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『日本人の発想、日本語の表現――「私」の立場がことばを決める』(森田良行 中公新書 1998)

著者:森田 良行[もりた よしゆき](1930-) 日本語学。
NDC:810.4 日本語



【目次】
まえがき [i-iv]
目次 [v-viii]


I 発話の場面、発せられる表現――なぜ客観的叙述が取りにくいのか 003
場面に依存する言語行動
現在時点からの現状把握
主観的表現が日本語を支える


II 「私」中心の視点――日本語的な内と外とは何か 023
「私」を「人」に含めない日本語
他人を気にする日本語・日本人
日本人が考える自分・相手・第三者
自他の人間関係と日本語
日本語では謝罪も感謝も同じ言葉
「家」が「内」に通ずる日本語
「内」と「中」とは意味が違う
顔を「おもて」と考える日本人


III 対人意識に基づく表現――人間関係がどう言葉に現れるか 059
受けの姿勢が対人意識の言葉を生み出す
人称詞の発達も同じ土壌から
受け手の姿勢と待遇表現
人間関係と敬語の発達
国技も日本語も同じ土壌から
縄張り意識はどう反映するか
日本的な指示語の体系
素晴らしきかな日本語の授受表現
話者の視点に立つ日本語、「〜てくる」と「〜ていく」
視点によって変わる対義関係、「押す」と「引く」


IV 日本語の情意性と文学――対象把握に現れる表現者の心 100
日本語に多い情意の副詞
情意的表現はとりたて詞から
日本語に多い強調表現
否定表現を有効に使おう
推量表現と寡黙の美
俳諧に潜む己の目


V 受身的発想に基づく言葉――受身で客観性をどう示すか 132
受身的姿勢に日本語と中国語との違いを見る
話者の視点が受身を生み出す
受けの姿勢は日本文化の本質?


VI 「成り行き」の論理――他力的発想と近視眼的思考 151
自然の成り行きに委ねる日本語
自動詞の効用
話者の視点からの慣用表現
話者の視点からの比喩表現
日本語の「た」は本当に過去や完了を表わすか
日本語の条件表現は客観的なものか
文章の展開に見る日本人的思考樣式
談話や作文に見られる日本語の特徴
文章は書き出しが命


VII 会話の論理と表現の論理ーー場面即応型言語の立脚点 199
「は」の主題文に日本語の姿を見る
話し言葉と書き言葉に見る日本語らしさ
男女差は話し言葉に現れやすい
日本語の性格は日本人・日本文化の性格と根は共通
むすび、 アナログ感覚の日本語


あとがき(一九九八年四月 森田良行) [235-241]