦争/「きみたちは新しい世界を創りつつあるのだ」/生みの苦しみの舞台/「あの人は何ができるか?」と聞く国
[囲み記事] トウモロコシとタバコ/ベンジャミン・フランクリン/幕あきが近づく


第二章 国家分裂の危機(一七八九〜一八六五) 067
1 新しい国家の陰鬱
  人口四〇〇万の新国家/インディアン国家との対応/白人との平和共存を/ジェファソンの恐れたこと/最初の女性兵士
2 北部・南部・西部の性格
  地位の平等という基本的事実/北部――ニューョーク、大都市に/南部――奴隷制度賛美論/西部――明白な天命
3 南北戦争をめぐって
  国家分裂の可能性/南部の女性たちはみな民主政体の実験/戦争はすべて地獄
[囲み記事] 反戦運動のリンカン/パッチワーク・キルト/日本の扉を開くアメリ


第三章 アメリカ帝国の出現(一八六五〜一九〇〇) 105
1 独占資本の燗熟
  鉄道が時代をリードする/第一次金ピカ時代/大統領選挙の闇取引
2 レイシズムの国
  奇妙な果実/追いつめられた先住民/インディアンフロンティア消滅す
3 帝国への道を歩む
  殺到する新移民たち/「社会の堕落に対する抵抗」/海を制するもの
[囲み記事] 新しいヒーロー像 カーネギー/カウボーイの世界/友好と交流の半世紀


第四章 大衆消費の実現と大恐慌(一九〇〇〜一九四一) 135
1 社会改革の道のり
  二〇世紀の初めはまだ大衆の不満と怒り/ウィルソンの大義名分
2 ジャズ・エイジの光芒
  汚職と沈黙の大統領たち/第二次金ピカ時代/二つの裁判事件/ハーレム・ルネサンス
3 パニック全米を覆う
  コッペパン一個を貰う行列/F・D・ローズヴェルト夫妻/真珠湾への道
[囲み記事] もぐり酒場/フランシスとアメリア/対立から敵意へ


第五章 アメリカの世紀(一九四一〜一九六〇) 169
1 第二次大戦参加
  真珠湾奇襲をめぐって/日系人の強制収容/ヤルタと原爆
2 冷戦と赤狩り
  ヨーロッパで歓迎されたアメリカ人/赤狩りのヒステリー症状/アジアを知らない“世界の警察官
3 アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ
  世界に溢れた生活文化/チャップリン追放される/スプートニク・ショックと台所論争
[囲み記事] マリリン・モンロー/ミュージカル/憎悪から蜜月へ


第六章 平等への闘い(一九六〇〜一九七三) 199
1 黒人革命ののろし
  汝の敵を愛せ/南部にも良心が/「私には夢がある」
2 フロンティアの命運
  ケネディ大統領の評価/三冊の本の衝撃/大統領の暗殺をめぐって
3 六〇年代は燃えていた
  ベトナム戦争推進派と反対派/“ブラック・パワー”の爆発/大学紛争と若者たち/他のマイノリティ集団も
[囲み記事] ロバート・ケネディ/セクシャル・レヴォリューション/日本経済の急追と大国の驕り


第七章 超大国の行方(一九七三〜) 233
1 急速な翳り
  一九七三年――節目の年/ベトナム後遺症/カーターの優しさと弱さ
2 アメリ生活様式の明暗
  何かが狂っている/レーガン――手品師のような大統領/女性副大統領候補の誕生
3 冷戦の終りに
  「あれは無益な戦争でした」/保守化の潮流/Play now, Pay laterの国
[囲み記事] 未知の世界へ


エピローグ 歴史の出口に立って
  歴史としての現在/信じられない大量の飢餓/超大国から並みの大国へ


あとがき(一九九一年初秋 猿谷要) [272-276]
アメリカの歴史・略年表 [277-282]
引用文献 [283-292]




【関連記事】
 アメリカ合衆国についての日本語文献は膨大にある。
 弊サイトにもアメリカ関係の本を少々載せているが、いずれも有名な翻訳本や読みやすい新書がほとんど。こうして見返すと、法・政治・地理・歴史・教育・医療・経済など多くの分野が足りていない。パトナムやトクヴィルも載せていない。



  [人種]
『人種とスポーツ――黒人は本当に「速く」「強い」のか』(川島浩平 中公新書 2012)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20200501/1588258800

クー・クラックス・クラン――白人至上主義結社KKKの正体』(浜本隆三 平凡社新書 2016)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20170129/1484812289


  [文化]
『反逆の神話――カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』(Joseph Heath, Andrew Potter[著] 栗原百代[訳] NTT出版 2014//2005)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20150209/1476686841

『沈まぬアメリカ――拡散するソフト・パワーとその真価』(渡辺靖 新潮社 2015)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20170829/1501154596


  [思想・宗教]
リバタリアニズム――アメリカを揺るがす自由至上主義』(渡辺靖 中公新書 2019)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20190317/1552748400

『追跡・アメリカの思想家たち〈増補改訂版〉』(会田弘継 中公文庫 2016//2008)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20161013/1474954169

『集中講義!アメリ現代思想――リベラリズムの冒険』(仲正昌樹 NHKブックス 2008)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20160121/1475404412

反知性主義――アメリカが生んだ「熱病」の正体』(森本あんり 新潮選書 2015)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20170421/1491849943

アメリカの反知性主義』(Richard Hofstadter[著] 田村哲夫[訳] みすず書房 2003//1963)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20140905/1474001317

アメリ自由主義の伝統』(Louis Hartz[著] 有賀貞[訳] 講談社学術文庫 1994//1991)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20181201/1542995047

『心の習慣――アメリ個人主義のゆくえ』(Robert N. Bellah 他[著] 島薗進,中村圭志[訳] みすず書房 1991//1985)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20110101/1293807600

『「経済人」の終わり――全体主義はなぜ生まれたか』(Peter F. Drucker[著] 上田惇生[訳] ダイヤモンド社 1997//1939)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20150909/1476685709


  [食]
『食の実験場アメリカ――ファーストフード帝国のゆくえ』(鈴木透 中公新書 2019)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20200705/1593957600

『戦争がつくった現代の食卓――軍と加工食品の知られざる関係』(Anastacia Marx De Salcedo[著] 田沢恭子[訳] 白揚社 2017//2015)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20200701/1593615480

『フードトラップ――食品に仕掛けられた至福の罠』(Michael Moss[著] 本間徳子[訳] 日経BP 2014//2013)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20150313/1426172400