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『【戦後史の解放II】自主独立とは何か――前編 敗戦から日本国憲法制定まで』(細谷雄一 新潮選書 2018)

著者:細谷 雄一[ほそや・ゆういち] (1971-) 国際政治史、イギリス外交史。
件名:日本管理政策
件名:日本--歴史--1945-1952
件名:日本--外国関係--歴史--1945-1952
NDLC:GB566
NDC:210.762 : 日本史
備考:書名について。本書カバーの表記に準じて、(選書内での)シリーズ名「戦後史の解放」とシリーズ巻次「I」を書名の先頭に置いた。省いてもよいと思う。
備考:書名について。弊ブログでは、巻次(「前編」「後編」)を、二倍ダッシュ(――)の後方に置いた。しかし、いくつかの公共図書館のように、巻次をタイトルの方に含めるのもいいと思う。


細谷雄一 『戦後史の解放II 自主独立とは何か 前編―敗戦から日本国憲法制定まで―』 | 新潮社

 憲法制定と講和条約――米ソ対立が深まる中、戦後日本の新しい「国のかたち」を巡り、近衛文麿幣原喜重郎芦田均吉田茂白洲次郎らが、マッカーサー、ホイットニー、ケナン、ダレスらと激しい駆け引きを繰り広げる。世界史と日本史を融合させた視点から、日本と国際社会の「ずれ」の根源に迫る歴史シリーズ第二弾。


【目次】
はじめに [003-015]
  「上を向いて歩こう
  語られない歴史
  東京オリンピックの夢
  時代が動くとき
  「戦後史の解放」とは何か
  希望は可能か
目次 [017-023]


序章 国際主義と愛国心 027
  複数の「戦後史」
  揺れ動く歴史認識
  「対米従属」批判の陥穽
  自主独立した日本
  孤立主義から国際主義へ
  「右であれ左であれ、わが祖国」
  「愛国心」とは何か
  「反米主義」という「ナショナリズム
  国際主義的な「愛国者
  「英、米両国民気質の比較」
  「新しい曲学阿世
  悲劇と再生


第1章 崩れてゆく秩序 057
1 終幕を迎えた戦争 057
  スイスに届いた電報
  巨大な帝国の崩壊
  終戦の多様な位相
  崩れ落ちる正義
2 大日本帝国の崩壊 067
  帝国の崩壊とその後
  日ソ開戦へ
  ソ連軍の対日参戦準備
  新京の動揺
  満州国に居住する少年
  皇帝溥儀の逃避行
  満州国の消滅
  高碕達之助の戦中と戦後
  朝鮮半島における敗戦
  米軍統治の開幕
  忘れられた帝国臣民
3 アジアにおけるパワー・バランス 093
  「力の真空」をめぐる政治力学
  忘却される記憶
  アジアのなかの日本
  戦争と平和の間で


第2章 アメリカが創った秩序 105
1 「アメリカの海」へ 105
  孤立主義からの訣別
  逆説としての日米関係
  パラオの碧い海
  西太平洋の戦略的要衝
2 国家安全保障を求めて 116
  島嶼の支配へ
  アメリカの国家安全保障
  前方展開基地としての日本
  制空権と航空戦力
  「海防上の大変革」
  日米の島嶼
  戦後構想のなかの太平洋
  「力の真空」を埋めるアメリ
3 マッカーサーの平和 132
  マッカーサーの到着
  重光葵の覚悟
  日本の降伏
  マッカーサーの統治
  連合国の諸大国の立場
  ロンドン外相理事会
  ソ連の交渉戦術
  日本と東欧との「交換」
  モスクワでの合意
  アメリカが創る秩序


第3章 新しい「国のかたち」 161
1 衛兵の交代 161
  「新しい日本」を求めて
  二人の政治家
  近衛文麿幣原喜重郎
  「外交に通暁せる者」
  「国際信用」の回復を目指して
  「正義の外交」の必要
  東久邇宮内閣成立
2 近衛文麿の戦後 175
  近衛文麿の憂鬱
  マッカーサーとの会談
  近衛の憲法改正への動き
  近衛文麿の退場
  最後のメモ
  歴史の審判
  無責任と弱さ
3 幣原喜重郎の戦後 194
  「政治の組立から改めなければならぬ」
  幣原喜重郎の再登場
  幣原内閣と昭和天皇
  天皇制維持への逆風
  保守的な憲法問題調査委員会
  戦争放棄条項の誕生
4 アメリカが創った憲法 213
  GHQの動き
  宮沢俊義の反米主義
  松本委員会の「憲法改正要綱」
  アメリカによるイニシアティブ
  「戦争の放棄」誕生の背景
  憲法九条と天皇
  GHQの対応
  松本烝治の蹉跌
  幣原の怒り
  ホイットニーからの提案
  白洲次郎の矜恃
  松本烝治の抵抗
  混迷する閣議
  芦田均の国際主義
  「この外に行くべき途はない」
  「大局的判断」と「国際感覚」
  極東委員会と対日理事会の開催
  「憲法改正草案要綱」の発表
  痛みをともなった前進 


註 [261-283]
図版提供 [284]

『【戦後史の解放II】自主独立とは何か――後編 冷戦開始から講和条約まで』(細谷雄一 新潮選書 2018)

著者:細谷 雄一[ほそや・ゆういち] (1971-) 国際政治史、イギリス外交史。
件名:日本管理政策
件名:日本--歴史--1945-1952
件名:日本--外国関係--歴史--1945-1952
NDLC:GB566
NDC:210.762 : 日本史
備考:書名について。本書カバーの表記に準じて、(選書内での)シリーズ名「戦後史の解放」とシリーズ巻次「II」を書名の先頭に置いた。
備考:書名について。弊ブログでは、巻次(「前編」「後編」)を、二倍ダッシュ(――)の後方に置いた。しかし、いくつかの公共図書館のように、巻次をタイトルの方に含めるのもいいと思う。


細谷雄一 『戦後史の解放II 自主独立とは何か 後編―冷戦開始から講和条約まで―』 | 新潮社

 憲法制定と講和条約――米ソ対立が深まる中、戦後日本の新しい「国のかたち」を巡り、近衛文麿幣原喜重郎芦田均吉田茂白洲次郎らが、マッカーサー、ホイットニー、ケナン、ダレスらと激しい駆け引きを繰り広げる。世界史と日本史を融合させた視点から、日本と国際社会の「ずれ」の根源に迫る歴史シリーズ第二弾。


【目次】
目次 [003-009]


4章 分断される世界 013
1 リアリズムの復権 013
  不安が交錯する世界
  ソ連の不安
  アメリカの不安
  グルーの懸念
  急転する世界情勢
2 再編される世界秩序 030
  勢力圏分割による平和
  ロシアの膨張主義
  イギリス帝国とロシア帝国
  スターリン演説の衝撃
  「鉄のカーテン」演説の余波
  東アジアの地殻変動
  日本の退却
  イギリス帝国のアジア
  イギリスの帝国防衛
  イギリスの対日占領政策
  若きイギリス人の経験
  マッカーサーガスコイン
3 ジョージ・ケナンと日本 057
  ケナンのリアリズム
  「長文電報」の衝撃
  「確固として注意深い封じ込め」
  世界における「五つの拠点」
  ドイツと日本
  日本の戦略的価値
  新しい戦略の胎動
  マッカーサーとケナン
  対日占領政策の転換
  ケナンの見た日本


第5章 国際国家日本の誕生 083
1 吉田茂と新生日本 083
  開花した民主主義
  鳩山一郎とウィロビー
  「戦争で負けて外交で勝った歴史」
  娘との散歩
  吉田茂の首相就任
  新憲法の公布
  国際主義者吉田茂
2 芦田均の国際感覚 101
  中道左派政権の成立
  リベラリストの矜恃
  明治憲法から日本国憲法
  芦田修正と自衛権の思想
  芦田修正をめぐる混乱
  「芦田メモ」とアメリカとの提携
3 吉田茂と政治の保守化 119
  戦後史の転換
  アメリカの方針転換
  新しい政治の始動
  総選挙での勝利
  吉田茂の「非武装国家」論
4 冷戦のなかの日本 132
  アジア冷戦と二つの危機
  中国問題の重力
  対日講和への動き
  イギリスの勢力均衡観
  「太平洋協定」という構想
  アチソンの憂鬱
  NSC四八/一と戦略の転換
  国際情勢のなかの対日講和
  ダレスの登場
5 平和という蜃気楼 152
  戦争への嫌悪感
  吉野源三郎と「世界」
  思想から運動へ
  平和問題談話会
  丸山眞男の平和思想
  平和主義の矛盾
  「いままで勉強していなかった」
6 講和会議への道 174
  二つの要望
  吉田茂の密使
  池田蔵相の渡米
  東アジアの勢力均衡
  ダレスの極東視察
  東京におけるダレス
  吉田=ダレス会談
  朝鮮戦争の勃発
  国連軍と共産主義
  サンフランシスコへ向けて
  「太平洋協定」の挫折
  再軍備への道
  吉田茂の宿題
  マッカーサーの退場


終章 サンフランシスコからの旅立ち 211
  和解の条約
  「戦争犯罪という嘘」
  「拘束と選択」のなかの自主独立
  サンフランシスコへの旅
  サンフランシスコ講和会議
  吉田首相の受諾演説
  二つの条約の調印
  予期していなかった歓迎
  愛国者の独立心
  国際環境と日本の針路
  戦後日本の自主独立 


おわりに(二〇一八年七月三日 細谷雄一) [243-256]
註 [257-281]
図版提供 [282]
関連年表 [283-286]