著者:福井 健策[ふくい・けんさく] (1965-) 弁護士。著作権法、芸術文化法。
・2020年に改訂版が刊行。
改訂版 著作権とは何か 文化と創造のゆくえ – 集英社新書
【目次】
目次 [003-007]
献辞 [008]
はじめに 著作権とは何か 009
第一章 それは「著作物」ですか 019
1 法律の条文を読んでみる 020
著作物の定義
著作物の例として挙げられるもの
2 創作性その他の条件 026
「創作性」――どの程度のオリジナリティが必要か
事実やデータは著作物か
アイディアは著作物か
アイディアと表現の一致
バスティーシュ(作風の模倣)
キャラクターは著作物か
「もの」――即興演奏や即興の語りは著作物か
第二章 著作者にはどんな権利が与えられるか 053
1 著作権は権利の束 054
2 権利保護の条件 064
「マーク」は必要か
登録は必要か
3 「著作者」と「著作権者」 066
4 著作者人格権とは 070
第三章 模倣とオリジナルの境界 077
1 盗作か否か裁判で争われたケース 078
スイカ写真事件
『どこまでも行こう』事件
ジョージ・ハリスン事件
2 「ウエスト・サイド物語」はシェイクスピアの盗作か 094
『ロミオとジュリエット』との類似点
みずからも剽窃者と呼ばれたシェイクスピア
3 ディズニー『ライオン・キング」をめぐる論争から 100
指摘された『ジャングル大帝』との類似点
問題となった両作品の類似点
ディズニー側の反論
『ジャングルの王』
4 さて、正解は?――「著作権の存在理由」 111
文化振興法としての著作権法
壮大な社会実験
第四章 既存作品を自由に利用できる場合 119
1 さまざまな制限規定 120
2 私的使用のための複製 124
「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」
第一の波――ビデオカセット、コピー機の普及
第二の波――ディジタル録音・録画機器の登場
第三の波――ネットワーク化
ナッブスターの衝撃
ナップスター後の世界
3 パロディとアプロプリエーションの地平を探る 140
既存の作品の再解釈・再構成を伴う「借用」
パロディと単なる造作の違い
パロディモンタージュ写真事件
『チーズはどこへ消えた?」事件
パロディの抗弁、フェアユースの抗弁とは
ロジャース対クーンズ事件
著作権は芸術の限界を規定できるか
『ブリティ・ウーマン』事件
4 引用 176
現行法の条文と最高裁「モンタージュ写真」基準
『脱ゴーマニズム宣言』事件
第五章 その権利、切れていませんか? 183
1 著作権の保護期間 184
2 国際的な保護 187
第六章 「反著作権」と表現の未来 193
1 アメリカ「ソニー・ボノ法」違憲訴訟 194
2 「反著作権」や「フェアユースの拡大」 199
3 再び『ロミオとジュリエット』をめぐって 203
あとがき(二〇〇五年三月 ようやく春めいた日に 福井健策) [208-211]
主要参考文献 [212-214]
索引 [216-221]