著者:細谷 雄一[ほそや・ゆういち] (1971-) 国際政治史、イギリス外交史。
件名:日本管理政策
件名:日本--歴史--1945-1952
件名:日本--外国関係--歴史--1945-1952
NDLC:GB566
NDC:210.762 : 日本史
備考:書名について。本書カバーの表記に準じて、(選書内での)シリーズ名「戦後史の解放」とシリーズ巻次「I」を書名の先頭に置いた。省いてもよいと思う。
備考:書名について。弊ブログでは、巻次(「前編」「後編」)を、二倍ダッシュ(――)の後方に置いた。しかし、いくつかの公共図書館のように、巻次をタイトルの方に含めるのもいいと思う。
細谷雄一 『戦後史の解放II 自主独立とは何か 前編―敗戦から日本国憲法制定まで―』 | 新潮社
憲法制定と講和条約――米ソ対立が深まる中、戦後日本の新しい「国のかたち」を巡り、近衛文麿、幣原喜重郎、芦田均、吉田茂、白洲次郎らが、マッカーサー、ホイットニー、ケナン、ダレスらと激しい駆け引きを繰り広げる。世界史と日本史を融合させた視点から、日本と国際社会の「ずれ」の根源に迫る歴史シリーズ第二弾。
【目次】
はじめに [003-015]
「上を向いて歩こう」
語られない歴史
東京オリンピックの夢
時代が動くとき
「戦後史の解放」とは何か
希望は可能か
目次 [017-023]
序章 国際主義と愛国心 027
複数の「戦後史」
揺れ動く歴史認識
「対米従属」批判の陥穽
自主独立した日本
孤立主義から国際主義へ
「右であれ左であれ、わが祖国」
「愛国心」とは何か
「反米主義」という「ナショナリズム」
国際主義的な「愛国者」
「英、米両国民気質の比較」
「新しい曲学阿世」
悲劇と再生
第1章 崩れてゆく秩序 057
1 終幕を迎えた戦争 057
スイスに届いた電報
巨大な帝国の崩壊
終戦の多様な位相
崩れ落ちる正義
2 大日本帝国の崩壊 067
帝国の崩壊とその後
日ソ開戦へ
ソ連軍の対日参戦準備
新京の動揺
満州国に居住する少年
皇帝溥儀の逃避行
満州国の消滅
高碕達之助の戦中と戦後
朝鮮半島における敗戦
米軍統治の開幕
忘れられた帝国臣民
3 アジアにおけるパワー・バランス 093
「力の真空」をめぐる政治力学
忘却される記憶
アジアのなかの日本
戦争と平和の間で
第2章 アメリカが創った秩序 105
1 「アメリカの海」へ 105
孤立主義からの訣別
逆説としての日米関係
パラオの碧い海
西太平洋の戦略的要衝
2 国家安全保障を求めて 116
島嶼の支配へ
アメリカの国家安全保障
前方展開基地としての日本
制空権と航空戦力
「海防上の大変革」
日米の島嶼戦
戦後構想のなかの太平洋
「力の真空」を埋めるアメリカ
3 マッカーサーの平和 132
マッカーサーの到着
重光葵の覚悟
日本の降伏
マッカーサーの統治
連合国の諸大国の立場
ロンドン外相理事会
ソ連の交渉戦術
日本と東欧との「交換」
モスクワでの合意
アメリカが創る秩序
第3章 新しい「国のかたち」 161
1 衛兵の交代 161
「新しい日本」を求めて
二人の政治家
近衛文麿と幣原喜重郎
「外交に通暁せる者」
「国際信用」の回復を目指して
「正義の外交」の必要
東久邇宮内閣成立
2 近衛文麿の戦後 175
近衛文麿の憂鬱
マッカーサーとの会談
近衛の憲法改正への動き
近衛文麿の退場
最後のメモ
歴史の審判
無責任と弱さ
3 幣原喜重郎の戦後 194
「政治の組立から改めなければならぬ」
幣原喜重郎の再登場
幣原内閣と昭和天皇
天皇制維持への逆風
保守的な憲法問題調査委員会
戦争放棄条項の誕生
4 アメリカが創った憲法 213
GHQの動き
宮沢俊義の反米主義
松本委員会の「憲法改正要綱」
アメリカによるイニシアティブ
「戦争の放棄」誕生の背景
憲法九条と天皇制
GHQの対応
松本烝治の蹉跌
幣原の怒り
ホイットニーからの提案
白洲次郎の矜恃
松本烝治の抵抗
混迷する閣議
芦田均の国際主義
「この外に行くべき途はない」
「大局的判断」と「国際感覚」
極東委員会と対日理事会の開催
「憲法改正草案要綱」の発表
痛みをともなった前進
註 [261-283]
図版提供 [284]