著者:矢野 久美子[やの くみこ](1964-) ドイツ政治文化論、ドイツ思想史。
NDC:289.3 個人伝記(西洋の)
【目次】
目次 [iv-ix]
まえがき [i-iii]
写真(ハンナ・アーレント) [x]
第1章 哲学と詩への目覚め―― 一九〇六‐三三年 003
I 子供時代 004
父の死と祖父の支え
ケーニヒスベルクのユダヤ人
反ユダヤ主義的風潮のなかで
母の教えとその姿勢
哲学を学ぶことを決意
母の再婚と親友たち
II マールブルクとハイデルベルクでの学生生活 022
ハイデガーとその弟子たち
秘められた恋
ヤスパースのもとへ
博士論文「アウグスティヌスにおける愛の概念」
ブルーメンフェルトとの出会い
III ナチ前夜 036
ギュンター・シュテルンとの結婚
アカデミズムの枠におさまらない問題意識
ラーエル・ファルンハーゲンという女性
忍び寄るナチの影
第2章 亡命の時代―― 一九三三‐四一年 047
I パリ 048
旅券なしの出国
ユダヤ人としての仕事
パリの亡命者たち
ブリュッヒャー
ベンヤミン「ブレヒトの詩への註釈」
亡命者と友情
II 収容所体験とベンヤミンとの別れ 065
第二次世界大戦勃発
ギュルス収容所
ベンヤミンとの最後の日々
文書の壁
第3章 ニューヨークのユダヤ人難民―― 一九四一‐五一年 075
I 難民として 076
アメリカ到着
生きるための英語習得
家族それぞれの苦労
論争的エッセイストの誕生
『アウフバウ』への寄稿
II 人類にたいする犯罪 088
「アウシュヴィッツ」の衝撃
人間による人間の無用化
パーリアとしてのユダヤ人
ドイツの敗戦
友人たちの消息
雑誌『ヴァンドルング』の創刊
III 『全体主義の起原』 103
成り立ちと構造
反ユダヤ主義
帝国主義
全体主義
第4章 一九五〇年代の日々 117
I ヨーロッパ再訪 118
知識人それぞれの選択
帰郷
ハイデガーとの再会
シュテルンベルガーとの応酬
「イデオロギーとテロル」
II アメリカでの友人たち 130
ニューヨークの仲間
沖仲仕の哲学者ホッファー
「砂漠のなかのオアシス」
III 『人間の条件』 141
成立の背景
労働・仕事・活動
公的なものと社会的なもの
第5章 世界への義務 153
I アメリカ社会 154
世界疎外
リトルロック事件
「教育の危機」
II レッシングをとおして 164
『現代政治思想の疑わしい伝統在庫品』
高まるドイツでの評価
レッシング賞受賞
「暗い時代の人間性」
レッシング的な思考
ユダヤ人であること
政治の現在形を認識すること
III アイヒマン論争 180
アイヒマン裁判
『イエルサレムのアイヒマン』
友人たちとの絶縁
第6章 思考と政治 191
I 「論争」以後 192
非難の嵐のなかで
彼女を支持した人びと
ヤスパースによる励まし
さらなる理解のために
「独裁体制のもとでの個人の責任」
ラジオ・テレビへの出演
II 暗い時代 205
ケネディとロンカッリの死
真理と政治
死者との交わり
III 「はじまり」を残して 217
精神の生活
満足を与える生き方
思考と活動
あとがき(二〇一四年二月 矢野久美子) [227-230]
主要参考文献 [231-237]
ハンナ・アーレント略年譜 [238-239]