編者:井村裕夫[いむら・ひろお](1931-) 内分泌代謝病学、糖尿病学。元・京大総長。
【目次】
はじめに(二〇一五年一月 井村裕夫) [i-iv]
目次 [v-vii]
I 医学の最前線 001
再生医療と創薬[山中伸弥] 003
iPS細胞による医療 移植の可能性 加齢黄版変性 iPS細胞を作る 研究所の目標 薬の開発
21世紀のがん医療[間野博行] 021
ねらいを定めた分子標的薬 ALK阻害薬 劇的な効果 臨床試験が変わる がんが治るということ 医者から始めて
革新的ロボット治療を創る[山海嘉之] 039
革新的ロボット治療 HALによる機能改善治療への挑戦 サイバーダイン社の設立 脳・神経系失陥への適用例 サイバニクスから生まれる革新的デバイス/サービス 先端技術創出の新たな流れ 家庭に溶け込むサイバニクス
脳の発達と幼児教育[小泉英明] 067
脳を測る 脳の働きと領域 脳の構造 文字は早く教えない 視覚 幼児の教育 自然で育つのがいい
先制医療[井村裕夫] 091
増えている慢性疾患(NCD) 予防 先制医療の現状 胎生期の問題 ライフコース・ヘルスケア より能動的な医療を 注
トランスレーション医学とは何か[成宮 周] 111
医学の現状 薬というもの――その歴史と現状 製薬会社の課題とオープンイノベーション トランスレーション医学――創薬で大学の果たす役割
II 医療の現場から――きずなの構築のために 139
医療と情報技術[吉原博幸] 141
インターネット黎明期と医療 電子カルテ 医療情報の共通規格 実際に動きだす 日本でのむずかしさ 医療情報の二次利用 EHR 今後の課題 IT化がもたらす未来
チーム医療における、看護師の新しい役割[日野原 重明] 161
チーム医療 看護の主体は看護師 看護師から教わったこと 患者さんもチームの一員 聖路加をモデルにしようと思った
ホスピス・緩和ケア――ビハーラ病棟から[大嶋健三郎] 173
死に逝く人に何ができるか 最後の野球 宗教者が寄り添うこと こころを開く 今を作る なぜ医者に
被災地に学ぶ[川島 実] 195
なぜ被災地に 本吉病院の復興 本吉の在宅診療 教育の場としての本吉病院 緩やかな循環 田舎で働くということ 注
胃ろう問題と死生学[会田薫子] 215
死生学の問いへの発展 胃ろう栄養法の汎用の背景 胃ろう栄養法の医学的適応 認知症の摂食嚥下困難の場合に、まず考えるべきこと アルツハイマー病の場合 脳血管障害の場合 遷延性意識障害の場合の考え方 生物学的生命よりも人生の物語りを大切に コミュニケーションの重要性 臨床倫理と法
【メモランダム】
『医の現在』(高久史麿[編] 岩波新書 1999)
『医の未来』(矢崎義雄[編] 岩波新書 2011)
『医と人間』(井村裕夫[編] 岩波新書 2015)
『医の希望』(齋藤英彦[編] 岩波新書 2019)