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『人工知能が変える仕事の未来』(野村直之 日本経済新聞社 2016)

著者:野村直之[のむら・なおゆき](1962-) 人工知能の研究。(株)メタデータ代表取締役
NDC:007.13 人工知能パターン認識


人工知能が変える仕事の未来 | 日経の本 日本経済新聞出版



【目次】
目次 [003-009]
はじめに [011-029]


第I部 人工知能が変える10年後の仕事と社会

第1章 AI(人工知能)は、どこまで進歩しているのか 033
急速に進む人工知能研究 033

「何ができるか?」から人工知能を考える 036

AIの定義、ニュアンスの広がり 040

多種多彩なAIの分類恥人工知能は万能にあらず。様々な種類、方向性がある 042

「強‐弱」「専用‐汎用」「知識・データの量」の3軸で分類 044
  「シンギュラリティ」論への懐疑

IBMワトソンは「専用AI」の集合体 050

研究者によって異なるAIの定義 056

いまのAIができること、できるようになるまで:概略 058

いまのAIは人間の能力を補完できる部分が多くなった:第3次AIブームが本物といえる理由、経緯 060

産業上のニーズに応えられるAIの発達 062

ビッグデータがAIを必要としてきた背景、理由 067


第2章 ホワイトカラーの仕事はどう変わるのか 076
知的生産プロセスを支援するAI 076

消費者接点、企業間、企業内業務フローで求められるリアルタイム化 082

リアルタイム要求の高い業種、業務は? 085

業務プロセスの一部をAIで置き換える 088


第3章 IoTと人工知能:広がる連携 094
IoTに欠かせないAI 094

機械がソーシャルに参加 100


第4章 データ解析がもたらす企業経営の変化:“アナリティクス”が支える“事実”に基づく経営 104
アナリティクスとは何か 104

「何をデータ化しないのか」が重要 106

顧客の声をどう捉えるか:不定形データの分析にAIを活用する 109

自由回答テキストを全自動で解析・集計:人は高度な分析に専念 110

人間と機械の得意技を合わせて短時間でポジショニングマップを描く 113

IBM社による「アナリティクス」 120
  顧客へのアプローチ
  サービス品質の評価を考える
  販売パフォーマンスの向上のために
  卓越したサービスの提供
  サービスをより理解するために:ラブロックの分類

データ・サイエンティストは必要か? 131
データのノイズ処理は引き続き大きな課題 136


第5章 “認識・認知能力”の高まりがもたらす社会生活の変化 138
背景〜画像の時代 139

ディープラーニングを感覚的に理解する 143
  ニューラルネットワークによる画像物体認識タスク
  専門画像認識タスクが有望な市場に

人間の感覚、認知能力は意外にデジタル! 152
  蝸牛器官のPCM変調
  言語学、ミラー・ニューロンと脳の働き
  AIは人間を超える?

今のディープラーニングの可能性と限界 159
  鉄人28号とAI
  ディープラーニングが実用精度をクリアした3要因
  どの専門認識にかけるかを振り分けるディープラーニング

ディープラーニングの産業応用で肝心なこと:アルゴリズムより調教用のデータ作り、選別 168
  Montageの概要


第6章 “学習・対話能力”の高まりがもたらす社会生活の変化 173
「考えるコンピュータ」は大きな挑戦課題:自然言語で理解し考え、発想を相手に問う 175
  自然言語処理の難しさは、多種多彩な「曖昧さ」との闘いゆえ
  対話、コミュニケーションにも「文法」があり相互の知識を図りながら進行
  自発的、自律的な思考を進めるには、動機、目的、その前提となる自意識が必要

重要になる「要約」の機能 186

人間に忠実なエージェントの役割 191
  星新一の「肩の上の秘書(インコ)」

肩の上のインコはモバイル・エージェントの夢をみて飛んで行くか?:人間は多数のエージェントを使って「楽」に 196

エージェント志向の夢はAPI連携で実現しつつある 199
  5W1H メタデータの重要性:異種エージェント間の連携、API連携による新サービスの高速開発へ
  パターン認識から概念の理解へ

人間の学習とディープラーニングなどの機械学習との違い 207
  自律的な人工知能実現のハードルは高い


第7章 業界横断、様々な人工知能の開発と機械創作:メディアの将来を中心に 213
広がる産業・ビジネスへの応用 213

ITによる金融革命フィンテック(Fintech)でAIも活躍 215

X-techの時代:様々な産業にAI、非従来型ITが浸透 218
  次から次へと分野を超えて広がるテクノロジーの利用

X-techを支えるオープンデータ 224

Media-tech:ロボット、AIに取材ができるか? 226
  AIにできる取材、できない取材
  人間より礼儀正しく、マナーを守り、迅速に取材し、作文・編集するAIの可能性

AIが自然な記事を生成できるようになってきた 235

芸術さえも? 人工知能による「創作」の著作権 241
  日本の著作権法には規定がない
  参考になる英国著作権法の改正
  従来の著作権の考え方そのものが消える可能性
  AIが作った作品の著作物性
  より精度、自然さを高めた産業文書の作成への期待

100万PVの1作品を目指す人間vs 1PV作品を100万作るAI 254


第II部 人工知能が支える10年後のビジネス
第8章 新サービスの開発が始まる 264
AIを直接、形にした新サービス、新規事業 266
  ディープラーニングによる画像認識のサービス化

ディープラーニングが作品を自動生成、エンタメへの応用 271

ビッグデータ、知識をもとにAIが自動BGM選曲など:マッシュアップ・アワードの斬新な優秀作品群から 274

新サービス開発を支援する新世代のAI、知識処理応用サービスの可能性 285
  社会の仕組みを変えるアプローチ
  ディープラーニングによる知識データベースの開発


第9章 既存サービスの改善と効率化 292
  消費者の志向に合わせた、活用によるサービス

ヘルプデスクなどでのトラブルシューティング:状況の診断、解決法を回答 294
  テキスト活用型のAI
  より賢い専門知識検索サービスへ

需給や客の動きを解析、予測し生産量・スピードを最適化 298

医療・ヘルスケアで低コストな画像診断が活躍 300
  眼底検査への応用
  「見守り」サービス、介護ロボットの可能性

安全運転のためのフィードバックと自動車保険料の真の公平・公正化のためのAI 304
  車載カメラとディープラーニングの利用

フィンテック(Fintech):金融の既存サービスのパワーアップに 308
  多岐にわたる金融サービスの革新
  融資でのニーズ

対話ロボットによる柔軟で人間味ある電子商取引 311

「監視」が直接活きる、警備、倉庫・物流、消防・警察・防衛 314


第10章 IT化・高度化する製造業 316
AIが日本製造業の起死回生のきっかけになる可能性 316

X-techのように主客転倒ともいえるほど、製造業のIT化の流れは本格化するか? 318

見て触って加工する暗黙知ディープラーニングに向いている 321

工場内での様々な検査にAIを活用 324
  異常検知、監視、抜き取り検査にAIを活用
  出荷時も出荷後も品質向上、コスト削減

3Dプリンターと製造業 326
  複雑な設計に向いたAIと3Dプリンター
  製造物責任など法整備が課題に

セル生産の個人パートナーAIや双腕ロボット 331
  キヤノン高級一眼レフ工場のセル生産
  AI、ロボットの自発性、自律性は必須ではない


第11章 広告・マーケティングも大きく変化 337
マーケティングの自動化(Marketing Automation) 338
  広告クリエイティブ作成などへの支援
  マーケティング自動化のルーツ
  顧客階層別のきめ細かいアプローチにAIを行かす

ソーシャルメディア人工知能 349
  レコメンデーション・システムへの応用
  自ら投稿するAIは出現するか?

ソーシャル広告、ソーシャルメディアマーケティングの将来 354
  あらゆるB2C企業にとってソーシャルメディアの活用が不可欠になる
  C3PO型・R2D2型:異なるタイプの人工知能CRM【Custemer Relationship Management】への応用
  VRM(ベンダー・リレーションシップ・マネジメント)への応用

大量のマッチングによりピンポイントで多様な潜在顧客を発見 361
  ソーシャルグラフ水域への活用
  人工知能的マッチング・エンジン


第12章 農林水産業にも広がる活用の場 369
スマート農業の時代へ:伸びしろは大きい 369

植物工場だけじゃない農業IoT:データ収集・分析 371

養蜂業、栽培漁業は、映像監視・診断、機械学習に期待 374

農林水産業の重労働はロボット、AIで代替する方向か 376

スマート農業の課題と人工知能 381


第13章 間接業務にも変化の波 383
人材マッチングへの応用 384

人事関係の具体的施策のKPI、諸問題 391
  求人側の条件の記述への応用
  勤務シフト作成にも利用できる


第III部 人工知能はどこに向かうのか
第14章 日本のAI開発はどう進めるべきか 399
厳しい国際競争の中で日本はのんびりしている? 399
  日米欧・中国のAI産業化を比較する

専用AIからを汎用AI目指す、「コスパよく実用化」する道 408
  「強いAI」派、「弱いAI」派が協調
  アルファ碁(AlphaGO)力づくの方法ながら大きな成功事例

産業界が自戒すべきこと:使えないAI、まがいもののAIの乱発 415

AIが加わる産業界再編成と、行政サービス改革の視点 421
  公共部門でのAI活用

教育、人材育成をどう進めるべきか 428
  若い学生、研究者たちは優秀
  新しい教育の考え方
  文系、人文科学系、芸術系の人材育成こそ重要
  「なぜ?」を突き詰めることこそAIに負けない道
  教育にも専用のAI活用が必要

人々を幸福にするAIを選択的に開発すべきこと 437


第15章 AIと人間の未来:ディープラーニングが人類を駆逐する? 442
ディープラーニングが人類を駆逐する?:シンギュラリティについて 442

ロボット、AIの暴走を完全に未然に防止するのはたしかに困難 447
  アシモフの「ロボット工学三原則」
  コンピュータが「反則技」を繰り出した原因
  ロボットが「ロボット工学三原則」を守るのは困難〜責任感とは何か?

オックスフォード大学の「AI、機械に取って代わられる仕事の予想」を吟味 454

強力なシールにより普通の人が創造的で面白い仕事にシフトし生産性・所得も向上 459

「なぜ?」を問いつづけることでどんな職業、立塲でも機械と差別化できる突破口となる 463

海外大手から生産財を独占クラウド提供されたら?:労働経済の観点から 472

派遣業、クラウドソーシング文化がAI前提のアンバンドル、リバンドルを促進 479


著者紹介 [487]





【個人的メモ】
・本書の索引についての感想と、著者によるリプライがある。
mandarineさんのレビュー:ブクログ


・抜き書き多めで長い感想文。
 ビックリ探し: Amazing-Quest.com


・割愛され追補されコンパクトになった文庫版も登場。ただし、どこを削りどこを加えたのかについての記載が無い。