著者:竹内 洋[たけうち・よう](1942-) 教育社会学。
NDC:376.8 予備教育.塾教育.入学試験.受験.学習塾
『立志・苦学・出世 受験生の社会史』(竹内 洋):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部
【目次】
はじめに [003-006]
目次 [007-010]
第一章 受験生の一日──明治四〇年七月九日 013
第一高等学校入試会場
英語の問題と受験生の対処法
池田勇人も佐藤栄作も第二志望合格
旧制高校のランキング
猫の目入試改革のはじまり
予備校ブームと名物教師の元祖
私立大学が予備校を経営したわけ
明治のベストセラー参考書
第二章 勉強立身から順路の時代 035
勉強ハ冨貴ヲ得ル資本
『学問のすゝめ』と『西洋立志編』のコピー投書
勉強立身ルートに馴染みがない民衆
受験的生活スタイルの原型
武士の「立身」と町人の「出世」
勉強立身という新しいパラダイム
人材選抜の四類型
僥倖から秩序の時代へ
学校ガイドブックの登場
第三章 受験雑誌の誕生 059
「遊学」は明治二〇年代のキーワード
受験雑誌の源流
受験! 受験!
中学生の進路
第一高等学校の入学試験ほどむつかしき試験は少なし
難問奇問批判第一号
高等学校・官立専門学校の入試の激化
どこへでも入りさえすればよい主義の芽生え
二大月刊受験雑誌の登場
歐文社と螢雪時代
受験雑誌は日本的現象
第四章 「受験生」という物語 087
受験生の誕生
小説にみる受験生
「諸君大いに苦しみ給へ」
努力とガンバリズムの時間と空間
神経衰弱という病
受験雑誌はガンバリズムの刺激剤
日本の入試問題と溜め込み型学習
イギリスのAレベル試験
戦前は論述式試験
「英語は実力」の本当の意味
作文は決意表明を要求
記憶妙剤壮士丸
『セルフ・ヘルプ』が読まれたわけ
学歴エリートと民衆の通奏低音
受験の“物語”と“現実”のずれ
受験雑誌の最大の機能
第五章 苦学と講義録の世界 125
学校の隠れたカリキュラム
勉強立身の空転と苦学ブーム
苦学の変質と便乗悪徳産業
新聞配達と人力車夫
苦学サバイバル率は一〇〇人に一人
堕落経路
講義録会員は中学生の数よりも多かった
講義録のユーザーはどんな人
講義録と専門学校入学者検定試験
専検合格率
専検から高校という大障害レース
クール・アウトとは
講義録は時間稼ぎ
独学・苦学者へのスティグマ
旧制高校文化と苦労人的ハビトゥスの距離
教養主義という虚構
第六章 受験のポストモダン 159
昭和四〇年代までは受験のモダン
目標の脱神秘化
投資の拒否
試験の秘儀牲が剥がれるとき
受験産業は教育とアカデミズムの秘密を暴く
クール・ダウン=柄相応主義
予期的選抜の時代
学歴だけでは不十分
学歴は弱い資本
ハビトゥスの現在
受験現象のゆくえ
アフター大衆受験圧力釜社会論 学術文庫版あとがきにかえて(二〇一五年八月一日 竹内洋) [189-198]
偏差値受験体制の終焉
学力・学歴をめぐる「顕教」と「密教」
症候とシナリオ
注 [199-205]