原題:Learned Helplessness: A Theory for the Age of Personal Control (Oxford University Press)
著者:Christopher Peterson(1950–2012)
著者:Steven F. Maier
著者:Martin E. P. Seligman(1942–)
監訳:津田 彰[つだ・あきら](1951–) (監訳、まえがき、日本語版序文、2章)
訳者:津田 茂子[つだ・しげこ](1954-) (1章)
訳者:山田 茂人[やまだ・しげと](1950-) (3章)
訳者:岩橋 俊哉[いわはし・としや](1958-) (4章)
訳者:嶋田 洋徳[しまだ・ひろのり](1966-) (5章)
訳者:園田 明人[そのだ・あきひと](1961-) (6章)
訳者:吉田 敬子[よしだ・けいこ](1952-) (7章)
訳者:池田 京子[いけだ・きょうこ](1965-) (8章)
訳者:池田 豊子[いけだ・とよこ](1945-) (9章)
装幀:森本 良成[もりもと・よしなり] 装丁。
件名:回避 (心理学)
NDLC:SB112 科学技術 >> 心理学 >> 情動・欲求・作業 >> 情動〔情緒,感情〕
NDC:141 心理学 >> 普通心理学.心理各論
NDC:141.6 心理学 >> 普通心理学.心理各論 >> 情動:情緒,感情,情操
http://www.niheisha.co.jp/isbn4-931199-69-0.htm
【目次】
コロフォン [ii]
献辞 [iii]
日本語版刊行にたって(クリストファー ピーターソン(ミシガン大学 ミシガン州アナーバー)/スティーブン F. マイヤー(コロラド大学 コロラド州ボルダー)/マーティン E. P. セリグマン(ペンシルバニア大学 フィラデルフィア州フィラデルフィア)) [v-vi]
はじめに(1992年夏 アン・アーバー、ミシガン C. P./ボウルダー、コロラド S. F. M./フィラデルフィア、ペンシルバニア M. E. P. S.) [vii-viii]
目次 [ix-xii]
第1章 イントロダクション 001
無力感とパーソナル・コントロールの現象 002
実験動物の受動性
単極性うつ病
米国プロバスケットボール・チームの敗戦の弁
老人ホームの死亡率
ベティ・ジョー:被虐待女性
生命保険の勧誘
学習性無力感の理論 006
“学習性無力感”の3つの使用 007
学習性無力感:内部指向、分析指向、外部指向 009
学習性無力感がなぜ論争の的になったのか 010
学習性無力感はなぜかくも有名になったのか 012
注 015
第2章 動物の学習性無力感 017
最初の学習性無力感実験 017
学習性無力感理論 020
コントロール、随伴性と時間的接近性
表象、期待と知覚
心理的過程
誘引的動機づけ
認知
情動
初期の証拠
論争 029
競合運動反応説
神経化学的理論
なぜ反論が起こったのか?
1. 時間的接近性
2. 反応強度の自動性と連合過程の単純性
3. 反応
4. 転移の範囲
時間的接近性と随伴性の対比 033
時間的接近性
随伴性
因果律
表象と期待 045
認知障害
信号によって合図された罰
選択
認知障害の性質
非随伴性の検出
学習性支配感
明らかになっていること 056
分かっていないこと 057
第3章 学習性無力感の生物学 061
ノルエピネフリン 062
NE関与の証拠
行動的意味
γ‐アミノ酪酸(GABA) 067
GAVA関与の証拠
行動について
恐怖と不安
BZ受容体
学習性無力感における不安と恐怖の役割
ノルエピネフリン系統との関連
内因性オピエート 081
神経伝達物質、伝達修飾物質、およびホルモン 088
CRH 088
その他の事項 092
急性と慢性の暴露
受容体機能
生体側の調節入力変数
明らかになっていること 094
分かっていないこと 095
注 097
第4章 人間における学習性無力感の問題 099
学習性無力感の判定基準 100
実験室における学習性無力感の操作的定義 101
説明的研究
人間の無力感の文脈について
適切な対照群について
人間の無力感研究のメタ分析 108
人間の無力感に関する他の側面 112
時間経過
情動面の結果
攻撃性の低減
免疫と治療
代理的な無力感
集団的無力感
人間の間での学習性無力感の一般性 117
認知と自己報告 118
その他の説明について 126
心理的感応
仮説検証
自己中心性理論
状態志向と行為志向
認知的消耗
二次的コントロール
明らかになっていること 147
分かっていないこと 148
第5章 帰属の再公式化 151
歴史的背景:帰属理論と理論化 151
原因の説明とコントロールの所在 154
再公式化された学習性無力感モデル 156
説明スタイルの評価 166
説明スタイルの実証的な研究 176
説明スタイルが原因の説明を予測するか
説明スタイルの関連性と結果は何か
実験室の無力感
無力的な行動
ライフイベントに対する反応
政治的な人気
どのような説明スタイルが形成され、どのように変化するのか
明らかになっていること 192
分かっていないこと 193
注 196
第6章 学習性無力感と抑うつ 197
抑うつとは何か 197
正常うつ病
抑うつ“疾患”
うつ病の症状
気分
思考
行動と動機づけ
生理的機能
学習性無力感と抑うつ
日常的活動に対する興味の喪失
欲求、体重、睡眠障害
精神運動の遅滞とエネルギーの喪失
思考力減退
抑うつの改訂学習性無力感モデル 207
横断的証拠
抑うつ患者 対 大学生
抑うつ的説明スタイルの特異性
縦断的研究
児童
成人
患者
フィールド実験
中間試験研究
囚人研究
治療
近代化と抑うつ 223
ゆううつの時代か?
ECA(疫学的通院範囲)研究
家系研究
高齢のアンマン派の人々
説明可能性
論議 227
説明スタイルのメカニズム
現実を曲解するのはだれか?
コントロールの判断
成功予期
技能の判断
記憶
説明スタイル
連続性―不連続性
明らかになっていること 239
分かっていないこと 239
第7章 学習性無力感と社会問題 243
学習性無力感の基準 245
適用例の検討 247
非常に悪い例
悪い例
アルコール依存症
身体のコントロール
児童虐待者
まあまあの例
児童虐待の被害者
小児自閉症
家庭内暴力
イブニングニュース
施設病
孤独と内気
良い例
加齢
運動競技
慢性的な痛み
精神遅滞
セールス
聖パウロ
失業
優れた例
うつ病
学業成績
アジア系アメリカ人
黒人系アメリカ人
燃えつき
過密環境
てんかん
騒音
明らかになっていること 281
分かっていないこと 281
注 286
第8章 学習性無力感と身体的健康 287
幾つかの基本的なルール 287
病気になる危険要因 289
受動性
コントロール不可能性
認知
35年間の横断研究
風邪
がんの生存率
心臓発作の回数
免疫系機能
追試
関連調査の概要
共通のテーマ
メカニズム 306
生物学的過程
情動的過程
行動的過程
健康的な習慣
疾病に対する反応
健康増進
人間関係的過程
動物と人間における健康と病気 317
明らかになっていること 320
分かっていないこと 320
注 323
第9章 エピローグ 325
選択の小史 325
コントロールの重要性 330
科学的論争と進歩のモデルとしての学習性無力感 332
学習性無力感とパーソナルコントロールの時代 333
楽観主義研究所 335
References [337-369]
索引 [371-375]
原語訳語対照表 [376-378]
監訳者あとがき(2000年5月の新緑と五月晴れの大学の研究室にて 訳者を代表して 津田 彰) [379-381]
著者訳者紹介 [382-385]
【メモランダム】
・224頁に「アンマン派」が登場する。本文の説明によれば「ランカスターに済む、厳格なプロテスタント宗派である。彼らは電気を使わず、自動車ではなく馬車を用いる」(大意)という。
この説明で私はやっと気づいたが、この人々は、日本では「アーミッシュ」(Amish)と呼ばれている。Jakob Ammannの名からアマン派(アンマン派)とも称されるらしい。
・「現実認知は非抑うつ者の方がゆがんでいる」という、(たぶん)わりと知られた話が、本書230-233頁で詳しく検討されている。