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『カラー版 世界服飾史〈増補新版〉』(深井晃子[監修] 美術出版社 2010//1998)

監修:深井 晃子(ふかい・あきこ) 京都服飾文化研究財団理事
著者:徳井 淑子(とくい・よしこ) お茶の水女子大学教授
著者:古賀 令子(こが・れいこ) 文化女子大教授
著者:周防 珠実(すおう・たまみ) 京都服飾文化研究財団学芸員
著者:石上 美紀(いわがみ・みき) 杉野服飾大学講師
著者:新居 理恵(にい・りえ) 京都服飾文化研究財団学芸員
著者:石関 亮(いしぜき・まこと) 京都服飾文化研究財団学芸員
NDC:383.1 衣食住の習俗 >> 服装.服飾史


増補新装 カラー版 世界服飾史 | 株式会社美術出版社|アートを社会に実装させる


※ルビは〔 〕で示した。また、章題の直後につけた〔 〕で執筆者を示した


【目次】
はじめに(監修者=深井晃子) [001-002]
目次・凡例 [003-004]


I 章 古代〔徳井淑子〕 005
1 オリエント 006
  メソポタミア
  エジプト
2 ギリシア 013
  クレタ文明とミュケナイ文明
  懸衣とドレーパリー
3 ローマ 018
  エトルリア文明
  トガの展開
  ギリシアの継承とゲルマンの影響
  [コラム]マールティアリースの『エピグランマタ』


II章 中世〔徳井淑子〕 025
1 5世紀から10世紀まで 026
  ビザンティン文明
  フランク族の文化
2 11世紀から12世紀まで 030
  バイユーのタピスリーが伝える風俗
  文学が記す男性の服飾
  [コラム]手袋のシンボル
  ブリオーの形態と表現
  パープル染
3 12世紀末から14世紀半ばまで 036
  マントの習慣
  毛皮文明
  コットとスュルコ
  ミ・パルティと縞柄
  [コラム]“ズボン〔キュロット〕をめぐる争い”
4 14世紀半ばから15世紀まで 044
  脚衣と短い上衣の組み合わせ
  紋章の流行
  [コラム]下着姿のシンボル
  [コラム]黄色の服はなぜ稀か
  衣服の色とそのシンボル
  黒の発見


III章 16世紀〔徳井淑子〕 053
1 形態と装飾 054
  ラブレーが伝える男性の服飾
  誇張と変形
  ブラゲットとポシェット
  [コラム]『鉱物誌〔ラピデール〕』と宝石の効能
  女性の服飾
2 国民性と国際性 063
  各国モードの交流
  [コラム]贅沢禁止令
  黒の流行
  服飾版画集の刊行
  [コラム]「南蛮」服飾と日本


IV章 17世紀〔古賀令子〕 067
1 オランダの繁栄,そしてフランス・モードの確立へ 068
2 17世紀前半 068
  詰め物の消失と騎士風モードの台頭
  デコルテと付けぼくろの流行
3 バロックの美意識:ギャラントリー 073
4 17世紀後半 075
  ルイ14世の時代
  モリエールが風刺する装飾過剰のモード
  近代的男子服の原型が成立
  壮麗な宮廷衣装とローブ・ド・シャンブル
5 インド更紗の流行 082
  [コラム]ベラスケスとスペインの宮廷服
  [コラム]綿の伝播


V章 18世紀〔周防珠実〕 085
1 貴族社会の頂点、そして革命へ 086
2 ロココの男性服 087
3 18世紀前半の女性服 089
  洗練と調和
  絹織物とアンディエンヌ
  シノワズリーと服飾
  パニエとコルセット
  [コラム]当世風結婚
4 18世紀後半の女性服 099
  極限の人口美と自然への憧憬の二極性
  モード商人とモード雑誌
  巨大な髪型
5 革命からナポレオンの流れ 103
  [コラム]子供を救ったルソーの『エミール』


VI章 19世紀〔石上美紀〕 109
1 ブルジョワジーの時代、新しい流行のリーダー 110
2 男性の服飾 110
  19世紀前半――ダンディズムの服飾
  19世紀後半――紳士服の定型化とカジュアル化
3 女性の服飾 116
  1820〜30年代――ロマン主義時代
  1840〜50年代――ペティコートの重ね着で膨らむスカート
  1850〜60年代――クリノリン・スタイル
  [コラム]カシミア・ショール
  1870〜80年代――バッスル・スタイル
  下着の時代
4 モード産業の基盤 126
  織物産業の発展と既製服の誕生
  デパートの創設
  パリ・オートクチュールの創設
  [コラム]モデルニテ(近代性)とモード
  流行のリーダーの多極化
  ファッション雑誌の普及
5 新しい衣服の方向 129
  衣服の細分化,スポーツとリゾートの衣服
  女性解放運動とブルーマー
  [コラム]ジャポニスムの影響
  ラファエル前派の芸術家たちによるエステティック運動(1880年代〜1900年代)
  1890年代〜1914年――ラ・ベル・エポック
  [コラム]子供服〔深井〕


VII章 20世紀前半〔新居理恵〕 135
1 1900-1910年代 136
  解放へ,コルセット放棄
  新しい生活,新しい服
  システムの確立
2 1920年代 142
  現代服へ
  日本における洋装化
  スポーツ・ウェア,現代服のベーシック
  モードとアートの接近
  [コラム]アール・デコと漆
  [コラム]ツタンカーメンの発掘
3 1930年代 155
  恐慌の時代
  新素材の開発
  ファッション写真
4 1940年代 159
  戦時下のファッション
  [コラム]政治とファッション


VIII章 20世紀後半〔深井晃子〕 161
1 1950-1960年代 162
  パリ・オートクチュール神話
  身体意識の革命,ミニの登場
  化学繊維の時代
  プレタポルテ
  [コラム]ナイロンストッキングからパンティストッキングへ
  ストリートファッション
2 1970年代 175
  全てが許された時代
  ジーンズの世界性
  [コラム]五月革命
3 1980年代 179
  保守と前衛
  日本のファッション・デザインの広がり
4 1990年代 181
  脱構築ファッション
  曖昧になる枠組――性差,身体と服
  [コラム]ポストモダン〔石関〕


IX章 21世紀〔深井晃子,石関亮〕 185
1 2000年代 186
  ファスト・ファッション,そして手作り
  [コラム]アートとファッション〔石関〕
  東京ストリート・ファッション
  [コラム]ロリータ・ファッションゴスロリ・ファッション〔深井〕
  自由になる男性ファッション
  なぜ服を着るのか?


服飾史年表(※折込) [/]
掲載作品データ [201-205]
参考文献 [206-211]
人名索引 [212-213]
事項索引 [214-217]






【抜き書き】
図を割愛。

 繰り返すが、ゲルマン民族の服飾の特徴は,二本の脚を別々に包むズボンの形式にある《II-5》.そして上半身を包む衣服もまた「ぴっちり身についていて,関節の一つ一つがはっきりあらわれている」と紀元1世紀のタキトゥスが『ゲルマニア』に記したように,身体に緊密に着けられることを特徴とする.今日のヨーロッパ服,ことに背広にズボンという男の服装は,したがってゲルマン民族の服飾に源流があるといえる.
《II-5》 『聖務日課書』写本挿絵,[アラマン族の王] 5世紀 Bibliothéque Nationale de France: Ms. lat. 4404 f. 197v

『カラー版世界服飾史』、28頁。





【メモランダム】
 本の分類について。
 国立国会図書館における本書の分類は、「383.1 衣食住の習俗」だった。服飾には他の側面があるので、別の棚も見ておきたい。
 私が図書分類初級者なりに調べたところ(具体的には、「服飾」というキーワードで連想されそうな書籍を何冊か私なりにピックアップし、複数の公立図書館での分類を確認したところ)、服飾系の本は、以下の四つのカテゴリに格納されていた。

365.1 衣料問題   (←365 生活・消費者問題
383.1 服装.服飾史 (←383 衣食住の習俗)
589.2 被服.身廻品 (←589 雑工業)
593 衣服.裁縫  (←59 家政学.生活科学)

 三類と五類の棚を回ればよさそう。
 この四つ以外だと、「289 個人伝記」(たとえば経営者の自伝)や「519.7 環境工学、公害」(たとえばファストファッションの廃棄についての調査報告)の棚にも、参考になる本が並んでいることが稀にある。