著者:大芦 治[おおあし・おさむ](1966-) 心理学、教育心理学。
本文イラスト:たむら かずみ
件名:実験心理学
件名:心理学-歴史
NDLC:SB24
NDC:140.2 心理学
NDC:140.75 心理学 >> 研究法.指導法.心理学的検査 >> 実験心理学
【目次】
目次 [003-008]
序章 心理学は、いつ、どのように成立したのか 009
心とはそもそもどういうものなのだろうか
心理学成立以前
哲学と心理学
ヴントとヘルムホルツ
実験心理学の成立
ウィリアム・ジェームズ
本書の構成
第1章 行動主義と条件づけ 023
アメリカ生まれの心理学者
進化論と心理学
行動主義の心理学
環境主義と条件づけ
実験1 ソーンダイクの問題箱――箱の仕組みを猫は理解できるか
実験2 パヴロフの条件づけ――餌がなくてもよだれが出るのはなぜか
実験3 ワトソンの男児アルバートの条件づけ――恐怖は学習される
第2章 ゲシュタルトと心理学 043
ゲシュタルト崩壊?!
ゲシュタルトの法則
ゲシュタルト心理学の認識論
洞察による学習
実験4 ウェルトハイマーの運動視の研究――線分が動いて見えるのはなぜか
実験5 ゴットシャルトの埋め込まれた図形の実験――経験は役に立たない
実験6 ケーラーの知恵実験――チンパンジーはどこまで考えるのか
第3章 行動と認知 心なき心理学の限界 059
認知で何が行われているか
学習における認知の重要性
条件づけから記憶へ
実験7 トールマンのネズミの潜在学習の実験――頭の中では学習している
実験8 バンデューラの観察学習の実験――他者の行動から学ぶことはできるか
実験9 レスコーラの犬の古典的条件づけ実験――動物は確率を計算できるか
第4章 認知と記憶 077
まずは記憶の研究から
記憶における情報処理
記憶力に限界はあるのか
実験10 エビングハウスの忘却曲線――記憶には法則がある
実験11 記憶の文脈効果の実験――「言いたいこと」がなぜ伝わらないのか
実験12 記憶の処理水準モデル――処理が深いほど記憶に残る
実験13 記憶術者シィーの研究――超人的な記憶力の正体
第5章 認知の誤り 101
意外にあてにならない人間の認知
論理的な思考の誤り
日常的な状況での判断
自由意志は存在するか
不正確な認知の利点
実験14 ロフタスの誤った記憶――目撃証言はなぜ信用できないか
実験15 タクシー課題――とっさの計算でなぜ間違えるのか
実験16 アロイとアブラムソンの実験――うつの人ほどリアリスト?
第6章 他者と社会 123
二つの社会心理学
重要な選択における同調
ミルグラム実験が問うもの
同調や服従はなぜ起こるのか
認知的不協和理論と同調、服従
意識内での整合性
ゲシュタルト心理学と社会心理学
実験17 アッシュの同調行動の研究――なぜ周囲に合わせてしまうのか
実験18 ミルグラムの服従実験――人はどこまで命令に従うのか
実験19 フェスティンガーの認知的不協和理論――退屈な仕事ほど価値がある?
第7章 発達と愛着 153
発達とは何か
児童研究運動の登場と衰退
孤児院問題
アタッチメント(愛着)の発見
好奇心という動機
実験20 ハウロウのサル実験――空腹を満たすより大切なこと
実験21 ストレンジ・シチュエーション法――愛のかたちを測れるか
第8章 発達と知能 175
感覚‐運動期
前操作期
具体的操作期
形式的操作期
ピアジェ以降の認知能力研究
自然さと説明可能性
心理的な特性を持つということ
自閉症と「心の理論」
追跡研究
IQとEQ
誘惑に抗う能力
実験22 ピアジェの量の保存の実験――自己中心的な子どもの認知
実験23 いたずらなテディベアの量の保存の実験――子どもにとって自然な状況とは
実験24 ウィンマーとパーナーの誤信念課題――「心の理論」の発達研究
実験25 マシュマロテストの追跡研究――テストを受けた子どもたちのその後
第9章 動機づけと無気力 209
動機づけへの関心
行動主義と動機づけ
環境をコントロールできているという感覚
学習性無力感
人の学習性無力感
目標の持ち方が重要だ
集団の動機づけ
遂行目標と学習性無力感
実験26 デシの内発的動機づけ――アメとムチだけで人は動かない
実験27 セリグマンの学習性無力感――「やる気」を阻害するものの正体
実験28 教育現場における学習性無力感――コントロール感覚が知的意欲を左右する
第10章 教育心理学 239
教育心理学の誕生
教育心理学とは何なのか?
教える側の偏見
人によってまちまち
二つの要因の組み合わせ
教育法の流行り廃りと心理学
実験29 ローゼンタールらのピグマリオン効果――教師の先入観が学力を伸ばした?
実験30 クロンバックの適性処遇交互作用――適切な教授法は人それぞれ
おわりに [253-256]
あとがき(2023年2月 大芦 治) [257-260]
引用文献 [261-269]