著者:飯田 泰之[いいだ・やすゆき](1975-) 経済政策、マクロ経済学。
編集協力:中村 富美枝[なかむら・とみえ]
装丁:大原 由衣[おおはら・ゆい] 装丁。
カバーイラスト:シゲリ カツヒコ(1962-) 絵本、イラスト。
図版制作:斎藤 充[さいとう・みつる](1974-) DTPデザイナー/エディター/ライター。クロロス。
NDC:333 経済政策、国際経済。
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【目次】
はじめに [001-007]
「大きな転換期」を迎える日本経済 001
なぜ経済は「わかったようで、わからない」のか 003
経済を「自分の頭で考える」力 005
目次 [008-014]
第1章 経済政策は「幸福を目指す」ためにある
1.1 幸福と経済 016
1.1.1 そもそも「国民の幸福」って何なの? 016
1.1.2 無いよりは、あったほうが嬉しいもの――お金 018
1.1.3 GDPと幸福度の「意外な関係」 021
1.1.4 ちょっとした種明かし 027
1.1.5 何をすれば満足かは、自分が決める 029
1.2 経済政策の三本柱 033
1.2.1 第一の柱「成長政策」――1人当たりGDPを上昇 033
1.2.2 「成長政策がすべて」ではない理由 037
1.2.3 第二の柱「安定化政策」――経済の実力を発揮させる 038
1.2.4 第三の柱「再分配政策」――“不幸”を減らせるか 041
1.3 経済政策を考える出発点 045
1.3.1 すべてを同時に解決する「魔法の杖」はない 045
第2章 成長政策――経済の「基礎体力」をつける
2.1 成長政策の基本 054
2.1.1 「○○産業が成長分野だ」というウソ 054
2.1.2 経済成長をもたらす三つの要素 056
2.1.3 「労働力」を増やす――「古典派成長理論」の考え方 061
2.1.4 「資本」を増やす――「内国モデル」から「外資モデル」へ 065
2.1.5 「技術」の進歩――才能を伸ばす社会環境とは? 071
2.2 市場の機能と競争政策 077
2.2.1 「自由な取引」は必ず「双方にとって得」だ 077
2.2.2 消費者、生産者はどうふるまうか――需要と供給 082
2.2.3 需給曲線を「労働市場」で見てみよう 086
2.2.4 最低賃金制度で最も苦しむのは誰か 090
2.3 「市場の失敗」にどう対処するか 094
2.3.1 「不完全競争」を防ぐための競争政策 094
2.3.2 「作れば作るほど利ざやが大きくなる産業」って? 100
2.3.3 高速道路は公共財なのか?――外部性 108
2.3.4 「隠された情報」「隠された行動」 111
第3章 安定化政策――経済の「体調管理」をしっかりやる
3.1 安定化政策の基本 118
3.1.1 経済の「基礎体力」と「体調管理」 118
3.1.2 継起と成長をめぐる「二つの思考法」 120
3.1.3 ネオ・シュンペーテリアン解釈は不要か? 125
3.1.4 「行動経済学的」に考えると? 126
3.2 財政政策 130
3.2.1 「価格はなかなか都合よく下がってくれない」 130
3.2.2 需要不足「デフレギャップ」を解消するためには 132
3.2.3 自動安定化と、意図的な安定化 135
3.2.4 財政で「安定化」ではできるのか? 144
3.2.5 日本を「ギリシャ化」させないために 147
3.3 金融政策 152
3.3.1 インフレの仕組み、デフレの仕組み 152
3.3.2 中央銀行って、何をしているの? 160
3.3.3 十数年来の日本の大問題――ゼロ金利問題 163
第4章 再分配政策――社会的な「安全弁」をつくろう
4.1 再分配政策の基本 168
4.1.1 「痛み」を和らげる、「再起」を可能にする 168
4.1.2 幸福にいたる「正しい道」はあるか 170
4.1.3 幸福にいたる「第三の道」はある? 174
4.1.4 「機会の平等」と「結果の平等」は区別できない 178
4.2 セーフティネット 182
4.2.1 「現金給付」がいいか、「現物給付」がいいか 182
4.2.2 「いかに」配るか、「誰に」配るか――生活保護制度 187
4.2.3 「ベーシックインカム」という有力な提案 189
4.2.4 「給付付き税額控除」という現実味のある提案 193
4.3 社会保障制度の歪み 196
4.3.1 「一億総中流」社会の無残な現状 196
4.3.2 日本の年金制度、健康保険制度の歪み 198
4.3.3 「大きな政府/小さな政府」論を再考する 203
第5章 「これからの日本経済」を読むために
5.1 「これまで」の総括と問題点 206
5.1.1 失敗を繰り返してきた日本の経済政策 206
5.1.2 成功するための「三段ロケット」とは 208
5.1.3 「失敗の可能性」はどこにあるか 211
5.1.4 再分配には「こんな想像力」が必要 214
5.1.5 「いいサイクル」をつくるために215
5.2 「これから」の可能性と前途 218
5.2.1 少子高齢化の時代に必要な「発想の転換」とは? 218
5.2.2 「不況の輸入」をしないために――国際社会での協調 220
5.2.3 「アジア」「中流層」「製造業」 223
5.3 私たちが持つべき「目」と「頭」 226
5.3.1 「その人はリスクテイクしているか」 226
5.3.2 現代経済とは「徹底的に人工物」である 228
5.3.3 「だまされない」ための記事の読み方 229
5.3.4 「経済を学ぶ」とは「思考の型を身につける」こと 233
おわりに(飯田泰之) [236-238]