著者:飯村 周平[いいむら・しゅうへい](1991-) 発達心理学(思春期・青年期の環境感受性).HSP情報サイトJapan Sensitivity Researchを企画・運営.
シリーズ:岩波ブックレット;1074
件名:神経質
件名:精神衛生
NDLC:SB134
NDC:141.94 普通心理学.心理各論 >> 個性.差異心理学 >> 気質:神経質,多血質,胆汁質,粘液質
NDC:493.79 内科学 >> 神経科学.精神医学 >> 精神衛生
備考:この本は「ポピュラー心理学」「ポップ心理学」「folk psychology」も関連する。
備考:国会図書館で本書は、(NDCで)141.94に分類されている。ちなみに「141.93 人格.性格:性格学,性格検査」や「141.97 類型学」という分類もある。
【目次】
目次 [01]
はじめに [02-04]
第1章 HSP「ブーム」の実情 05
1 HSPの「発見」 05
きっかけはマスメディアによる『「繊細さん」の本』特集
Google検索からひも解くHSPブーム
マスメディアによるHSPの「発見」
芸能人のHSP公表
2 HSPはどこから来たのか? 10
HSPの提唱者エレイン・アーロン
HSPに関する最初の論文
「HSP気質」を特徴づけるDOES(ダズ)
3 HSPという言葉の扱われ方 13
繊細さの捉えなおし
日本のHSPブームで着目される「生きづらさ」
Google検索で上位にヒットするHSPサイトの特徴
書籍から見たHSPのイメージ
Twitterで「誰が」HSPを名乗るのか?
4 HSPブームは身近なものに 21
学生の認知度も高いHSP
HSPを知るようになったきっかけ
第2章 HSPブームの功罪 24
1 HSPはなぜ広く受け入れられたのか? 24
HSPの「何が」人々を魅了したのか?
繊細さに伴う「生きづらさ」に肯定的な物語を与える
「5人に1人」という割合
「障害ではない」ラベル
直感的に分かりやすいタイプ分け
自分の「モヤモヤ」に「答え」をくれる
2 HSPラベルと人々との相互作用 32
ラベルと人々との相互作用的な関係を説明する
ループ効果から見たHSPラベルの広がり
このラベルの当事者であると自認するに至った情報源
このラベルの当事者であると自認した際の印象
このラベルの当事者であると自認した後の意識や行動の変化
もともとのHSPラベルの変化
3 ポップ化されて広まったHSP 40
学術的な定義とのズレ
HSPについての説明
HSPか否かを切り分ける基準
HSPであることの「価値」
感覚刺激に対する反応
○○型HSPタイプ分け
4 偏見や差別、誤解を助長する可能性 48
HSPという言葉やそれを自認する人に対するもの
一部のHSP自認者が「非HSP」に向けるもの
一部のHSP自認者が「障害」や「障害のある人」へ向けるもの
感受性の多面性
5 HSP自認がむしろ自己理解や他者理解を狭める可能性 54
「HSPか否か」だけで自己や他者を見る
「玉」より「石」が多いHSP情報
第3章 「消費」されるHSPブーム 58
1 誰がHSPブームを「消費」しているのか? 58
HSPブームで問題視される側面
科学的根拠のないHSP医療ビジネス
専門性の疑わしいHSP資格ビジネス
カルト団体やマルチ商法の参入
子どもの支援を名目としたHSCラベルの濫用
科学的根拠のチェックが甘いマスメディア
2 HSPブームの「罪」とどう付き合うか? 68
代表的な誤解への対処法
(1) HSPは「生きづらい」人である?
(2) ネットのHSP診断テストで自分がHSPかどうか分かる?
(3) 「○○型HSP」だと診断された?
(4) 世の中の大多数は非HSPである?
(5) 親がHSPだと子もHSPになる?
(6) HSPは発達障害や精神疾患の一種である?
(7) HSPは「能力」である?
(8) HSP専門カウンセラーに相談するといい?
(9) 医療機関でHSPを「診断・治療」できる?
3 HSPに関する学術的な情報源 76
ブームで混沌を極めるHSP情報
①心理学者によるHSP情報サイト「Japan Sensitivity Research」
②感受性研究の第一人者によるサイト「Sensitivityresearch.com」
③「環境感受性」のWikipedia
④アーロン、エレイン(片桐恵理子訳)『敏感すぎる私の活かし方:高感度から才能を引き出す発想術』パンローリング
⑤飯村周平『HSPの心理学:科学的根拠から理解する「繊細さ」と「生きづらさ」』金子書房
⑥串崎真志『繊細な心の科学:HSP入門』風間書房
おわりに [80-82]
引用文献 [83-86]