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目次とメモを置いとく場

『「させていただく」の語用論――人はなぜ使いたくなるのか』(椎名美智 ひつじ書房 2021)

英題:The Pragmatics of Sasete-itadaku
著者:椎名 美智[しいな・みち] 歴史語用論。
装丁・装画:小林 真理[こばやし・まり] STARKA
NDC:810.1 日本語
NDC:815.8 文法.語法
件名:日本語-敬語
備考:博士論文『「させていただく」という問題系 : 歴史社会語用論的調査と考察』 (放送大学, 2019年提出)を加筆修正したもの。


「させていただく」の語用論 人はなぜ使いたくなるのか 椎名美智著


【目次】
はじめに [iii-v]
目次 [vii-xii]


第1章 イントロダクション――「させていただく」という問題系と歴史社会語用論的アプローチ
1.1. はじめに:歴史社会語用論的アプローチ 001
1.2. ベネファクティブ体系の成立 008
1.3. 本書の構成 013


第2章 先行研究のレビューと分析の方向性――「させていただく」の問題系とは何か?
2.1. はじめに 017

2.2. 本動詞としての授受動詞の先行研究 018
  2.2.1. 授受動詞における視点の問題に関する先行研究
    2.2.1.1. 久野暲(1978)
  2.2.2. 対照方言学的視点からの授受動詞の先行研究
    2.2.2.1. 日高水穂(2007)

2.3. 現代日本語におけるベネファクティブの先行研究 023
  2.3.1. 構文分析的・統語論的ベネファクティブ研究
    2.3.1.1. 益岡隆志(2001)
    2.3.1.2. 高見健一・加藤鉱三(2003a〜f)
    2.3.1.3. 由井紀久子(1990, 1993, 1996)

2.4. 古典日本語におけるベネファクティブの先行研究 033
  2.4.1 歴史社会語用論的ベネファクティブの研究
    2.4.1.1. 宮地裕(1965, 1975, 1981)
    2.4.1.2. 森勇太(2014, 2016)
    2.4.1.3. 古川俊雄(1995, 1996a, 1996b, 1997)
    2.4.1.4. 荻野千砂子(2006, 2007, 2008, 2009)
    2.4.1.5. 山口響史(2015, 2016)

2.5. 現代日本語における「させていただく」の先行研究 048
  2.5.1. 規範文法的「させていただく」の研究
    2.5.1.1. 文化審議会答申『敬語の指針』(2007)
    2.5.1.2. 菊地康人(1997a, 1997b, 2010)
    2.5.1.3. 井口裕子(1995)、東泉裕子(2010)
    2.5.1.4. 宇都宮陽子(2005, 2006)
  2.5.2. 意味論的・統語論的・構文分析的「させていただく」の研究
    2.5.2.1. 山田敏弘(2004)
    2.5.2.2. 金澤裕之(2007)
    2.5.2.3. 上原由美子(2007)
    2.5.2.4. 豊田豊子(1974)
  2.5.3. 社会言語学的・敬語史的「させていただく」の研究
    2.5.3.1. 井上史雄(1999, 2017a, 2017b)
    2.5.3.2. 山口真里子(2008)
  2.5.4. 語用論的「させていただく」の研究
    2.5.4.1. 原田登美(2006, 2007)
    2.5.4.2. 米澤昌子(2001a, 2001b, 2012, 2013, 2014)
    2.5.4.3. 茜八重子(2002, 2003)
    2.5.4.4. 熊田道子(2000, 2001)
    2.5.4.5. 伊藤博美(2010, 2011)
    2.5.4.6. 李譞珍(2015, 2018)
    2.5.4.7. 塩田雄大(2016)、塩田雄大・山下洋子(2013)、滝島雅子・山下洋子(2017)
  2.5.5. ポライトネス理論的「させていただく」の研究
    2.5.5.1. 橋元良明(2001)
    2.5.5.2. 滝浦真人(2008a, 2016, 2018a, 2018b)

2.6. 先行研究のまとめ 089

2.7. 「させていただく」という問題系とは何か?―― 3つのリサーチ・クエスチョン 096
注 099


第3章 質問紙による意識調査――「させていただく」の「文法化」と「新丁重語」の誕生
3.1. はじめに 103

3.2. 調査デザインと調査概要 104
  3.2.1. 2つの仮説
  3.2.2. 内的要因:[使役性][恩恵性][必須性]
  3.2.3. ‘Benefactive English’
  3.2.4. 外的要因:「回答者属性」「会話的役割」「言語意識」
  3.2.5. 本調査における従属変数と独立変数
  3.2.6. 調査文例とその素性について
  3.2.7. 調査概要

3.3. 分析方法:決定木分析の有効性 114

3.4. 「させていただく」の調査結果 115
  3.4.1. 回帰木からわかること
  3.4.2. 内的要因
  3.4.3. 外的要因
  3.4.4. 「させていただく」の使用目的

3.5. 調査結果からの考察 122
  3.5.1. 恩恵性について
  3.5.2. 使役性について
  3.5.3. 調査参加者の偏りによる交絡要因
    3.5.3.1. 首都圏の人々の「違和感」の値
    3.5.3.2. 上下関係の問題
    3.5.3.3. 年齢層と特定の大学との関係
  3.5.4. 「話し手」と「聞き手」の立場について
  3.5.5. ポライトネス意識について
  3.5.6. 「させていただく」における「恩(恵)」とは何か?

3.6. 「させていただく」についての意識調査結果からの考察 134
3.7. まとめ 136
注 137


第4章 「させていただく」の前接部と後接部―― 2つのコーパス・データの調査結果
4.1. はじめに 143

4.2. 2つのコーパスの概要 145
  4.2.1. BCCWJの概要
  4.2.2. 青空文庫の概要:コーパスとしての条件
  4.2.3. コーパス・データの整備
  4.2.4. コーパス調査の手順

4.3. コーパスの分析結果 151
  4.3.1. 2つのコーパスにおける4つのベネファクティブの使用分布
  4.3.2. 4つのベネファクティブの前接部:サ変動詞との共起状況
  4.3.3. 4つのベネファクティブの前接動詞の分布状況
    4.3.3.1. BBコーパスにおける4つのベネファクティブの前接動詞の調査結果
    4.3.3.2. Aコーパスにおける4つのベネファクティブの前接動詞の調査結果
    4.3.3.3. 2つのコーパスにおける前接部の比較調査
    4.3.3.4. 2つのコーパスにおけるベネファクティブの使用状況の比較調査
    4.3.3.5. 「させていただく」の前接動詞句をめぐるA/BBコーパスの比較
    4.3.3.6. 2つのコーパスにおける「させていただく」と共起する動詞の種類
    4.3.3.7. BBコーパスにおける「させていただく」「させてくださる」の前接動詞の比較
    4.3.3.8. 前接動詞調査のまとめと考察
  4.3.4. 4つのベネファクティブの後接部の分布状況
    4.3.4.1. 2つのコーパスにおける「させていただく」の後接部の形式
    4.3.4.2. 2つのコーパスにおける「させてくださる」の後接部の形式
    4.3.4.3. 2つのコーパスにおける「させてもらう」の後接部の形式
    4.3.4.4. 2つのコーパスにおける「させてくれる」の後接部の形式

4.4 コーパス調査から得られた洞察 200
注 205


第5章 2つの調査結果の考察――ベネファクティブ「させていただく」使用拡大の要因と影響
5.1. はじめに 207

5.2. 2つの調査結果のまとめ 208
  5.2.1. 質問紙による意識調査のまとめ
  5.2.2. コーパス調査のまとめ

5.3. 結語:「させていただく」という問題系への解 213

5.4. 総括:ゴフマンの概念から見た敬意漸減のメカニズム 221

5.5. (補遺)「させていただく」の今 228
注 230


おわりに(2020年12月吉日 コロナ禍の終息を祈りつつ 椎名美智) [233-238]
参考文献 [239-255]
  引用・参照文献
  使用Website
  使用データ
  使用辞典
  その他の参考文献(引用・参照していないもの)

付録 [257-283]
  《言葉遣い》に関する意識調査 アンケート調査用紙
  付表-1 『青空文庫』の「させていただく」例文の著者の生没年(生年順)
  付表-2 Aコーパス「させてくれる」の前節動詞1062tokens(253種類)
  付表-3 Aコーパス「させてもらう」の前節動詞940tokens(246種類)
  付表-4 Aコーパス「させてくださる」の前節動詞585tokens(160種類)
  付表-5 Aコーパス「させていただく」の前節動詞535tokens(220種類)
  付表-6 BBコーパス「させてくれる」の前節動詞3328tokens(549種類)
  付表-7 BBコーパス「させてもらう」の前節動詞2597tokens(574種類)
  付表-8 BBコーパス「させてくださる」の前節動詞874tokens(291種類)
  付表-9 BBコーパス「させていただく」の前節動詞2190tokens(645種類)
  付表-10 A/BBコーパスに共通して「させていただく」のと共起する前節動詞(101個)
  付表-11 Aコーパスのみで「させていただく」のと共起する前節動詞(112個)
  付表-12 BBコーパスのみで「させていただく」のと共起する前節動詞(536個)
  付表-13 Aコーパス「させてくれる」の後接部(上位のみ)
  付表-14 Aコーパス「させてもらう」の後接部(上位のみ)
  付表-15 Aコーパス「させてくださる」の後接部(上位のみ)
  付表-16 Aコーパス「させていただく」の後接部(上位のみ)
  付表-17 BBコーパス「させてくれる」の後接部(上位のみ)
  付表-18 BBコーパス「させてもらう」の後接部(上位のみ)
  付表-19 BBコーパス「させてくださる」の後接部(上位のみ)
  付表-20 BBコーパス「させていただく」の後接部(上位のみ)

  
索引 [285-289]






【メモランダム】
・第二章で先行研究の整理・分析が行われている。
 思い立って、文献タイトルを省略しなかった場合の部分的目次を作ってみた。そしてこれは、実質的に巻末の文献リストの一部を並べ替えたものなので抜粋の一種かもしれない。
 なお下線をつけた文字列は、誤記または誤植と思われる箇所に、私(id:Mandarine)が付加したメモ書き。
 

第2章 先行研究のレビューと分析の方向性――「させていただく」の問題系とは何か?
2.1. はじめに 


2.2. 本動詞としての授受動詞の先行研究 
 2.2.1. 授受動詞における視点の問題に関する先行研究
  2.2.1.1. 久野瞳 (1978) 『談話の文法』 大修館書店
 2.2.2. 対照方言学的視点からの授受動詞の先行研究
  2.2.2.1. 日高水穂 (2007) 『授与動詞の対照方言学的研究ひつじ書房


2.3. 現代日本語におけるベネファクティブの先行研究 
 2.3.1. 構文分析的・統語論的ベネファクティブ研究
  2.3.1.1. 益岡隆志 (2001) 「日本語における授受動詞と恩恵性」『月刊言語』 30(5), 26-32. 大修館書店
  2.3.1.2. 高見健一・加藤鉱三 (2003a) 「受益表現の新展開1:受益表現と話し手の視点」『月刊言語』 32(1), 140-145, 大修館書店
      高見健一・加藤鉱三 (2003b) 「受益表現の新展開2:『〜てやる』表現の意味の多様性と基本的意味」『月刊言語』 32(2), 95-99, 大修館書店
      高見健一・加藤鉱三 (2003c) 「受益表現の新展開3:『〜てやる』 表現の基本スキーマと意味の多様性」『月刊言語』 32(3), 104-109, 大修館書店
      高見健一・加藤鉱三 (2003d) 「受益表現の新展開4:『〜てあげる』表現の意味」『月刊言語』 32(4), 100-105, 大修館書店
      高見健一・加藤鉱三 (2003e) 「受益表現の新展開5:『〜てもらう/もらう』表現の基本的意味」 『月刊言語』 32 (5) 96-101, 大修館書店
      高見健一・加藤鉱三 (2003f) 「受益表現の新展開6:『〜てくれる』と『〜てもらう』の相違」『月刊言語』 32(6), 96-101, 大修館書店

  2.3.1.3. 由井紀久子 (1990) 「受給動詞の運用―オマエニクレテヤル・(サ)セテモラウについて―」『日本学報』 9,69-81, 大阪大学文学部日本学研究室
      由井紀久子 (1993) 「モラウの意味的抽象化・希薄化の過程 The Process of Semantic Bleaching of a Verb morau」『阪大日本語研究』 5,83-93, 大阪大学日本語学研究室
      由井紀久子 (1996) 「動詞ヤル・クレルにおける意味の抽象化過程」『日本語教育』88,25-35, 日本語教育学会


2.4. 古典日本語におけるベネファクティブの先行研究 
 2.4.1 歴史社会語用論的ベネファクティブの研究
  2.4.1.1. 宮地裕 (1965) 「『やる・くれる・もらう』を述語とする文の構造について」『國文學』63,21-33, 學燈社
      宮地裕 (1975) 「受給表現補助動詞『やる ・くれる・もらう』発達の意味について」 『鈴木知太郎博士の古稀記念国文学論攷』 803-817, 桜楓社
      宮地裕 (1981) 「敬語史論」森岡健二宮地裕・寺村秀夫・川端美明 (共編) 『講座日本語学9 敬語史』 1-25, 明治書院
  2.4.1.2. 森勇太 (2014) 「申し出表現の歴史的変遷―授受表現の運用史として―」金水敏・高田博行・椎名美智(共編) 『歴史語用論の世界―文法化・待遇表現・発話行為―』247-269, ひつじ書房
      森勇太 (2016) 『発話行為から見た日本語授受表現の歴史的研究ひつじ書房
  2.4.1.3. 古川俊雄(1995) 「授受動詞『くれる』『やる』の史的変遷」『広島大学教育学部紀要』第二部 44,193-200, 広島大学教育学部
      古川俊雄(1996a) 「通時的観点から見た現代日本語における『くれる』の特殊用法」『広島大学日本語教育学科紀要』 6,45-52, 広島大学日本語教育学科
      古川俊雄(1996b) 「日本語の授受動詞『下さる』の歴史的変遷」『広島大学教育学部紀要』 第二部 45,293-302, 広島大学教育学部
      古川俊雄(1997) 「狂言資料における授与動詞『呉れる』『やる』の変遷」『広島大学日本語教育学科紀要』7,145-152, 広島大学日本語教育学科
  2.4.1.4. 荻野千砂子 (2006) 「クダサルの人称制約の成立に関して」筑紫国語学談話会 (編) 『筑紫語学論叢 II ―日本語史と方言―』 256-273, 風間書房
      荻野千砂子(2007) 「授受動詞の視点の成立」『日本語の研究』 3 (3), 1-16, 日本語学会
      荻野千砂子(2008) 「近世前期のテヤル―現代語のベネファクティブとの比較―」『中村学園大学・中村学園大学短期大学部研究紀要』 40, 11-17, 中村学園大学
      荻野千砂子(2009) 「授受動詞イタダクの成立に関して」『東アジア日本語教育・日本文化研究学会誌』 12,83-92, 東アジア日本語教育・日本文化研究学会
  2.4.1.5. 山口響史 (2015) 「補助動詞テモラウの機能拡張」『日本語の研究』11 (4), 1-17 日本語学会
      山口響史 (2016) 「テイタダクの成立と展開」『国語国文』85(7), 34-51, 臨川書店


2.5. 現代日本語における「させていただく」の先行研究 
 2.5.1. 規範文法的「させていただく」の研究
  2.5.1.1. 文化審議会答申『敬語の指針』(2007)
  2.5.1.2. 菊地康人 (1997a) 『敬語講談社学術文庫講談社
      菊地康人 (1997b) 「変わりゆく『させていただく』」『月刊言語』26 (6), 32-47, 大修館書店
      菊地康人 (2010) 『敬語再入門講談社学術文庫 講談社
  2.5.1.3. 井口裕子 (1995) 「謙譲表現『〜(さ)せていただくについて』―結婚披露宴における使用例を中心に―」『國學院雑誌』96 (11), 54-66, 國學院大学
      東泉裕子 (2010) 「『(さ)せていただく』と『いたす』の競合」『特定領域研究「日本語コーパス」平成21年度公開ワークショップサテライトセッション予稿集』27-32, 文部科学省
  2.5.1.4. 宇都宮陽子 (2005) 「『待遇表現』としての『〜(さ)せていただく」に関する一考察」『早稲田大学日本語教育研究』6, 29-44, 早稲田大学日本語教育研究科
      宇都宮陽子 (2006) 「『〜(さ)せていただく』の『行動の許可者』に関する考察―『行動展開表現』と『理解要請表現』の観点から―」『早稲田日本語研究』 15, 35-46, 早稲田大学日本語学会


 2.5.2. 意味論的・統語論的・構文分析的「させていただく」の研究
  2.5.2.1. 山田敏弘(2004) 『日本語のベネファクティブ―「てやる」「てくれる」「てもらう」の「文法」明治書院
  2.5.2.2. 金澤裕之(2007) 「『〜てくださる』と『〜ていただく』について」『日本語の研究』 3(2), 47-53, 日本語学会
  2.5.2.3. 上原由美子(2007) 「『ていただく』の機能―尊敬語との互換性に注目して―」 Scientific Approaches to Language,6,185-207,神田外語大学
  2.5.2.4. 豊田豊子(1974)「補助動詞『やるくれる・もらう』について」『日本語学校論集』 1,77-96,東京外国語大学


 2.5.3. 社会言語学的・敬語史的「させていただく」の研究
  2.5.3.1. 井上史雄 (1999) 『敬語は怖くない―最新用例と基礎知識―講談社現代新書講談社  ※正しい書名は『敬語はこわくない』。
      井上史雄 (2017a) 『新・敬語論―なぜ「乱れる」のか―NHK出版
      井上史雄 (編) (2017b) 『敬語は変わる―大規模調査からわかる百年の動き―』大修館書店
  2.5.3.2. 山口真里子(2008) 「授受補助動詞の使用制限に与える敬語化の影響について『くださる』『いただく』をもちいた感謝表現を中心に―」『国際広報メディア・観光学ジャーナル』6,69-89,北海道大学大学院国際広報メディア観光学院


 2.5.4. 語用論的「させていただく」の研究
  2.5.4.1. 原田登美 (2006) 「利益を表す〈授受表現〉と〈敬意表現〉の関わり―特に『〜てくれる』を中心にして文法的側面と社会言語学的側面から見る―」『言語と文化』10,203-217,甲南大学
      原田登美 (2007) 「 ―「日本語会話データベース(上村コーパス)」にみる― 日本語会話における 〈授受表現〉の使用実態とポライトネス・ストラテジー」『言語と文化』NII-Electronic Library Service,117-138,甲南大学
  2.5.4.2. 米澤昌子 (2001a) 「待遇表現としての使役形を伴う授受補助詞―『〜させていただく』の用法の考察を中心に―」『同志社大学留学生別科紀要』創刊号,105-117,同志社大学
      米澤昌子 (2001b) 「待遇表現としての受給動詞―受給動詞の使用状況と話し手の心的態度の考察―」『同志社国文学』54,20-29,同志社大学国文学会
      米澤昌子 (2012) 「授受動詞の用法の一考察―シナリオにおける用例の分析―」『日本語・日本文化研究』10,1-20,同志社大学
      米澤昌子 (2013) 「聞き手を意識した『ていただく』の使用―TVのトーク番組における用例の分析―」『同志社大学日本語・日本文化研究』 11,23-37,同志社大学日本語・日本文化教育センター
      米澤昌子 (2014) 「行為の非当事者による『てもらう』の用法について―新聞における用例からの一考察―」『日本語・日本文化研究』 12,53-66,國學院大学
  2.5.4.3. 茜八重子 (2002) 「『〜(さ)せていただく』について」『講座日本語教育』 38,28-52,早稲田大学日本語研究教育センター
      茜八重子 (2003) 「『許可求め表現』と『宣言表現』について」『別科日本語教育』 5,41-54,大東文化大学
  2.5.4.4. 熊田道子(2000) 「待遇意識からみた『〜てくれる』系表現と『〜もらう』系表現」『早稲田大学大学院 文学研究科紀要』 46(3),63-72,早稲田大学大学院文学研究科
      熊田道子 (2001) 「待遇意識からみた『〜てくれる』系表現と『〜もらう』系表現恩恵の与え手が恩恵行動を行うことに対する配慮意識を中心に―」『国語学研究』25,15-28,早稲田大学大学院文学研究科
  2.5.4.5. 伊藤博美 (2010) 「授受構文における受益と恩恵および丁寧さ―『てくれる』と『てもらう』文を中心として―」『日本語学論集』6, 151-132, 東京大学大学院人文社会研究系研究科国語研究室
      伊藤博美 (2011) 「『(さ)せていただく』表現における自然度と判断要因」『日本語学論集』7,152-140,東京大学大学院人文社会研究系研究科国語研究室
  2.5.4.6. 李譞珍 (2015) 「謙譲表現『させていただく』の拡大的な用法について―日本人母語話者の意識調査から―」『言語の研究』1,15-30,日本言語学会  ※ 『言語の研究』誌の刊行元は「首都大学東京言語研究会」。2020年より学会名称は「東京都立大学言語研究会」に変更された。似たタイトルの『言語研究』誌の刊行元であれば「日本言語学会」。
      李譞珍 (2018) 「謙譲表現『させていただく』の拡大用法に関する研究―「国会会議録検索システム」を主な資料として―」,ベネファクティブとボライトネス研究集,2018年3月3日,法政大学
  2.5.4.7. 塩田雄大(2016) 「“させていただきます” について書かせていただきます―2015年『日本語のゆれに関する調査』から②―」 『放送研究と調査』September 2016,26-41,NHK放送文化研究所
      塩田雄大・山下洋子 (2013) 「“卵焼き”より“玉子焼き”―日本語のゆれに関する調査(2013年3月から①)―」『放送研究と調査』 63 (9),September 2013,40-59,NHK放送文化研究所
      滝島雅子・山下洋子 (2017) 「報告させていただいてもよろしいですか?―2016年「日本語のゆれにかんする調査」から①―」『放送研究と調査』 July 2017,86-105,NHK放送文化研究所
 2.5.5. ポライトネス理論的「させていただく」の研究
  2.5.5.1. 橋元良明 (2001) 「授受表現の語用論」『月刊言語』30(5),46-51,大修館書店
  2.5.5.2. 滝浦真人 (2008a) 『ポライトネス入門』研究社
      滝浦真人 (2016)「社会語用論」加藤重広滝浦真人(共編) 『語用論研究法ガイドブック』77-103,ひつじ書房
      滝浦真人 (編) (2018a)『新しい言語学―心理と社会から見る人間の学―放送大学教育振興会
      滝浦真人(2018b) 「ベネファクティブの誕生と敬意逓減のストーリーと『させていただく』」ベネファクティブとボライトネス研究集会,2018年3月3日,法政大学


2.6. 先行研究のまとめ 

2.7. 「させていただく」という問題系とは何か?―― 3つのリサーチ・クエスチョン