著者:三中 信宏[みなか・のぶひろ](1958-)
NDC:116.5 論理学.弁証法.方法論 >> 科学方法論
NDC:401 科学理論.科学哲学
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件名:学術
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『系統樹思考の世界』(三中 信宏):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [009-003]
プロローグ 祖先からのイコン――躍動する「生命の樹」 011
第1節 あれは偶然のことだったのか…… 013
第2節 進化的思考――生物を遍く照らす光として 015
第3節 系統樹的思考――「樹」は知の世界をまたぐ 019
第4節 メビウスの輪――さて,これから彷徨いましょうか…… 028
第1章 「歴史」としての系統樹――科学の対象としての歴史の復権 033
第1節 歴史はしょせん闇の中なのか? 035
多様性をいかに体系化するか
典型的な自然科学の五基準
歴史は科学ではない?
科学の基準そのものを変える
歴史を論じる科学は可能か?
第2節 科学と科学哲学を隔てる壁,科学と科学を隔てる壁 048
「科学の基準」は一枚岩ではない
「学問分類」と「学問系譜」とは異なる
ローカルな科学哲学を求めて
第3節 アブダクション:真実なき探索――歪んだガラスを覗きこむ 055
仮説の「真偽」は必ずしも判定できない
推論様式としての「演繹」と「帰納」
データに照らして仮説を選ぶ
第三の推論様式−アブダクション
第4節 タイプとトークン――歴史の「物語」もまた経験的にテストされる 066
ダーウィンはどんな本を読んでいたか
「物語」としての説明
歴史はレトリックにすぎない?
タイプとトークン
天体物理学にも物語的説明はある
あれも科学,これも科学……
第2章 「言葉」としての系統樹――もの言うグラフ,唄うネットワーク 083
第1節 学問を分類する――図像学から見るルルスからデカルトまで 085
絶対的な学問分類はない
図形言語としての「鎖」と「樹」
げにおそるべきは分類なり
第2節 「古因学」――過去のできごととその因果を探る学 095
“歴史”研究の共通の方法論
ヒューウェルの「古因学」
第3節 体系学的比較法:その地下水脈の再発見――写本,言語,生物,遺物,民俗…… 104
歴史推定のための「比較法」
比較文献学から比較言語学へ
時間的変化と空間的変化
第4節 「系統樹革命」――群思考と樹思考,類型思考と集団思考 113
現代生物学がもたらした“思考法の変革”
ブンゾウ・ハヤタの動的分類学
生きている科学理論とその系譜
系統樹思考と分類思考
系統樹革命のルーツ
社会生物学論争における科学観の対立
インテルメッツォ 系統樹をめぐるエピソード二題 131
第1節 高校生が描いた系統樹――あるサイエンス・スクールでの体験 133
系統推定論への参道
系統樹を描く高校生
素朴な系統樹イメージ
第2節 系統樹をとりまく科学の状況――科学者は「真空」では生きられない 143
科学とは科学者がしていることである
生物体系学の三学派
「舞台上」で−スポットライトを浴びるマイアー,ヘニック,ソーカル
「舞台裏」で−重なるレイヤー,絡まるネットワーク
マイアーのもくろみ
実はすれちがっていただけ?
第3章 「推論」としての系統樹――推定・比較・検証 161
第1節 ベストの系統樹を推定する――樹形・祖先・類似性 163
ベストの系統樹をどう見つけるか
系統推定の手順
第2節 グラフとしての系統樹――点・辺・根 168
無根系統樹と有根系統樹
祖先子孫関係は原理的に不可知である
データ=ある形質の形質状態
第3節 アブダクション,再び――役に立つ論証ツールとして 176
AI研究がアブダクションを磨いた
はてしない推論の連鎖
第4節 シンプル・イズ・ベスト――「単純性」の美徳と悪徳 181
目指すは“最良”の説明
伝言ゲームでまちがって伝えたのは誰?
写本系図のつくり方
人間の基本的な思考形態に文理の区別なし
第5節 なぜその系統樹を選ぶのか――真実なき世界での科学的推論とは? 189
可能な系統樹の集合
最適化基準のもとでベストを決める
乗り越えられない計算上の「壁」
しらみつぶしは無理
発見的探索
「系統樹の科学」に求められること
第4章 系統樹の根は広がり続ける 209
第1節 ある系統樹的転回――私的回顧 211
“本を学ぶ”,“本で学ぶ”
読む以前に門前払い,そして……
第2節 図形言語としての系統図 217
ガレス・ネルソンのもたらしたもの
系統樹の数学
第3節 系統発生のモデル化に向けて 222
ウェットな系統樹からドライな系統樹へ
モデルとしての系統樹
系統推定のゆくえ
第4節 高次系統樹――ジャングル・ネットワーク・スーパーツリー 232
ツリーは表現力に乏しい!
ツリーか,ネットワークか
ネットワーク推定の難しさ
共進化の問題を系統ジャングルで解く
系統スーパーツリーへ,さらにその先へ
エピローグ 万物は系統のもとに――クオ・ヴァディス? 251
第1節 系統樹の木の下で――消えるものと残るもの 253
第2節 形而上学アゲイン――「種」論争の教訓,そして内面的葛藤 257
第3節 系統樹リテラシーと「壁」の崩壊 261
第4節 大団円――おあとがよろしいようで…… 263
あとがき(二〇〇六年六月 〈トゥーランドット〉九月公演に向けて譜読みをする水無月 三中信宏) [267-271]
さらに知りたい人のための極私的文献リスト [291-273]
索引 [295-293]