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『人間進化の科学哲学――行動・心・文化』(中尾央 名古屋大学出版会 2015)

著者:中尾 央[なかお・ひさし](1982-) 自然哲学、人間進化学。
NDC:140 心理学
件名:進化心理学
件名:行動心理学
件名:文化人類学

 

人間進化の科学哲学 « 名古屋大学出版会

人間進化の科学哲学―行動・心・文化―

人間進化の科学哲学―行動・心・文化―

 

 

ダーウィン種の起原』刊行から150年以上が過ぎた。だが、人間の心や文化を進化の枠組みで考えることは、いまだ容易ではない。人間の行動進化をめぐる諸科学のプログラムを横断的に検討することを通して、「人間とは何か」という問いに新たにアプローチ。




【目次】
目次 [i-iv]
はじめに [001-008]

  第I部 人間行動進化学の研究プログラム 009

 

第1章 進化心理学 010
1 進化心理学の歴史的経緯 010
2 進化心理学の基本構造とそれへの批判 014
3 進化心理学批判への応答 023
  3.1 第一の批判:変動する環境 024
  3.2 第三の批判:過去から現在を推測すること 026
  3.3 第二の批判:心はモジュールの集合体か 030
  3.4 まとめ 033
4 結語 033

 

第2章 人間行動生態学 035
1 人間行動生態学の歴史的経緯 036
  1.1 人間社会生物学の研究プログラム 036
  1.2 人間社会生物学への批判 042
2 現在の人間行動生態学 044
  2.1 表現型戦略に基づく第一の批判への応答 044
  2.2 人間行動生態学における表現型戦略は成功しているか 045
  2.3 最適化モデル使用の擁護 048
3 進化人類学としての人間行動生態学 055
4 結語 056

 

第3章 遺伝子と文化の二重継承説 058
1 二重継承説の基礎 058
2 二重継承説の検討(1):模倣バイアスの進化 070
3 二重継承説の検討(2):信頼性判断研究による拡張 073
4 結語 077

 

  第II部 文化進化研究へのアプローチ 081

 

第4章 文化進化のプロセス研究 082
1 いくつかの準備 082
  1.1 文化進化研究とは何か 083
  1.2 文化進化研究 086
    1.2.1 社会進化論的な研究と文化進化研究 
    1.2.2 文化進化研究は他分野を生物学に統合するのか? 
2 文化進化のプロセス研究 091
  2.1 文化の疫学モデルと文化の適応度 092
  2.2 言語進化と文化進化研究 099
  2.3 人間行動生態学と文化進化研究 103
  2.4 まとめ 105
3 文化進化プロセス研究の今後:文化進化のプロセスに影響を与えるその他の要因 106
4 結語 110

 

第5章 文化進化のパターン研究 111
1 系統学の基礎 112
2 文化系統学の歴史的経緯 115
  2.1 1990年代:文化系統学の黎明期 117
  2.2 2000年代半ばまで:文化系統学という研究プログラムの興隆 120
  2.3 2000年代半ば以降:パターンとプロセスの結びつき 123
4 方法論的問題 125
5 結語 129

 

  第III部 人間行動進化の実例を検討する 131

 

第6章 罰の進化 132
1 概念の整理 133
  1.1 罰の行動的特徴付け 134
  1.2 さまざまな罰の形 138
2 罰の進化に関する二つの仮説 139
  2.1 行動修正戦略としての罰 140
  2.2 行動修正なしの罰 142
  2.3 行動修正かせの直観的妥当性 146
3 植物や昆虫における罰 147
  3.1 植物や昆虫でも一般的な罰 147
  3.2 罰と罰への反応 151
4 脊椎動物における罰 152
  4.1 魚類における罰 153
  4.2 人間以外の哺乳類における罰 154
  4.3 行動修正なしの罰 157
  4.4 まとめ 158
5 人間の系統における罰 158
  5.1 隠された罰 159
  5.2 村八分オストラシズム) 162
  5.3 罰の背後にある心理メカニズム 163
  5.4 罰と協力の関係 166
  5.5 まとめ 173
6 反論への応答 173
7 結語 175

 

第7章 教育の進化 177
1 ヒト以外の動物における教育の進化 178
  1.1 ヒト以外の動物における教育行動 178
  1.2 ヒトとヒト以外の動物における教育行動の比較 180
2 ナチュラル・ペダゴジー説 183
  2.1 発達心理学からの証拠 183
  2.2 ナチュラル・ペダゴジーの進化 186
3 ナチュラル・ペダゴジー説への反論(1):矛盾する証拠 189
4 ナチュラル・ペダゴジー説への反論(2):経験的証拠への批判 194
  4.1 過剰模倣 194
  4.2 明示的シグナルの機能 198
5 結語 203

 

おわりに [205-208]
参考文献 [209-235]
あとがき(2014年12月 著者) [237-240]
図表一覧 [241]
索引 [242-244]