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『正義論の名著』(中山元 ちくま新書 2011)

著者:中山 元[なかやま・げん] (1949-) 西洋の哲学。翻訳。


筑摩書房 正義論の名著 / 中山 元 著


【目次】
目次 [003-006]
はじめに [007-011]


第一章 公共善と正義 013


ホメロスオデュッセイアー』――ゼウスの正義 014
  歓待/復讐の正義


プラトン 『国家』――正義は、国家や人間における調和である 018
  正義は強者の利益/正義と国家/国家の三つの階級/魂における正義/正義とは/不正な人の魂の状態/不正という災厄


アリストテレス 『ニコマコス倫理学』――正義とは公的な善の実現である 028
  正義とアレテー/正義の政治学/普遍的な正義/特殊的な正義/幾何学的な正義/矯正的な正義/正義としての貨幣


キケロ 『義務について』――徳の女王としての正義 039
  ギリシアの正義論の限界/キケロの普遍的な正義論/他国への正義/奴隷、女性、未成年への正義/公共善としての正義/徳の女王としての正義


アウグスティヌス神の国』――「遍歴の旅」の途上の正義 046
  神の国と地の国/最高善/ローマの正義の批判/地の国の正義/遍歴の旅の途上の正義


トマス・アクイナス 『神学大全』――天上の浄福を準備するのが支配者の正義 052
  トマスの正義論の目的/法と正義/正義の種類/体制論/世俗の支配者と魂の支配者


マキアヴェッリ君主論』――自由な共和国における正義 061
  正義と公共善の絆/マキアヴェッリの大衆観/マキアヴェッリの君主観/マキアヴェッリの願い/君主と民衆/公的な徳


第二章 社会契約論と正義 071


ホッブズリヴァイアサン』――国家が正義を執行する 073
  ホッブズの人間観/自然状態における平等/自然権自然法/社会契約/正義の自然法/国家と正義/正義の回復の道


スピノザ 『エチカ』――民主的な国家のうちで最高の自由と正義が実現する 084
  スピノザの人間観/国家の成立/自然権の保持/正義/最高権力と正義/最善の国家/国家体制と正義


ロック 『市民政府論』――不法に抵抗するのは正義である 095
  ロックの自然状態/社会状態と所有権/所有権の基盤としての労働/歯止めの解消/貨幣/不平等な私有財産の承認/二重の不正/政府状態の設立/国家の形態


ルソー 『社会契約論』――社会契約が正義を実現する 110
  野生人と正義/社会状態と正義/正義の発達の三段階/革命の必要性/社会契約の課題/政治体の成立/国家法と正義/社会契約と正義


カント 『人倫の形而上学』――永遠平和のうちで地球的な正義を 124
  社会の成立/正義の社会/公民的な状態へ/法と正義/国家における正義と革命/国家体制論/世界公民状態へ


第三章 市民社会論 137


ヒューム 『人性論』――人間はその本性からして社会を作り、正義を実現する 139
  社会の形成と効用/人間の反社会的な要素/三つの財産/正義の実現/正義の起源/情念論/穏やかな情念/道徳と正義


アダム・スミス道徳感情論』――人間には正義を望む道徳的な感情がある 150
  共感の概念/正義を守る法/中立な観察者/「内部の人」/社会の形成/見えざる手/経済学と正義


ベンサム 『道徳および立法の諸原理序説』――最大多数の最大幸福 164
  最大多数の最大幸福/サンクション/立法者の視点/快楽計算


ヘーゲル 『法の哲学』――正義を欠いた幸福は善ではない 173
  人格と正義/不正と正義/道徳と正義/幸福と正義/市民社会と国家


第四章 現代の正義論 181


マルクスドイツ・イデオロギー』――イデオロギーとしての正義 183
  イデオロギーとは/搾取の不正義/分配的な正義/正義の社会


ニーチェ道徳の系譜学』――約束する人間の正義とルサンチマンの正義 189
  「約束する人間」の誕生/正義の弁証法――共同体の正義/正義の弁証法――矯正の正義/正義の弁証法――正義の止揚としての赦し/反動的な人間/ルサンチマンの正義/キリスト教の役割


ベンヤミン 「暴力批判論」――未曾有の正義 199
  暴力と正義/二種類の暴力/警察/神話的な暴力と神的な暴力


ハイエク 『法と立法と自由 二 社会正義の幻想』――配分的な正義は不正 205
  開かれた社会/正義に適うルール/社会正義の不正/正義論批判


ロールズ 『正義論』――公正としての正義 212
  『正義論』の目的/社会契約の前提/原初的な状態と正義の状況/無知のヴェール/ロールズの原理/ロールズの正義


ノージックアナーキー・国家・ユートピア』――正義の国家は最小国家 223
  相互保護協会/超最小国家の誕生/最小国家の誕生/ロールズ批判/最小国家の魅力


マイケル・ウォルツァー 『正義の領分』――財が異なると、正義も異なる 231
  正義の内実/財の多元性/複合的な平等/財の領域


マイケル・サンデル 『これからの「正義」の話をしよう』――善は正義よりも優先される 238
  付加なき自我の批判/正義と善/道徳的な責任の三つのカテゴリー/目的論


ハーバーマス 『討論倫理』――討議において正義と連帯が実現する 244
  ロールズの正義論の評価/三つの欠陥/討議的な倫理/討議と正義


ホネット 『正義の他者』――不正から正義を考えよう 250
  不正からみる正義/愛の圏域――個人としての承認/法の圏域――人格としての承認/連帯の圏域――共同体に参画する人格としての承認/三つの圏域の正義の衝突


レヴィナス 『全体性と無限』――他者との語り合いが正義である 256
  イリヤ/存在の不快/他者と時間/責任/正義/貨幣


デリダ 『法の力』――正義とはアポリアである 263
  法と脱構築/法の脱構築/正義と脱構築/第一のアポリア――規則の適用/第二のアポリア――決断不可能性/第三のアポリア――切迫性/贈与のアポリア