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『フェミニズムの名著50』(金井淑子,江原由美子[編] 平凡社 2002)

編者:金井 淑子[かない・よしこ](1944-) ドイツ哲学・倫理学フェミニズムジェンダー研究。
編者:江原 由美子[えはら・ゆみこ](1952-) 社会学フェミニズム研究。
装幀:高麗 隆彦[こま・たかひこ] (1947-) 装幀家、エディトリアルデザイナー。
件名:女性問題--書目--解題
NDLC:E1 社会・労働 >> 書誌
NDLC:EF71 社会・労働 >> 社会問題 >> 女性問題・家庭問題
NDC:367.1 男性・女性問題 >> 女性.女性論
NDC:367.2 男性・女性問題 >> 女性史・事情


フェミニズムの名著50 - 平凡社


【簡易目次】
  第一波フェミニズム 009
M・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』[岩瀬 民可子] 012
J・S・ミル『女性の解放』[岩瀬 民可子] 021
A・ベーベル『婦人論』[伊田 久美子] 030
F・エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』[古田 睦美] 039
V・ウルフ『自分だけの部屋』[片山 亜紀] 048

  第二波フェミニズム 057
S・de・ボーヴォワール第二の性』[金井 淑子] 060
M・ミード『男性と女性』[網野 房子] 070
B・フリーダン『新しい女性の創造』[矢木 公子] 081
K・ミレット『性の政治学』[藤枝 澪子] 092
S・ファイアストーン『性の弁証法』[林 弘子] 101
S・ローバトム『女の意識・男の世界』[三宅 義子] 110
M・ダラ・コスタ『家事労働に賃金を』[伊田 久美子] 120
A・オークレー『家事の社会学』[山田 昌弘] 128
J・ミッチェル『精神分析と女の解放』[平川 和子] 136
H・シクスー『メデューサの笑い』[松本 伊瑳子] 145
D・ディナースタイン『性幻想と不安』[河野 貴代美] 155
A・リッチ『女から生まれる』[高橋 茅香子] 164
N・E=サァダーウィー『イヴの隠れた顔』[岡 真理] 173
L・イリガライ『ひとつではない女の性』[中嶋 公子] 183
E・ショウォールター『女性自身の文学』[上野 直子] 193
N・チョドロウ『母親業の再生産』[山田 昌弘] 204
M・デイリー『女性・エコロジー』[奥田 暁子] 213
L・E・ウォーカー『バタードウーマン』 [池橋 みどり] 222
M・バレット『今日の女性抑圧』[細谷 実] 232
E・バダンテール『母性という神話』[杉藤 雅子] 241
D・スペンダー『ことばは男が支配する』[中村 桃子] 250
J・クリステヴァ『恐怖の権力』[西川 直子] 260
b・フックス『私は女ではないのか』[萩原 弘子] 273
C・ギリガン『もうひとつの声』[川本 隆史] 282
Ch・デルフィ『なにが女性の主要な敵なのか』[井上 たか子] 294
A・ドウォーキン『インターコース』[寺沢 みづほ] 303
R・W・コンネル『ジェンダーと権力』[北仲 千里] 313
L・フェダマン『レスビアンの歴史』[富岡 明美] 322

  現代フェミニズム 333
E・K・セジウィック『男同士の絆』[外岡 尚美] 336
G・C・スピヴァク『文化としての他者』[後藤 浩子] 346
C・A・マッキノン『フェミニズム表現の自由』 [森田 成也] 356
J・W・スコット『ジェンダー歴史学』[荻野 美穂] 367
M・ミース、V・ベンホルト=トムゼン、C・v・ヴェールホフ『世界システムと女性』[古田 睦美] 376
T・T・ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』[河原崎 やす子] 385
J・バトラー『ジェンダー・トラブル』[竹村 和子] 394
D・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』[小谷 真理] 404
C・マーチャント『ラディカルエコロジー』[萩原 なつ]  414
M・ミース、V・シヴァ『エコフェミニズム』 [萩原 なつ子] 424
T・デ・ラウレティス『愛の実践』[竹村 和子] 433

  日本のフェミニズム 443
平塚らいてう  [岩淵 宏子] 446
与謝野晶子  [渡辺 澄子] 458
高群逸枝招婿婚の研究』 [服藤 早苗]  467
山川菊栄   [鈴木 裕子] 477
田中美津『いのちの女たちへ』 [江原 由美子] 492
日本の一九七〇年代-九〇年代フェミニズム [加野 彩子] 501



【目次】
編者まえがき(江原由美子) [003-004]
目次 [005-008]


第一波フェミニズム 009

M・ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』[岩瀬 民可子] 012
  『女性の権利の擁護』における女性解放思想
  『女性の権利の擁護』に対する評価
  『女性の権利の擁護』のフェミニズム思想としての可能性


J・S・ミル『女性の解放』[岩瀬 民可子] 021
  『女性の解放』における女性解放論
  『女性の解放』に対する評価と今日的意義


A・ベーベル『婦人論』[伊田 久美子] 030
  歴史的発展過程の産物としての女性の地位
  近代産業社会における女性の地位
  社会主義社会の展望:「未来は……労働者と婦人のものである」


F・エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』[古田 睦美] 039
  本書の位置づけと出版の経緯
  家族の歴史
  婚姻と家族の発達
  女性の世界史的敗北
  資本主義と個別家族
  フェミニズム理論への影響――家父長制と資本主義


V・ウルフ『自分だけの部屋』[片山 亜紀] 048
  お金と自分だけの部屋
  魔法の鏡
  女性の伝統
  レズビアン文学
  両性具有
  時代背景


第二波フェミニズム 057

S・de・ボーヴォワール第二の性』[金井 淑子] 060
  戦後女性論のバイブルとして
  邦訳『決定版 第二の性』の刊行
  『第二の性』と女性学・ジェンダー
  J・バトラー『ジェンダー・トラブル』の位置から


M・ミード『男性と女性』[網野 房子] 070
  男らしさ、女らしさの多様性
  「自然なものはなにひとつない」
  アメリカ社会に向けて
  その後のジェンダー研究


B・フリーダン『新しい女性の創造』[矢木 公子] 081
  問題の発見と追究の方法
  罠に陥った女性の状況
  マスコミのなかの女性像
  女性像の形成
  罠のなかの状況とそれからの脱出法
  評価と批判


K・ミレット『性の政治学』[藤枝 澪子] 092
  構成と論点
  評価と批判


S・ファイアストーン『性の弁証法』[林 弘子] 101
  生物学とフェミニズム
  弁証法唯物論
  フロイトフェミニズム
  コンシャスネス・レイジング・グループと第二波フェミニズム運動の盛衰


S・ローバトム『女の意識・男の世界』[三宅 義子] 110
  コンシャスネス・レイジングの書として、私はローバトムを読んだ
  「女の意識」
  「家族的生産様式・女性的生産様式」
  「労働者階級の女」


M・ダラ・コスタ『家事労働に賃金を』[伊田 久美子] 120
  再生産労働への視点の転換
  再生産労働と政策課題
  多国籍労働者階級と再生産労働


A・オークレー『家事の社会学』[山田 昌弘] 128
  家事労働研究の新視覚
  家事の実証研究
  家事の主観的経験の二重性
  学問的課題と実践的課題


J・ミッチェル『精神分析と女の解放』[平川 和子] 136
  精神分析フェミニズム――知の難解さと困難
  性的差異と無意識・性的欲望・幻想
  実体主義への批判
  女性グループに与えた影響


H・シクスー『メデューサの笑い』[松本 伊瑳子] 145
  男根論理中心社会
  このエッセイに対する評価
  シクスーの他の作品


D・ディナースタイン『性幻想と不安』[河野 貴代美] 155
  はじめに
  幼児の母子関係
  母のイメージ
  「母原病」という批判
  いくつかの批判


A・リッチ『女から生まれる』[高橋 茅香子] 164


N・E=サァダーウィー『イヴの隠れた顔』[岡 真理] 173


L・イリガライ『ひとつではない女の性』[中嶋 公子] 183
  どんな本か
  内容について
  イリガライの思想的変遷と本書の位置
  どう読まれたか
  評価と批判


E・ショウォールター『女性自身の文学』[上野 直子] 193
  女性自身の批評のはじまり
  女性文学の伝統
  「レディ」が書く
  過渡期のプロテスト
  「女」の声へ
  女性自身の批評の部屋――本書への批判と新たな展開


N・チョドロウ『母親業の再生産』[山田 昌弘] 204
  育児はなぜ女性の手によって担われているのかという問い
  理論的源泉
  フロイトの両義性
  対象関係理論
  対象関係理論の応用問題
  無意識領域における性役割の革新は可能か?
  『母親業の再生産』の影響


M・デイリー『女性・エコロジー』[奥田 暁子] 213
  はじめに
  エクソシズム(悪魔払い)の旅
  エクスタシーの旅
  言語について
  本書に対する評価


L・E・ウォーカー『バタードウーマン』 [池橋 みどり] 222
  女性虐待に纏わる神話と現実
  暴力のサイクル理論
  さまざまな虐待の手法
  バタードウーマン支援のための提言
  ドメスティック・バイオレンス研究の現在


M・バレット『今日の女性抑圧』[細谷 実] 232
  本書の基本的性格
  家父長制について
  イデオロギーとその物質性について
  家族について
  初版への反省的評価


E・バダンテール『母性という神話』[杉藤 雅子] 241
  〈第一部 愛の不在〉
  〈第二部 新しい価値――母性愛〉
  〈第三部 強いられた愛〉
  当該書がフェミニズムおよび他分野に与えた影響・受けた評価(批評も含め)


D・スペンダー『ことばは男が支配する』[中村 桃子] 250
  女を沈黙させる言語
  男優位の言語
  女の経験を表現できない言語
  男が言語を作ってきた
  疎外と沈黙
  思考・現実・知識の支配
  女同士が認め合う女の意味
  言語勉学と社会変化の弁証法的関係
  「既成の枠組みの否定」と「研究と社会をつなぐエネルギー」
  本書に対する主要な批判


J・クリステヴァ『恐怖の権力』[西川 直子] 260
  本書の全般的位置づけ
  本書の内容
  (1) アブジェクシオン
  (2) アブジェクシオンのコード化――汚穢の禁忌、食物禁忌、罪責
  (3) アブジェクシオンの言語化
  評価
  その後の展開


b・フックス『私は女ではないのか』[萩原 弘子] 273
  反・人種差別、反・身分支配、反・性差別のマニフェスト
  フックスの議論の問題点


C・ギリガン『もうひとつの声』[川本 隆史] 282
  道徳発達理論におけるジェンダー・バイアス
  二つの倫理
  成熟のヴィジョン
  「ケア対正義」論争とその帰結
  本書の再定位と新版序文


Ch・デルフィ『なにが女性の主要な敵なのか』[井上 たか子] 294
  家父長制について
  家父長制の物質的基盤
  ラディカル・唯物論フェミニスト


A・ドウォーキン『インターコース』[寺沢 みづほ] 303


R・W・コンネル『ジェンダーと権力』[北仲 千里] 313
  ジェンダーの「内部理論」へ
  「内部理論」としての「性別役割論」
  「内部理論」としての「カテゴリー的な」アプローチの限界
  「ジェンダー構造のモデル」(第II部、五、六章)
  「性別の二分法、身体」
  本書の意義


L・フェダマン『レスビアンの歴史』[富岡 明美] 322
  『レスビアニズム』「女を愛する女たち」――〈ロマンティックな友情〉の発見
  『レスビアンの歴史』女性愛の開花~「病」~リベレーション~レズビアンフェミニズムクィアの時代
  フェダマンの功績と評価


現代フェミニズム 333

E・K・セジウィック『男同士の絆』[外岡 尚美] 336
  ホモソーシャリティとホモファビアのメカニズム
  レズビアン/ゲイ・スタディーズへの貢献
  ホモソーシャリティフェミニズム批評
  女性のホモソーシャリティ


G・C・スピヴァク『文化としての他者』[後藤 浩子] 346
  〈女性〉という記号と帝国主義
  恐るべき超対象としての〈女性〉
  構造といかに交渉するかフェミニズムと反差別主義――二重のプログラム


C・A・マッキノン『フェミニズム表現の自由』 [森田 成也] 356
  性差別とは何か、平等とは何か
  レイプは単なる暴力か
  中絶の権利――プライバシーか平等か
  ポルノグラフィ
  本書の不朽の意義


J・W・スコット『ジェンダー歴史学』[荻野 美穂] 367
  背景――女性史の台頭とゲットー化
  理論的武器としての「ジェンダー」概念
  評価と批判


M・ミース/V・ベンホルト=トムゼン/C・v・ヴェールホフ『世界システムと女性』[古田 睦美] 376
  はじめに
  世界を底辺から見る
  主婦化
  家事労働と資本主義
  サブシステンス・パースペクティブ


T・T・ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』[河原崎 やす子] 385
  書く行為と女性主体
  ネイティブ構築と他者
  差異という境界線
  語ること――真実と事実
  境界横断の新たな場から語る


J・バトラー『ジェンダー・トラブル』[竹村 和子] 394
  『ジェンダー・トラブル』の衝撃
  異性愛主義と性の二元論
  ジェンダーのパフォーマティヴィテイ


D・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』[小谷 真理] 404
  「自然と女性性」をめぐる性差論
  本書の概要
  本書の影響


C・マーチャント『ラディカルエコロジー』[萩原 なつ子]  414
  ラディカル・エコロジー
  ラディカル・エコロジーへのアプローチ
  三つの環境思想
  環境運動とフェミニズム運動
  支配秩序のヘゲモニーへの挑戦


M・ミース、V・シヴァ『エコフェミニズム』[萩原 なつ子] 424
  境界線を越えて
  開発のパラドックス
  バイオテクノロジー、生殖技術と女性
  サブシステンス・パースペクティブ


T・デ・ラウレティス『愛の実践』[竹村 和子] 433
  精神分析レズビアンセクシュアリティ
  フロイトの倒錯否定論の読み替え
  欲望の幻想的性質
  性の構造化と習慣=変容


日本のフェミニズム 443

平塚らいてう [岩淵 宏子] 446
  『青鞜』運動
  母性保護論争
  「新婦人協会」運動
  らいてうのフェミニズム


与謝野晶子 [渡辺 澄子] 458
  

高群逸枝招婿婚の研究』 [服藤 早苗]  467
  ジェンダー視点での体系的日本家族婚姻史
  女性視点の導入
  招婿婚批判と今後の課題


山川菊栄 [鈴木 裕子] 477
  はじめに
  山川菊栄フェミニズム思想の特徴
  セクシュアリティへの視点
  階級的視点と民族差別を撃つ視点
  ナショナリズムを越える視点


田中美津『いのちの女たちへ』 [江原 由美子] 492
  「男の生き難さ」と「女の生き難さ」
  〈女であること〉の痛み
  とり乱しとは何か
  「子殺しの女」
  新左翼とリブ
  日本のリブの息吹を今に伝える


日本の一九七〇年代-九〇年代フェミニズム  [加野 彩子] 501
  はじめに
  フェミニズムの理論的成果と課題
  フェミニズム論争を解明する
  フェミニズムの課題を深め続ける
  フェミニズム理論を展開する
  フェミニズムの名著とは
  フェミニズムとマンガ



編者あとがき(二〇〇二年四月 金井淑子) [519-521]
索引 [522-526]
執筆者紹介 [527-528]