原題:Imperial Japan at its zenith: the wartime celebration of the empire’s 2,600th anniversary, London, Cornell University Press, 2010
著者:Kenneth James Ruoff(1966-)
訳者:木村 剛久(1948-)
解説:原 武史(1962-)
シリーズ:朝日選書;872
NDC:210.7 日本史
【目次】
巻頭写真・図〔1〜22〕
目次 [iii-vii]
凡例 [viii]
日本の読者に向けて(二〇一〇年十一月 ケネス・J・ルオフ) [ix-xiii]
謝辞(ケネス・J・ルオフ) [005-011]
序章 013
本書の構成
皇室関連史跡に観光客が圧倒
植民地観光の促進海外日本人社会の経験
文書と映像による記録
近代日本の天皇崇拝
一九四〇年の日本をどうみるか
西洋世界秩序への挑戦
モダニティとは何か
第1章 国史ブーム 055
紀元二千六百年のタイムカプセル
少国民の誕生
教育関係の商業出版物
絵本で皇国史
聖地をめぐる争い
認定された二一の神武天皇聖蹟
学者と国史出版ブーム
三冊の人気国史
もちこまれた「混合民族論」
国史の操作
第2章 大衆参加と大衆消費 099
国民的結束の強化
定時の大衆儀礼
溥儀の訪日
勤労奉仕
天皇崇拝を補強
寄付と寄進
懸賞募集
新聞と記念行事
百貨店の催事
忠順な消費と反動的モダニズム
第3章 聖蹟観光 137
役所が観光に力
観光と紀元二千六百年
肇国の聖地、宮崎
神武天皇船出の地
作家も観光に一役
ガイドブックなどで大宣伝
国史の故郷、奈良
つくられた聖蹟
記念品に人気
聖蹟観光とは何だったのか
第4章 朝鮮観光 171
同化と差異のジレンマ
絵葉書が物語ること
交通手段の広がり
京城のバス観光
観光客の別の楽しみ
本物の朝鮮とは
植民地時代の朝鮮観光をどう理解するか
第5章 満洲聖地観光 205
皇軍慰問
正当化される日本の特殊権益
日本の勝利を強調
スペインの戦跡ツアー
特急「あじあ」で途中下車
新京のバス観光
満洲ならではの場所
帝国観光と近代日本
第6章 海外日本人と祖国――海外同胞大会 231
帝国外に二五〇万人
日本人移民の背景
ブラジルから満州へ
海外同胞大会の参加者
モデルとしての神武天皇
厳かな開会式
血統か文化か
二世の問題
アルゼンチンでの暮らし
日本魂を吹き込む
海外日本人にとっての紀元二千六百年
国をまたがる難しい状況
民族の壁と戸籍制度
破綻した間国民性
結び 281
米国の日系人問題
帝国日本の両義性
ゴム人形から国民へ
何をもって「建国」を祝うのか
解説 昭和史の見直しを迫る(明治学院大学教授 原武史) [297-303]
丸山眞男説への懐疑
「動かない」天皇と「動く」国民
宮脇俊三の視点
注 [1-49]
索引 [I-VIII]