contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『脳がわかれば心がわかるか』(山本貴光,吉川浩満 太田出版 2016//2004)

著者:山本 貴光
著者:吉川 浩満
装丁・造本:有山 達也+山本 祐衣
装画:ワタナベ ケンイチ
NDC:114.2  心身論.人性論.生死

 

脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座 - 太田出版

 

【目次】

目次 [003-008]
増補改訂版へのまえがき [009-011]
初版まえがき [012-016]


第1章 脳情報のトリック――カテゴリー・ミステイクとパラドックス 017
はじめに 018
脳とわたし――ジレンマ 020
  「わたしがわかる本」の種明かし――「だから」と「じつは」
  おばあちゃんをめぐるジレンマ
  ジレンマの特徴 
  ジレンマを避ける二つの方便 
「だから」の錯誤――カテゴリー・ミステイク 026
  だから女はあたりかまわず泣きじゃくる?
  脳心因果説のカテゴリー・ミステイク
  「ナイスバーディー問題」
「じつは」の欺瞞――パラドックス 032
  脳さえわかれば心がわかる?
  脳の中で消える「意味」
  脳還元主義のパラドックス 
  脳科学の本領 
  「週末の科学者」 
  ソクラテスの問いかけ
  探究はここからはじまる
[間奏]頭がよくなる? 052
  「頭がよくなる本」
  命題知と方法知
  どの程度役に立つのか
  なぜ気になるのか

第2章 心脳問題の見取図――ジレンマと四つの立場 065
はじめに 066
心脳問題という難問――やさしい問いとややこしい議論 067
  古くて新しい問題
  前史としての心身問題
心脳問題の特質――「ある種の知的な気分」 070
  「イージー・プロブレム」と「ハード・プロブレム」
  心、脳問題の堂々巡り 
  「ある種の知的な気分」 
回答集――四つの立場 077
  なぜ回答集か 
  回答案は四種類 
  唯物論 
  唯心論 
  二元論 
  同一説 
  「クオリア」について 
  正解は確定されていない

[間奏]脳研究小史 087
  はじめに 
  脳を可視化する
  文献について 
  ただの昔話ではない
  心の座は身体のどこにあるのか?
  心の座=脳説――ヒッポクラテス 
  心を分類する――プラトン 
  心の座=心臓説――アリストテレス 
  実験で確認――ガレノス 
  文化の伝播と影響――イスラーム 
  解剖学の再開――モンディーノ 
  対象を見るということ――ダ・ヴィンチ 
  知識と対象のあいだで――ヴェサリウス 
  心と脳の関係に決着?――デカルト 
  頭蓋骨を見れば性格がわかる?――ガル 
  病いから脳の地図をあぶりだす――ブローカとウェルニッケ 
  損傷と手術――フィニアス―ゲージとロボトミー 
  顕微鏡で脳の地図をつくる――ブロードマン
  電気刺激で脳の地図をつくるーーペンフィールド 
  脳をミクロに可視化するーーゴルジ VS カハール
  生きた脳を可視化する――ブレイン・イメージング
  ブレイン=マシン・インターフェイス
  発展をつづける脳科学
  「心」は可視化できるか?
  なくならない問題


第3章 心脳問題の核心――アンチノミーと回帰する疑似問題 131
はじめに 132
心脳問題の争点――カントの第三アンチノミー 133
  人間はモノに還元できるか
  アンチノミーと四つの立場
アンチノミー=ジレンマの解毒剤――「重ね描き」 141
  日常の経験はニセモノか?
  「重ね描き」という処方箋
  科学的世界像の越権
  心脳問題の震源
  「重ね描き」の意味 
権利問題と事実問題――ジレンマふたたび 154
  理解はできても納得ができない? 
  権利問題と事実問題 
解決されず解消あるのみ――回帰する疑似問題 156
  心脳問題は解消あるのみ 
  「回帰する疑似問題」
  探究を振り返る 
  心脳問題は社会へ向かう 
[間奏]デカルトの神話 163
  なぜデカルトか? 
  奇妙なねじれ――自然学と哲学 
  自然学者デカルト――哲学者デカルト 
  対決のゆくえ 
  乗り越えるというよりはともに身もだえる 

 

第4章 心脳問題と社会――社会と科学、そして生 172
はじめに 172
科学の原理――同一性と一般性 174
  同一性 
  一般性 
科学の力――科学/技術とジレンマ 179
  予測と制御 
  第二のジレンマの根 
脳科学――「脳のスペック」 
  脳科学の営み 
  スペックの内と外 
脳中心主義――現代社会の根本教理 186
  「スペックこそすべて」 
  脳中心主義の盲点
  本当の問題 
脳科学と社会――バイオテクノロジーもコントロール型社会 194
  脳科学のポテンシャル 
  規律型社会からコントロール型社会へ 
  コントロール型生政治と脳科学 
  脳科学がもたらす未来 
  リタリンに見るコントロール型制御 
  「美容薬理学」と「私的な優生学」 
  「すばらしい新世界」 
  コントロール型生政治+脳工学+脳中心主義 
心脳問題の横滑り――「ある種の知的な気分」の政治性 214
  生物学的情報の政治性 
  生物学的コントロールの全面化=コントロールにたいする政治的思考の脱落 
  「ある種の政治的な気分」 
  「ただなか」で考える 
  探究を振り返る 


終章 持続と生――生成する世界へ 225
はじめに 226
科学の限界――持続と特異性 227
  特異性とはなにか 
  経験論の考えかた 
  持続から出発する 
持続の相の下で――構成物としての心脳問題 235
  なぜ難問として構成されてしまうのか 
  持続としての心を見つめる

 
補章 心脳問題のその後 243
1 心脳問題のその後 科学 244
  『カンデル神経科学』 
  脳研究プロジェクト 
  『意識と脳』 
  神経X学 
  BMI 
2 心脳問題のその後 哲学 251
3 アンチノミーのさまざまな形 253
4 おわりに 254

 

作品ガイド [257-291]
索引 [293-310]
初版あとがき(2004年5月 山本貴光吉川浩満) [311-315]
増補改訂版へのあとがき(2016年5月 山本貴光吉川浩満) [316]