著者:中村 隆之(1975-)
装丁:鎌内 文 (株)細山田デザイン事務所。
件名:黒人--歴史
件名:文学と社会
NDLC:EC135
NDC:316.8 政治 >> 国家と個人・宗教・民族 >> 民族・人種問題.民族運動.民族政策
【目次】
目次 [001-003]
反例 [004]
プロローグ 〈全‐世界〉におけるブラック・ライヴズ・マターは反西洋中心主義、反血統主義を掲げる [007-021]
「人種」の観念
奴隷制社会アメリカ
アメリカで「黒人」であるということ
白人至上主義の根拠としての血統主義を解体すること
注
地図 [022-023]
環大西洋政治詩学年表・関係図 [024-025]
第I部 ブラック・モダニティの萌芽 027
第1章 ブラック・モダニティ——両大戦間期パリの黒人学生・知識人の人種意識と近代 031
はじめに
パリのハーレム・ルネサンス
ナルダル姉妹と『黒人世界評論』
『正当防衛』のモダニティ
『黒人学生』とネグリチュード
おわりに
注 051
第2章 ブラック・インターナショナリズム試論――ブラック・モダニティの政治文化としてのパン・アフリカニズムと国際共産主義 055
はじめに
二つのパン・アフリカニズム
第一次世界大戦と黒人兵
フランス帝国主義下のパン・アフリカニズムと黒人意識
国際共産主義運動のパン・アフリカニズム的展開
注 075
第3章 ネグリチュード、ナショナリズム、カリブ海性――フランス語圏カリブ海地域のディアスポラ知識人群像 一九三〇年代 ― 一九七〇年代 081
はじめに
黎明期(1930年代)
ネグリチュードの時代(1940年代―1950年代)
ナショナリズムとカリブ海性(1950年代―1960年代)
おわりに
注 096
第4章 ブラック・アトランティックの詩的創造力――ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』 099
はじめに
ブラック・アトランティックの航海
文化混交の理論としてのブラック・アトランティック
近代性と二重意識
近代性と「外部」
ギルロイにおける「ブラック」
注 113
第5章 イギリスにおけるレイシズム――ポール・ギルロイ『ユニオンジャックに黒はない』 115
I
II
III
IV
注 121
第6章 植民地主義とレイシズム――フランツ・ファノン「レイシズムと文化」を中心に 123
はじめに
レイシズムをめぐるファノンの著述
「レイシズムと文化」を読む
論点
アメリカ合衆国における「人種の問題」
おわりに
注 138
第II部 アフリカへのまなざし 141
第7章 アフリカ文化誌の始まりとしてのニャーム・ングーラ 145
はじめに
雑誌刊行までのジョップ[Alioune Diop]の歩み
『プレザンス・アフリケーヌ』誌の構想と刊行
アフリカ人とヨーロッパ人の協調
「ニャーム・ングーラ」
注 157
第8章 独立前夜アフリカにおける言語、文学、政治――「国民詩」論争の争点 161
はじめに
セゼール[Aimé Fernand David Césaire]とドゥペストル[René Depestre]との論争
脱植民地化のプロセスにおける論争
主体性への権利と言語の問題
おわりに
注 178
補論(1)アラゴンの転向と「国民詩」論 183
注 193
補論(2)ルネ・ドゥペストルの「国民詩」論 195
注 205
第9章 ダヴィッド・ジョップの〈アフリカ〉 209
はじめに
詩人ダヴィッド・ジョップ(一九四八)
前史(一九二七 ― 一九四八)
ダヴィッドの〈アフリカ〉
〈アフリカ〉を求めて(一九四九 ― 一九六〇)
おわりに
注 232
第10章 フランツ・ファノンとニグロの身体――「黒人の生体験」再読 237
はじめに
ファノン研究の動向と問題の所在
原点としての生体験
ファノンと黒い皮膚
生体験の〈切断〉
ナショナリズムと闘争の思想
おわりに
注 270
第11章 シチュアシオン再考――サルトルとファノン 275
はじめに
『シチュアシオン』の今日性
反植民地主義の知識人
ファノンによるサルトル
『地に呪われたる者』への序文
注 292
第III部 ポスト・プランテーションの世界 297
第12章 ポスト・プランテーション文学論――グリッサン、フォークナー、サン=ジョン・ペルス 301
I
II
III
IV
V
VI
VII
VIII
IX
X
XI
XII
注 326
第13章 グリッサンの〈全‐世界〉――『フォークナー、ミシシッピ』 331
I
II
III
IV
V
VI
VII
VIII
注 348
第14章 『アコマ』あるいはアメリカスに開かれた集団性 351
はじめに
マルティニック学院と『アコマ』誌、あるいはマルティニックへの沈着
開かれた地平としての雑誌の構造と構成
第一号における共同研究
第四・五合併号における共同研究
カリブ海性に向けたアメリカスの現前
いまだ潜在的なアンティル世界を実現すること
注 373
第15章 エドゥアール・グリッサンにおける環大西洋奴隷貿易・奴隷制の記憶 377
はじめに
記憶と政治
奴隷制から〈全 - 世界〉へ
並外れた寛容さとしての「われわれ」
「昔を掘り起こし、土地を推し量ること」
注 391
第16章 来たるべき世界の叙事詩――パトリック・シャモワゾー『カリブ海偽典』 395
シャモワゾーを再発見する
支配された国で書く
「偉大な独立主義者」の身ぶりを聞く
「反逆者」から「戦士」へ
注 410
エピローグ フランス海外県ゼネストの史的背景と〈高度必需〉の思想 413
はじめに
海外県の選択と矛盾(一九四六 ― 一九五八)
アンティルの社会運動と弾圧(一九五九 ― 一九八一)
地方分権化以降の海外県社会(一九八二 ― 二〇〇八)
海外県ゼネスト(二〇〇九)
高度必需品宣言
注 437
あとがき(中村隆之) [443-448]
初出一覧 [449-450]
参考文献一覧 [451-472]
図版出典一覧 [473]
人名索引 [474-482]
【メモランダム】
・7章
「アリウン・ジョップ「ニャーム・ングーラあるいは『プレザンス・アフリケーヌ』の存在理由」(翻訳と解説)」