著者:今井 道夫[いまい・みちお](1944-) 哲学、倫理学。
シリーズ:哲学教科書シリーズ
【目次】
まえがき [001-002]
目次 [003-006]
第1章 生命倫理学とは何か 001
1 生命倫理学の成立 001
医の倫理/バイオエシックス
2 倫理学という学問について 005
功利主義と義務論/原理とその実践
3 生命倫理学の位置づけ 009
理性的存在/生命倫理学の諸原理/生命倫理学の範囲
第2章 健康・病気・医療 015
1 健康と病気 015
健康の概念/病気の概念
2 予防と診断 019
予防/診断
3 治療 024
治療の目的と方法/対処療法と原因療法
第3章 生殖技術 029
1 生殖技術の発展・拡大 029
AIHとAID/体外受精/その後の展開
2 倫理問題への対応 033
「ウォーノック報告」/生殖技術と法的措置/クローン技術
3 日本の状況 037
日本産婦人科学会の「会合」/「会合」の問題点
第4章 移植医療 043
1 脳死 043
死と脳死/脳死の判定/脳死と植物状態
2 臓器移植 048
様々な臓器移植/脳死からの臓器移植
3 移植医療の問題点 052
「臓器の移植に関する法律」/臓器移植をめぐる諸問題/臓器移植法施行後の状況/臓器移植法の改正
第5章 科学的医学の論理と倫理 059
1 科学的医学の成立とその論理 059
西洋の医学/科学的医学の成立/科学的医学の論理
2 人体実験 064
治療的実験/治療と関係のない実験/動物実験
3 「ヘルシンキ宣言」 069
ナチスの人体実験から「ヘルシンキ宣言」へ/「ヘルシンキ宣言」の内容と性格
第6章 人工妊娠中絶 075
1 人工妊娠中絶 075
日本の状況/出生前診断
2 アメリカの中絶問題 079
ロウ対ウェイド裁判/中絶問題の現状
3 胚・胎児・新生児の資格 082
胎児の資格/胚の資格/新生児の資格
第7章 安楽死 089
1 安楽死と安楽死裁判 089
治療行為の中止/安楽死/横浜地方裁判所判決
2 アメリカの安楽死裁判 094
安楽死/植物状態患者の安楽死――クインランとクルーザン/安楽死容認の動き
3 もうひとつの安楽死 098
対応能力が欠けている患者の安楽死/安楽死問題の現段階
第8章 人間とは何か 103
1 世界の中の人間 103
人間の位置/意識の働き/人間中心主義の問題点
2 パーソン論 107
トゥーリーのパーソン論/エンゲルハートのパーソン論
3 パーソン論と動物の地位 111
パーソン論の射程/シンガーの動物の権利論
第9章 ターミナルケア 117
1 ガンの治療 117
不治の病/ガンの治療とその限界
2 ターミナルケア 121
死について/キューブラー=ロスのターミナルケア論/その他のターミナルケアへの取り組み
3 緩和医療 125
緩和医療の流れ/緩和医療の定着
第10章 遺伝子技術 131
1 遺伝子技術と医療 131
ゲノム解析/ADA欠損症の遺伝子治療
2 遺伝子診断 135
発症前診断・保因者診断/出生前診断
3 優生学的問題 139
優生学/「優生保護法」と消極的優生学/積極的優生学
第11章 インフォームド・コンセント 145
1 インフォームド・コンセントの理念 145
インフォームド・コンセントの確立/パターナリズム批判(ヴィーチ・モデル)
2 患者‐医療者関係 149
「患者の権利章典」/チーム医療
3 インフォームド・コンセントの問題点 153
実施上の問題/「説明と同意」か「理解と選択」か
第12章 今後の医療と生命倫理学 159
1 医学・医療批判 159
イリッチの医学・医療批判/ルソーの文明論/イリッチの批判の受け止め
2 医療・福祉政策 163
医療の経済/保険制度/高齢者の福祉
3 生命倫理学と環境問題 168
環境問題の多様性/環境倫理学の原理/生命倫理学と倫理的基礎
問題を考えるための手がかり [173-182]
参考文献 [183-193]
あとがき(平成十一年二月 今井道夫) [195-198]
第2版あとがき(平成十七年一月 今井道夫) [199]
第3版あとがき(平成二十二年十一月 今井道夫) [200]
事項索引 [201-202]
人名索引 [203-204]