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『〈運ぶヒト〉の人類学』(川田順造 岩波新書 2014)

著者:川田 順造[かわた・じゅんぞう] (1934-) 文化人類学


〈運ぶヒト〉の人類学 - 岩波書店


【目次】
目次 [i-vi]


1 なぜ「運ぶヒト」か? 001
ヒトはアフリカで生まれ、世界に広がった
アフリカを出たとき、どうやってものを運んだのだろう?
直立二足歩行が、「運ぶ」ことを可能にした
直立二足歩行のはじまりは?
頭蓋骨から推定できる二足歩行
だが、そもそもヒトのはじまりは?
これもヒトだけの特徴「二重分節言語」
では、ホモ・ポルターンスを研究する方法は?


2 文化の三角測量 021
文化を比較する二つの方法
轆轤を逆にまわす
日本での琵琶の普及
風が吹けば桶屋が儲かる
「はたらく」よろこび? それとも経済外的強制?
労働をねぎらい、励ます言葉が豊富なモシ社会
自己主張のつよさ
市で活き活きとするヨメたち
地縁組織の弱さ
人間と道具の関係で比較すると
アフリカ式溶鉱炉
夏雨型農耕と冬雨型農耕
前屈したままでの除草の方がラク
冬雨型のフランスではアザミ除去に一苦労
文化の比較から、「身体技法」の比較へ


3 「身体技法」としての運び方 053
身体と文化
身体技法の集合としての「おこない」
モノとのかかわりでの身体技法
「運ぶ文化」にとっての生態学と働態学
二重分節言語の条件
運ぶ行為における、身体と道具
西アフリカ黒人の身体特徴
育児法などとの関連
運搬法にみる三つの指向性
前頭帯運搬の系譜は
黒人、白人、黄人にみる運搬具の共通点と差違


4 「技術文化」と運搬法 099
技術文化の指向性
ヒトと道具―― 三つのモデル
道具をまたがない日本の職人
前頭帯と棒運搬をめぐる文化
石器文化の西と東、竹の文化は?
「朸〔おうご〕」が提起する問題
棒でかつぐ運搬の日本での異常な発達
中国でも多様だった棒運搬
三文化における「履き物」
背負い運搬における重心の高低
人力以外の動力活用への指向
日本の川船輸送との比較で
蒸気機関以後


5 「運ぶヒト」のゆくえ 139
はじめどうやってモノを運んだか、再び
頭上運搬の移り変わり
より効率のよい運び方へ
現代日本における身体技法
ナンバ歩き
グローバル化」とは?
グローバル化のはじまり
進歩をめぐる楽観から、先の見えない悲観へ
エスニックとグローバルのあいだ
モノ運びの仮想パレード
メキシコの少年らのグループ
いま、アフリカでは
「運ぶヒト」の原点に帰って


参考文献 [171]
図版出典一覧 [173-176]