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『確率の哲学――因果論思考から帰納論理へ』(金子裕介 森北出版 2022)

著者:金子 裕介[かねこ・ゆうすけ] 哲学、論理学。
監修:一ノ瀬 正樹[いちのせ・まさき](1957-) 哲学。
件名:確率論
件名:数理哲学
NDLC:MA211 科学技術 >> 数学 >> 確率論、数理統計学
NDC:417.1 数学 >> 確率論、数理統計学 >> 確率論:マルコフ過程


確率の哲学|森北出版株式会社



【目次】
監修者序言(一ノ瀬 正樹) [i]
はじめに(2022年8月 金子裕介) [ii-iv]
  確率の哲学とは何か
  本書の学び方
  記号論理について
  本書の講成
目次 [v-vii]
凡例 [viii-ix]


第1章 行為と確率
  第1講 中学高校の復習 001
    1 確率を考えるとき 
    2 中学高校の復習 
  第2講 確率論思考 003
    3 確率論思考 
    4 三つの要素 
    5 事象 
    6 行為 
    7 行為者 
    8 利害 
  第3講 利害と確率 005
    9 利害描写 
    10 リスク 
    11 利害だけを考える 
    12 確率でワンクッション
  第4講 期待値 007
    13 期待値 
    14 分岐図 
    15 考え方 


第2章 意志決定理論
  第5講 パスカルの賭け 010
    16 パスカル 
    17 賭けとしての行為 
  第6講 関連人物 011
    18 ベイズ 
    19 ラムジー 
    20 ジェフリー 
    21 意思決定論とは何か 
  第7講 行為に賭ける 013
    22 The Logic of Decision  
    23 事象に賭けるのではない 
    24 分岐図 
    25 二つの分岐図 
    26 行為に賭ける 
  第8講 期待値計算 015
    27 期待値計算 
    28 賭けの計算 
    29 意思決定[decision] 
  第9講 最大期待効用原理 017
    30 最大期待値効用原理[the maximum estimated desirability principle] 
    31 用語法の注意 
    32 期待の意味 
  第10講 表の方法 018
    33 分岐図から表へ 
    34 利害表[desirability matrix] 
    35 確率表[probability matrix] 
    36 計算方法 
  第11講 いくつかの疑問 020
    37 行為と事象 
    38 無限の幸福を考えてよいか 
    39 ゲーム理論[game theory] 


第3章 自然科学と確率
  第12講 無知と確率 022
    40 決定論 
    41 ラプラスの悪魔Laplace's demon] 
    42 人間の無知[ignorance] 
  第13講 客観説 023
    43 あっちか,こっちか 
    44 客観説 
    45 量子力学 
  第14講 電子や分子の世界 025
    46 量子力学と確率 
    47 気体分子運動論と平均 


第4章 主観説
  第15講  確率_{1} 確率_{2} 027
    48 主観と客観 
    49  確率_{1} 確率_{2} 
    50 分裂を認める 
  第16講 主観説へ 028
    51 数学的な客観性 
    52 フォンクリースの逆説[the von Kries paradox] 
    53 日常経験における確率 
    54 主観説 
  第17講 計測の問題 030
    55 真理と確率 
    56 ラムジーの方法 
    57 確率を引きだす 
  第18講 賭けで測る 031
    58 自動車保険 
    59 利害表 
    60 解説 
  第19講 期待値計算 033
    61 確率表 
    62 期待値 
  第20講 主観的確率の測定 034
    63 確率への問い 
    64 非選好 
    65 確率へ 
    66 セールスマンとの会話 
    67 保険に入らない 
    68 保険に入る 
    69 信念の度合い 
    70 結論と応用問題 


第5章 囚人のジレンマ
  第21講 意志決定理論への問い 039
    71 モラルハザード 
    72 ギャンブル理論 
    73 核抑止,喫煙と寿命 
  第22講 囚人のジレンマ 040
    74 世界が歪む 
    75 囚人のジレンマ 
    76 周辺知識 
  第23講 利害表と確率表 042
    77 ポイント 
    78 利害表 
    79 確率表 
  第24講 絶対自白する 043
    80 期待値計算 
    81 絶対自白する 
  第25講 正統派設定 044
    82 見逃された前提 
    83 正統派設定 
    84 世界が歪む心理 
  第26講 確率変化 045
    85 自白しない心理 
    86 自白する心理 
    87 確率の変化 
  第27講 着地点 046
    88 まとめ 
    89 清算 


第6章 条件付き確率
  第28講 非因果 048
    90 因果 
    91 本来の問題 
    92 因果ではない 
  第29講 事象のアスペクト 049
    93 行動の視点 
    94 アスペクト 
    95 せいぜい一つ 
  第30講 条件付き確率 051
    96 条件付き確率[conditional probability] 
    97 確率配分対象 
    98 焦点 
  第31講 条件付き確率とは何か 052
    99 条件付き確率 
    100 確率因果 
    101 条件付き確率とは何か 
  第32講 まとめ 054
    102 結論 
    103 スカームズ[Brian Skyrms]とジェフリー 


第7章 因果論思考
  第33講 意志決定理論と手を切る 056
    104 ここまでのあらすじ 
    105 因果へ 
    106 仕切り直す 
  第34講 目的と手段 057
    107 因果論思考 
    108 因果にみえない思考 
    109 人の分類 
    110 場面を削りだす 
    111 目的と手段 
    112 因果にみえる 
  第35講 分枝図ふたたび 059
    113 ふたたび分岐図へ 
    114 帰結 
    115 二つの枝から一つの枝に 
  第36講 帰納論理へ 061
    116 確率を考えないとき 
    117 確率を考えるとき 
    118 帰納論理へ 
    119 まとめ 


第8章 帰納論理へ
  第37講 出来事論理 064
    120 記号論理 
    121  F_{c}の意味 
    122 デイヴィドソン[Donald Davidson] 
  第38講 個別予測 066
    123 因果が性質に 
    124 確率が重なる 
    125 経験[experience] 
    126 個別予測[singular prediction] 
  第39講 帰納法 068
    127 最終確認 
    128 帰納論理 
    129 枚挙[enumeration] 
    130 帰納法 
  第40講 行動のタイプ 069
    131 ここまでの話 
    132 帰納論理の形式 
    133  F F_{2}に 
    134 タイプ化された行為
    135 原因の抽出 
    136  F_{1} 


第9章 予測推論
  第41講 抽象 072
    137 母集団 
    138 類似性[similarity] 
    139  F_{1}の抽象 
  第42講 過去と未来 074
    140 母集団の分割 
    141 説明 
    142 過去から未来へ 
    143 予測推論[predictive inference] 


第10章 コルモゴロフの公理系
  第43講 はじめに 076
    144 記号論理の使い方 
    145 対象言語 
    146 意味論[semantics]としての帰納論理 
  第44講 確率論理学 078
    147 高校の復習 
    148 確率論理学[probabilistic logic] 
    149 解釈関数[interpretation function]としての確率 
    150 測度論[measure theory]は関係ない 
  第45講 コルモゴロフの公理 080
    151 コルモゴロフ 
    152 三つの公理 
    153 解説 
  第46講 以下の読み方 082
    154  P(\neg \varphi) = 1-P(\varphi) 
    155 以下の読み方 


第11章 確率論理学
  第47講 条件のない確率の定理 084
    156  0 \le P(\varphi) \le 1 
    157  \vDash \varphi \longleftrightarrow \varphi \Rightarrow P(\varphi) = P(\varphi)  
  第48講 クワインの方法 085
    158 読み取ってほしいこと 
    159 選言定理 
    160 クワインの方法[Quine's method] 
    161  \top \bot  
    162 言語的位置づけ 
    163  \top \botの置換 
  第49講 選言定理の証明 088
    164 クワインの方法つづき 
    165 照明 
    166 クワインの方法まとめ 
  第50講 条件付き確率の定理 091
    167 演繹論理 
    168 条件付き確率へ 
    169 省略について 
    170 排反性 
    171 条件の同値 
    172 確率配分対象の同値 
    173 論理的帰結と条件付き確率 
    174  P(\neg \varphi | \psi) = 1-P(\varphi | \psi)  


第12章 ベイズの定理
  第51講 ベイズの定理 096
    175 ベイズの定理[Bayes's theorem] 
    176 各部位の説明 
    177 各部位の説明つづき 
  第52講 科学哲学での例 098
    178 科学哲学 
    179 天動説,地動説 
    180 事前確率 
    181 予測確率 
    182 事後確率 
  第53講 科学哲学での例つづき 102
    183 予測確率 
    184 逆転 


第13章 帰納論理の言語
  第54講 ベイズの定理は使わない 104
    185 カルナップとベイズの定理 
    186 ヒンティカ[Jaakko Hintikka]の二次元連続体[two-dimensional continuum] 
    187 ベイズの定理は使わない 
  第55講  L_{3}^{2} 105
    188 話のつづき 
    189 言語 
    190 帰納論理の言語 
    191 個体定項について 
  第56講 述語 108
    192  F_{1} 
    193  F_{2} 
    194  L_{3}^{2}だけでよい 


第14章  Q述語と世界
  第57講  Q述語 110
    195  Q述語 
    196 事態[a state of affairs] 
    197 周到さ[exhaustivity] 
  第58講 組合せ論 112
    198  Q述語の数 
    199 考え方 
    200 組合わせ論 
  第59講 世界を構成する 113
    201 主観的な世界 
    202 世界を記述する 
    203 可能世界 
  第60講 問題 115
    204 状態記述の数 
    205 具体的にみる 
    206 排反性 


第15章 個別予測の算出
  第61講 重ね合わせる 117
    207 分岐世界[ramifying world] 
    208 可能世界と個別予測 
    209 読み 
  第62講 分数形 118
    210 終点に向けて 
    211 確率論理学で崩す 
    212 分数形[fraction] 
  第63講 分岐世界の投影 120
    213 二つの課題 
    214 クワインの方法ふたたび 
    215 分岐世界 
    216 一つめの課題への還元 


第16章 統計的世界観
  第64講 統計的視点でみる 122
    217 事象と世界 
    218 可能世界一つの確率 
    219 エビデンス 
    220 事例の個別性 
    221 統計的世界観へ 
  第65講 同型 124
    222 統計[statistics] 
    223 同型[isomorphism] 
    224 状態記述の同型 
    225 整理 
    226 問題へ 
  第66講 構造記述 127
    227 統計的世界観 
    228 構造記述[structure description] 
    229 帰納論理の核心部 
    230 状態記述一つの確率 
  第67講 帰納論理の完成 129
    231 結論 
    232 帰納論理の核心 
    233 分岐世界の確率  
    234 個別予測の値 


最終章 総括と実践
  第68講 確率論思考の完成 132
    235 確率論思考をふり返る 
    236 簡便計算法[shortcut] 
    237 簡便計算法を使う 
    238 確率変動 
    239  \neg F_{1}の事例を考える必要はあるか 


おわりに [136]


付録 137
  付録1 ラプラス 137
    1. 先験的[a priori]確率
    2. 根本事象[elementary event]
    3. 等しく確からしい[également possible]
  付録2 相対頻度 138
    1. 試行[trial]
    2. 頻度説
    3. ベルヌーイの大数の法則
  付録3 期待値 139
    1. アマルガム[amalgam]
    2. 単純平均
    3. 加重平均
    4. 期待値
  付録4 無限の幸福を考えてよいか 142
    1. 無限
    2. 極限
    3. 直感
    4. 関数の極限
    5. 数列の極限
    6. 不定形の極限
    7. 無限の幸福を認めてはならない
  付録5 ゲーム理論 146
    1. 意思決定理論との違い
    2. 考え方
    3. まとめ
  付録6 量子力学と確立 148
    1. ミクロの世界
    2. 波動関数
    3. 実在波
    4. 確率波
  付録7 気体分子運動論 152
    1. 平均身長
    2. 熱力学[thermodynamics]と統計力学[statistical mechanics]
    3. 気体分子運動論
    4. 分子の存在
    5. アボガドロ定数[Avogadro constant]
    6. 平均速度
    7. 平均の客観説
  付録8 フォンクリースの逆説 156
    1. ラプラス確率論への疑惑
    2. 問題
    3. 一つめの答え
    4. 二つめの答え
    5. 主観
  付録9 行動選択と事象発生確率 158
    1. 核抑止
    2. 喫煙と寿命
  付録10 囚人のジレンマ 159
    1. 概観
    2. 個人の合理性
    3. 社会的合理性
  付録11 条件付き確率 161
    1. 表記法
    2. 定義
  付録12 二つの枝から一つの枝に 163
    1. 空虚な因果
    2. 目的
    3. 期待値計算
    4. やはり意思決定理論ではダメ
  付録13 デイヴィドソンの出来事論理 165
    1. 出来事文[event sentence]
    2. 副詞[adverb]
    3. 出来事の個体化
    4. 帰納論理の言語の由来
  付録14 演繹と帰納 170
    1. 演繹と帰納
    2. 演繹
    3. 帰納
  付録15 個別予測と帰納的一般化 172
    1. 帰納的一般化
    2. 帰納論理の光と影
  付録16 両立不能/排反的 173
    1. 意味論か構文論か
    2. 構文論の手には負えない
    3. 意味論的手法
  付録17 簡便計算法 174
    1. 簡便計算法
    2. 標本
    3. 記号の説明
    4. 照明はしない
    5. 実践
    6.  s=s_{Q}=0の場合
  付録18 簡便計算法の意義 178
    1. 論理要因
    2. 経験要因
    3. 継起の規則[rule of succession]
    4. λ〔ラムダ〕体系
    5. 初期体系の重要性


問題の解答と解説 [182-205]
参考文献 [206-209]
用語集 [210-222]
索引 [223-227]




【メモランダム】
・誤植(93頁)。上記目次では訂正してある。

  173 論理的帰結とと条件付き確率

・誤記ではないが、別表記のありえる箇所(96頁)。

 確率論理学の着地点として,ベイズの定理(Bayes's theorem)が考えられる。

 アポストロフィー前後に注目してほしい。書籍でもweb上でも「Bayes' theorem」がどちらかというと多く、本書「Bayes's theorem」も用例がある。「Bayes theorem」も見つかる。



・期待(値)効用'the maximum estimated desirability (principle)'で調べると、Richard C. Jeffrey([1965]1983)The Logic of Decisionの、次の一節(定義の部分)が出てくる。

A ratifiable decision is a decision to perform an act of maximum estimated desirability relative to the probability matrix the agent thinks he would have if he finally decided to perform that act. (This will be expplained and illustrated as we go.)

The Logic of Decision, p.16.


【関連書籍】
・本書の補足講義が、電子書籍(2023年09月)として発売されている。

条件付き確率とはなにか 『確率の哲学』補填