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『コンピュータは数学者になれるのか?――数学基礎論から証明とプログラムの理論へ』(照井一成 青土社 2015)

著者:照井 一成[てるい・かずしげ](1971-)
装幀:岡 孝治[おか・こうじ]
NDC:410.9 集合論数学基礎論
件名:記号論理学
件名:情報科学


青土社 ||科学/数学/生物:コンピュータは数学者になれるのか?


【目次】
目次 [001-003]


はじめに 007


1 数学者を作ろう 011
1.1 数学者とは何か 012
  数学者は証明する
  言語と推論規則
  初等数論から始めよう

1.2 人工言語を画定する 016
  初等数論の言語
  項と論理式
  省略表現
  束縛変数と自由変数
  文の真偽
  有界論理式
  Σ_1論理式とΠ_1論理式

1.3 推論規則を画定する 030
  公理と推論規則
  等号の使い方を定める規則
  数論規則の使い方を定める規則
  論理記号の使い方を定める規則

1.4 形式系:ある架空の数学者 042
  形式系と数学者
  数学者Q氏
  整数や有理数を表現する
  Q氏=小学生?

1.5 数学者を育成する 049
  数学者IΣ_1氏
  関数を定義する
  数学者PA
  実数は取り扱えないということ
  2階の数学者たち
  形式系の拡大と矛盾

1.6 ヒルベルト計画 064
  歴史を振り返る
  ヒルベルトの困惑
  ヒルベルト計画発動
  無矛盾性と健全性


2 対角線上に追い詰めろ 075
2.1 対角線論法とは何か 076
  無限集合の比較
  対角線論法
  ラッセルのパラドックス
  連続体仮説

2.2 言語の限界 086
  ゲーデル符号化
  連続関数の不動点
  論理式の不動点
  真理定義不能

2.3 計算の限界 097
  計算課題とプログラム
  計算課題と決定可能性
  無限大学の合格発表
  コンピュータの限界
  コンピュータの誕生
  論理式の複雑さと計算の困難さ

2.4 証明の限界 111
  形式系再び
  第一不完全性定理
  補足 1:ロッサ―化
  補足 2:ヒルベルトの決定問題

2.5 第一不完全性から第二不完全性へ 126
  第二不完全性定理
  人間 vs. コンピュータ
  ヒルベルト計画と不完全性定理
  人工読者のための本


3 計算よ停まれ! 137
3.1 数列の生成と停止 138
  停まるか停まらぬか?
  コラッツの予想
  計算よ停まれ!

3.2 全員整列! 144
  整列集合
  超限の国の買い物事情
  多重集合が整列していること
  木とケーニッヒの補題
  定理3.3の証明
  整列集合と計算の停止
  原始再帰的でない関数
  IΣ_1の計算能力
  整列集合と選択公理

3.3 超限順序数の世界 164
  数の拡大
  無限の向こう側へ
  順序数をω進法で表す
  順序数と数列集合
  もう一つの寓話
  数学における整列性

3.4 ゲンツェンの無矛盾性証明 178
  そして数学基礎論
  ゲンツェンが成し遂げたこと
  独立命題の研究へ
  形式系の分離
  証明は動き始める
  ゲンツェンの死


4 NPの壁 195
4.1 しらみつぶしと数学知性 199
  一筆書きできますか?
  指数関数ヤバイ
  定理は計算を速くする
  高速化に限界はあるか?
  ディオファントス方程式再び
  マッチング

4.2 P・NPとは何か 213
  Pの考え方
  入力サイズについて
  NPの考え方
  P対NP問題

4.3 NP完全性:一蓮托生の難間たち 220
  計算課題を別課題に還元する
  NP完全問題
  最初のNP完全問題
  NP完全問題がいっぱい
  NP完全問題に立ち向かう

4.4 計算・言語・証明の限界、再び 228
  対角線論法の威力
  対角線論法の限界
  計算課題を論理式で表す
  多項式時間階層のの崩壊
  有界の数学者たち

4.5 P対NPの現在、未来、そして過去 247
  計算複雑性理論の拡がり
  P対NP問題の決着
  ゲーデルの決定問題
  NPの壁を回避せよ


5 活き活きした証明 257
5.1 ラムダ計算 258
  関数を作ること、使うこと
  ラムダ計算の基本
  計算の具体例
  ラッセルのパラドックス再び

5.2 証明はプログラムである 268
  構成的証明
  BHK解釈[Brouwer–Heyting–Kolmogorov interpretation
  カリー・ハワード対応Curry–Howard correspondence
  “ゲーデル・ゲンツェン対応”
  初等数論における証明とプログラム
  構成的プログラミング
  構成計算と証明支援系Coq

5.3 2つの論理 292
  構成的でない証明
  真理条件と検証条件
  古典数学者と構成的数学者の対話
  クライゼル計画
  制御演算子古典論理
  CPS変換
  構成性の理解に向けて

5.4 証明の意味 310
  証明とは連続写像である
  証明とは線形写像である
  記号に意味を与えよ


6 対角線方向にむかう未来 321
  第1章 「数学者を作ろう」 
  第2章 「対角線上に追い詰めろ」 
  第3章 「計算よ停まれ!」 
  第4章 「NPの壁」 
  第5章 「活き活きした証明」 
  数学基礎論からコンピュータ科学へ
  ヘイルズ[Thomas Callister Hales]の困惑
  ロボットは東大に入れるか?
  コンピュータは数学者になれるのか?
  人間からの学習
  証明支援系+自動定理証明+機械学習
  対角線方向へ!


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謝辞 [353]
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