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『ハンナ・アーレント――「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』(矢野久美子 中公新書 2014)

著者:矢野 久美子[やの くみこ](1964-) ドイツ政治文化論、ドイツ思想史。
NDC:289.3 個人伝記(西洋の)


ハンナ・アーレント -矢野久美子 著|新書|中央公論新社


【目次】
目次 [iv-ix]
まえがき [i-iii]
写真(ハンナ・アーレント) [x]


第1章 哲学と詩への目覚め―― 一九〇六‐三三年 003
I 子供時代 004
  父の死と祖父の支え
  ケーニヒスベルクユダヤ
  反ユダヤ主義的風潮のなかで
  母の教えとその姿勢
  哲学を学ぶことを決意
  母の再婚と親友たち
II マールブルクハイデルベルクでの学生生活 022
  ハイデガーとその弟子たち
  秘められた恋
  ヤスパースのもとへ
  博士論文「アウグスティヌスにおける愛の概念」
  ブルーメンフェルトとの出会い
III ナチ前夜 036
  ギュンター・シュテルンとの結婚
  アカデミズムの枠におさまらない問題意識
  ラーエル・ファルンハーゲンという女性
  忍び寄るナチの影


第2章 亡命の時代―― 一九三三‐四一年 047
I パリ 048
  旅券なしの出国
  ユダヤ人としての仕事
  パリの亡命者たち
  ブリュッヒャー
  ベンヤミンブレヒトの詩への註釈」
  亡命者と友情
II 収容所体験とベンヤミンとの別れ 065
  第二次世界大戦勃発
  ギュルス収容所
  ベンヤミンとの最後の日々
  文書の壁


第3章 ニューヨークのユダヤ人難民―― 一九四一‐五一年 075
I 難民として 076
  アメリカ到着
  生きるための英語習得
  家族それぞれの苦労
  論争的エッセイストの誕生
  『アウフバウ』への寄稿
II 人類にたいする犯罪 088
  「アウシュヴィッツ」の衝撃
  人間による人間の無用化
  パーリアとしてのユダヤ
  ドイツの敗戦
  友人たちの消息
  雑誌『ヴァンドルング』の創刊
III 『全体主義の起原』 103
  成り立ちと構造
  反ユダヤ主義
  帝国主義
  全体主義


第4章 一九五〇年代の日々 117
I ヨーロッパ再訪 118
  知識人それぞれの選択
  帰郷
  ハイデガーとの再会
  シュテルンベルガーとの応酬
  「イデオロギーとテロル」
II アメリカでの友人たち 130
  ニューヨークの仲間
  沖仲仕の哲学者ホッファー
  「砂漠のなかのオアシス」
III 『人間の条件』 141
  成立の背景
  労働・仕事・活動
  公的なものと社会的なもの


第5章 世界への義務 153
I アメリカ社会 154
  世界疎外
  リトルロック事件
  「教育の危機」
II レッシングをとおして 164
  『現代政治思想の疑わしい伝統在庫品』
  高まるドイツでの評価
  レッシング賞受賞
  「暗い時代の人間性
  レッシング的な思考
  ユダヤ人であること
  政治の現在形を認識すること
III アイヒマン論争 180
  アイヒマン裁判
  『イエルサレムアイヒマン
  友人たちとの絶縁


第6章 思考と政治 191
I 「論争」以後 192
  非難の嵐のなかで
  彼女を支持した人びと
  ヤスパースによる励まし
  さらなる理解のために
  「独裁体制のもとでの個人の責任」
  ラジオ・テレビへの出演
II 暗い時代 205
  ケネディとロンカッリの死
  真理と政治
  死者との交わり
III 「はじまり」を残して 217
  精神の生活
  満足を与える生き方
  思考と活動


あとがき(二〇一四年二月 矢野久美子) [227-230]
主要参考文献 [231-237]
ハンナ・アーレント略年譜 [238-239]