著者:戸谷 洋志[とや・ひろし](1988-) 哲学、倫理学。「哲学カフェ」。
装画:usi
装丁:岡本 歌織(next door design)
備考:文庫書下ろし
『Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲』(戸谷 洋志):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [003-005]
はじめに 007
なぜJポップなのか?
私たちの言葉で哲学する
第一章 自分 017
一 「自分らしさ」とは何か?―― Mr. Children「名もなき詩」 021
[歌詞] 024-025
「あるがままの心」と「自分らしさの檻」
「自分」を考えることは可能か?
自分のことは知りえない
二 「自分ではないもの」から見える「自分」――ゲスの極み乙女。「私以外私じゃないの」 037
[歌詞] 040-051
「自分」と「自分ではないもの」
他者との排他的な関係
三 他者によって知られる「自分」――乃木坂46「君の名は希望」 055
[歌詞] 058-059
他者からの承認
相互承認
他者への問いへ
第ニ章 恋愛 073
一 私と他者の共同性―― AI「Story」 077
[歌詞] 080-081
言葉にならない想い
恋人の唯一性
「もの」と「君」の違い
二 失われた共同性――西野カナ「会いたくて会いたくて」 097
[歌詞] 100-101
なぜ、会いたくて震えるのか
「私」と他者の癒合性
欠如態としての共同性
三 他者の他者性と向き合うこと――宇多田ヒカル「誰かの願いが叶うころ」 113
[歌詞] 116-117
他者の他者性
共同性の暴力
他者と向き合うこと
時間の問いへ
第三章 時間 133
一 過去を記憶すること―― BUMP OF CHICKEN 「天体観測」 137
[歌詞] 140-141
日常的な記憶
持続する過去としての記憶
過去を体験するということ
二 未来を待つこと―― aiko「キラキラ」 159
[歌詞] 162-163
日常生活における目的としての未来
未来の否定
未来を待つこと
三 この瞬間を生きること――東京事変「閃光少女」 181
[歌詞] 184-185
日常生活における現在の無意味化
瞬間を生きること
死への問いへ
第四章 死 201
一 絶望による死との直面―― RADWIMPS 「おしゃかしゃま」 205
[歌詞] 208-209
魂の不死への絶望
死を問うこと=どう生きるかを問うこと
二 死が照らし出す大切なもの――浜崎あゆみ「Dearest」 221
[歌詞] 224-225
日常生活における死の忘却
もし明日死ぬとしたら?
「私」の死と他者の死
三 他者の死を引き受けること―― ONE OK ROCK 「A new one for all, All for the new one」 241
[歌詞] 244-245
大切な人の死が問いかけること
死後の人生の他有化
人生への問いへ
第五章 人生 259
一 日常生活の息苦しさと人生の不確かさ――嵐「Believe」 263
[歌詞] 266-267
逼迫した日常生活
確かな目標の不在
広漠たる中間
「気晴らし」、「虚しさ」、「倦怠」
人生は不安に包まれている
二 自分の人生を決断すること―― SEKAI NO OWARI 「RPG」 285
[歌詞] 288-289
「世間」に囚われること
自分の人生を決断すること
決断の無制約性
三 孤独に生きることへの祝福――いきものがかり「YELL」 307
[歌詞] 310-311
孤独に生きるか、「畜群」になるか
「本当の自分」なんてない
変わること=決別すること
私の孤独と他者の孤独
「星の友情」
他者への尊敬と、自分への誇り
おわりに 340
謝辞 [344]
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『僕らの哲学的対話――棋士と哲学者』(戸谷洋志, 糸谷哲郎 イースト・プレス 2018)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/2018/12/29/000000