原題:Financial Crises, Liquidity, and the International Monetary System (Princeton University Press)
著者:Jean Marcel Tirole(1953-) 経済学(産業組織論、ゲーム理論、金融、行動経済学)。
訳者:北村 行伸[きたむら・ゆきのぶ](1956-) 経済学。
訳者:谷本 和代[たにもと・かずよ](1972-) 翻訳。元・日本銀行。
備考:第一刷 2007年10月19日 第二刷 2014年11月7日
企業金融・国際金融の権威である著者による、国際金融危機の再発を防止し、新たな金融システムを設計するための指針の提示。
国際金融危機の経済学 | 東洋経済STORE
【目次】
日本語版への序文 [iii-iv]
謝 辞 [v-vi]
目次 [vii-xi]
はじめに 004
注 007
第1章 新興市場危機と政策対応 009
危機前 010
資本流入の規模と特性
銀行の脆弱性
通貨と満期のミスマッチ
マクロ経済の変化
貧弱なインフラの枠組み
通貨制度
危機 017
純民間資本移動の急激な反転
為替レートの下落・切下げ
経済活動と資産価格
救済策
投資家の救済措置
融資条件(コンディショナリティ)
IMF改革、規制の変化と民間部門における革新 026
注 030
第2章 経済学者の観点 037
合意事項 038
合意事項の七つの条件
批判
相反するアドバイスと本末転倒した原則 045
国家主権への「非現実的な」侵害 051
理論 052
第3章 議論の概要および主要点 069
標準的な借り手の問題 071
なぜ対外債務は違うのか 072
市場の失敗に対する制度上および政策上の対策 074
第4章 閉鎖経済における流動性およびリスク管理 077
企業金融――主要な構成原理 078
(a) コーポレート・ガバナンス
(b) 積極的かつ投機的なモニタリング
(c) コントロール権
国内の流動性供給 097
注 104
第5章 市場の失敗の識別――債務国は一般の借り手と同じか 107
類似点と潜在的な相違点 108
重複代理人の観点 112
重複代理人の観点
(a) 為替相場に影響を及ぼすコントロール権
(b) 一般的に投資家の収益に影響を与えるコントロール権
政府のインセンティブ 118
議論 119
(a) 閉鎖経済でも同じことがいえるのではないだろうか
(b) ファンダメンタルズ説との関係
(c) モラルハザードはどれほど重要だろうか
(d) 政府債務は放棄可能か
共通代理人の観点 125
注 128
第6章 重複代理人および共通代理人設定から導かれる含意 131
含意1 ――代表仮説 132
(a) 全体像
(b) 代表仮説
(c) オーナーシップと融資条件
含意2 ――政策分析 137
債務の通貨単位
債務機関
為替制度
各国比較 144
国際的な最後の貸し手機能は必要か 146
注 149
第7章 国際金融制度への含意IMFの役割とは何か 153
市場の失敗から任務の形成まで 154
IMFのガバナンス 157
共同実施事項に関する意思決定
説明責任の経済学
焦点を絞ることの利点
焦点を絞ることの費用
国際機関間の競争
民間による解決策
注 170
第8章 結論 173
訳者あとがき(二〇〇七年八月、盛夏の国立にて 北村行伸) [177-189]
本書の要約と意義
企業金融との関係
国際金融制度改革のゆくえ
参考文献 [28-11]
人名索引 [10-8]
事項索引 [7-1]