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『資本主義の思想史――市場をめぐる近代ヨーロッパ300年の知の系譜』(Jerry Z. Muller[著] 池田幸弘[訳] 東洋経済新報社 2018//2002)

原題:The Mind and the Market: Capitalism in Western Thought
著者:Jerry Z. Muller 歴史学。ヨーロッパの知性史(=精神史)、資本主義の歴史。
訳者:池田 幸弘[いけだ・ゆきひろ](1959-) 経済思想史


資本主義の思想史 | 東洋経済STORE



【目次】
献辞 [/]
はじめに [i-xii]
目次 [xiii-xix]


第1章 歴史的背景――権利、正義、徳 002


第2章 ヴォルテール ――「高貴な出自の商人」 024
知識人の興隆
交換と寛容についての政治的議論
知的な投機
奢侈の擁護
貪欲とユダヤ人――啓蒙の限界


第3章 アダム・スミス ――道徳哲学と経済学 064
スミスの生涯と境遇
消費者革命
市場についての説明
立法者と商人
商業社会の道徳上のバランスシート
国家の見える手
下級・上級の徳


第4章 ユストゥス・メーザー ――文化の破壊者としての市場 104
各人の居場所を知ることの徳
地方文化を破壊する
貧民を創出する
商業と徳のかげり


第5章 エドマンド・バーク ――商業、保守主義、知識人 130
政治における知識人
「知性」と「世論」の市場
抽象的理性の批判
商業の支持者としてのバーク
バークとイギリス東インド会社
フランス革命についての分析
商業社会の非契約的基盤


第6章 ヘーゲル ――選択するに値する人生 172
近代世界で安住の地を見出す
法哲学』の背景
個別性と普遍性
市民社会とそれに対する反対論
市民社会を超えて
総合的階級と哲学者の役割


第7章 カール・マルクス ――ユダヤ人高利貸しから普遍的搾取に至るまで 204
マルクスユダヤ人問題と労働問題
社会問題への対応
ヘーゲル哲学から共産主義
エンゲルスの経済学批判
ユダヤ人問題の克服
特定の帰属意識を超えて――『共産党宣言
高利貸しから吸血行為に至るまで――『資本論
マルクス


第8章 マシュー・アーノルド ――俗物にビジネスというドラッグを断たせる 256
俗物とヘブライ人の間での生活
アーノルドの批評
知識人の役割


第9章 ウェーバージンメルゾンバルト ――共同体、個人、合理性 282
用語を提供する
商業的な転換
ウェーバー ――能率と脱魔術化
ジンメル ――貨幣と個性
手段と目的の弁証法
ゾンバルト ――ユダヤ人のせいにする
転換点としての世界大戦


第10章 ルカーチとフライヤー ――共同体の探求から、全体性の誘惑に至るまで 318
知識人から革命家に
幻想の体制としての資本主義
革命の教育者
共同体としての党
フライヤー ――疎外と共同体の探究
排他主義者による市場批判
戦争、国家、そして文化的特殊性の維持
右からの革命


第11章 シュンペーター ――技術革新と怨恨 356
初期の著作に見られる創造性と怨恨
破局からの皮肉の誕生
繁栄から不況へ
大恐慌ニューディールについての分析
『資本主義・社会主義・民主主義』
知識人の役割


第12章 ケインズからマルクーゼへ――豊かさとそれに対する不満 392
ケインズの逆説
新たな豊かさとイデオロギーの終焉
マルクーゼ思想のヨーロッパ的源泉
抑圧として圧政を再定義する
セックスと豊かさによる支配
マルクーゼの遺産


第13章 フリードリヒ・ハイエク ――早過ぎた自由主義者 428
自由主義者の成長過程
ウィーンの自由主義ユダヤ人、そして創造的な少数派の擁護
賃貸料の統制と国家介入の危険
社会主義、計画、市場の機能
「社会的正義」に対する批判と福祉国家の危険
再び知識人について
ハイエク的契機
ハイエク思想の緊張と限界


結論 478
市場の重要性
知識人の役割
分析上の緊張関係
自利心とその限界
市場に対抗する制度の必要性
意味を欠いた選択
波及効果の恐れ
「市場価値」なるものはあるのか
市場でない制度というものはあるのだろうか
共同体と個性
多元主義と多様性
資本主義は人々にとって良い制度なのか
資本主義と平等性
決定的な緊張関係


謝辞 [501-503]
訳者解題(三田山上にて記す 池田幸弘) [504-514]
注 [076-005]
索引 [004-001]