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『政治哲学的考察――リベラルとソーシャルの間』(宇野重規 岩波書店 2016)

著者:宇野 重規[うの・しげき](1967-) 政治思想史、政治哲学。
NDC:311.1 政治哲学


政治哲学的考察 - 岩波書店


【目次】
序(二〇一六年 桜が満開の季節に 宇野重規) [v-xiii]
  冷戦終焉とトクヴィル再評価
  左右対立の融解と「政治哲学」
  「政治哲学」とは何か
  リベラルとソーシャルの間
目次 [xv-xxi]


第 I 部 トクヴィルと現代政治哲学 001

第一章 リベラリズムと共和主義の再統合――トクヴィルの遺産 003
一 はじめに 003
二 リベラリズムと共和主義 006
三 トクヴィルにおける自由 012
  リベラリストとしてのトクヴィル
  トクヴィルの自由の“過剰さ”?
四 トクヴィルにおける規律 021
五 おわりに 027
注 029


第二章 トクヴィル復興の意味 033
一 フランス政治哲学の再生 033
二 トクヴィル復興 036
三 「政治哲学」と「トクヴィル復興」、そしてフランス自由主義 041
四 現代フランス政治哲学の独自の意義 043
注 047


第三章 トクヴィルと政治哲学の再生――大西洋両岸におけるトクヴィル 049
一 はじめに 049
二 共和主義的トクヴィルとリベラル・トクヴィル 050
三 政治社会とその推進力 052
  政治社会と市民社会
  求心力と遠心力
  合衆国における隠された求心力
  フランスにおける隠された遠心力
四 結び、および日本への含意 061


第四章 トクヴィルとネオ・トクヴィリアン――フランス・リベラリズムの過去と現在 065
一 はじめに 065
二 「フランス・リベラリズム」という問題設定 067
  英米圏からの視点
  フランスにおけるリベラリズムの伝統の抑圧
  ジャコバン主義と保守主義の間 
三 トクヴィルはリベラルか 072
  個人主義の両義性
  自由の精神と宗教の精神
  社会的権力への恐怖
四 ネオ・トクヴィリィアンの問いかけるもの 077
  個人主義
  人権論争の再燃
  分離の組織化
五 フランス・リベラリズム 084
  悲観的・両義的・懐疑的なリベラリズム
  ルソーとモンテスキューの統合?
  個人の自律と社会の自律
注 088


第五章 代表制の政治思想史――三つの危機を中心に 089
一 はじめに 089
二 前史 093
三 第一の危機――バークとルソー 098
四 第二の危機――トクヴィルマルクス 108
五 第三の危機――シュミットとアーレント 118
六 おわりに 128
注 130


第II部 フランス政治哲学の可能性 133

第一章 メルロ=ポンティルフォール――身体論から政治哲学へ 135
一 メルロ=ポンティの政治哲学 135
二 政治哲学にとっての身体論 140
三 ルフォールの政治哲学 144
四 現代政治哲学へのメルロ=ポンティの寄与 150
注 154


第二章 平等と自由の相克/相乗 157
一 「平等=自由」のフランス的系譜 157
二 トクヴィル――平等と自由の極限的一致を求めて 162
三 カストリアディス――「自律」社会における平等と自由 166
四 バリバール――「平等=自由」の理論家 171
五 意味するもの 175
注 177


第三章 保守主義と人権 179
一 はじめに 179
二 人権批判の系譜(1)――古典的批判 181
  バークの批判
  カトリック教会の批判
  マルクスの批判 
三 人権批判の系譜(2)――現代的批判 191
  一九八〇年代における人権論の再燃
  ルフォールの人権論
  ゴーシェによる人権批判
四 おわりに 199
注 200


第四章 政治哲学問題としての欧州統合 203
一 はじめに 203
二 デモクラシーと欧州統合 208
  デモクラシーと国民国家
  デモクラシーとは何か
  EUと帝国 
三 〈ヨーロッパ〉とは何か 223
  ヨーロッパの歴史的固有性
  理念としての〈ヨーロッパ〉の復活
  理念としての〈ヨーロッパ〉とは何か
四 おわりに 237
注 240


第五章 シティズンシップと境界線 243
一 はじめに 243
二 共同体なき市民権 247
三 境界線の民主化 252
四 おわりに――未完の市民権 256
注 259


第III部 政治哲学から社会へ 261

第一章 労働と格差の政治哲学 263
一 はじめに 263
二 労働と格差の政治思想史 267
  労働
  格差  
三 ドミニク・メーダ――経済学から政治哲学へ 273
四 ジョン・ロールズ――経済学的な政治哲学? 279
五 アントニオ・ネグリ――労働社会のユートピアの再興 284
六 おわりに 290
注 391


第二章 中間集団と社会的なものの再編 293
一 はじめに 293
二 古典的な解決――貧困問題と社会の組織化 295
三 福祉国家の歴史的意味 299
四 個人化する社会 302
五 新しい社会権の意味 305
六 中間集団論の今日 308
七 おわりに 311
注 312


第三章 社会的紐帯の政治哲学――トクヴィルを中心に 313
一 はじめに 313
二 社会的紐帯はなぜ再注目されたのか 317
三 トクヴィルの「結社〔アソシアシオン〕」と「中間集団〔コール・アンテルメディエール〕」 321
  トクヴィルの結社評価の微妙さ
  アメリカ――結社のユートピア
  「結社」と「中間集団」
  トクヴィル結社論のバイアス
四 おわりに 334
注 338


第四章 政治が社会的紐帯を語るとき 339
一 はじめに 339
二 近代政治と社会的紐帯 342
三 政治と社会的紐帯の再接近 348
四 「政治的なもの」の再定義 354
五 おわりに 359
注 362


初出一覧 [363-364]
参考文献 [5-16]
人名索引 [1-4]