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『道徳派フェミニスト宣言』(永田えり子 勁草書房 1997)

著者:永田 えり子[ながた・えりこ] 社会学フェミニズム
NDC:367.1 女性.女性論


道徳派フェミニスト宣言 - 株式会社 勁草書房


【目次】
はじめに [i-iv]
目次 [v-x]


序章 なぜ道徳を語るのか 001
1 道徳嫌い 002
  暫定的な真理
  良心はどこまで自由か
  プラグマティズムの道徳的背景
  機能主義批判
  機能主義における結果の原因への道徳的優越
  機能主義の必要条件
  機能主義的差別
  社会の道徳的前提
2 道徳の道徳 016
3 社会の道徳的基盤の選択 018
注 021


第一章 主体性は世界を救えるか――道徳としてのフェミニズム 023
1 相違、抑圧、家父長制 024
2 フェミニズムと主体性 027
3 主体性の実証不可能性 029
4 制度としての主体性 030
5 主体化のよい面、悪い面 031
6 「凛々しい主体たち」と運動の困難 034
7 道徳を選択する主体 036
  よい主体性/悪い主体性
  共有道徳への訴え
  道徳を選ぶ道徳としてのフェミニズム
注 041


第二章 自由主義は世界を救えるか 043
1 自由と人権 044
  「人権」という客観的事実
  自由主義的主張
2 強姦と「セクハラ」の違い 049
  「セクハラ」とセクシュアル・ハラスメント
  強姦は悪い
  「地位利用による性交の強制」は強姦である
  性的背任
3 被害と権利侵害 059
  どんな加害がセクハラか
  意図の判定問題
  セクハラ被害=公認されざる被害
  被害の主観性
  社会慣習と権利
4 セクハラはなぜ悪いのか――文脈と尊厳 072
  被害感の正当性
  失礼
  「意味づけ」権
  「言う」セクハラ=女性の脱主体化
  公害としての言説
  情報公害
  セクハラが悪い理由
5 近代とセクハラ 084
  作為の契機
  暗黙の合意
  非合理性
  権利の創出
6 自由主義と性の商品化 088
注 093


第三章 市場主義は世界を救えるか 101
1 市場主義の主張 102
2 「高級女性性市場」としてのミス・コンテスト 106
  ミスコン批判と再批判
  ミスコン批判への反論
  ミスコン再批判
  「ミスコン再批判」の再批判
  女性性市場
  「高級女性性市場」としてのミスコン
  ミスコンのジレンマ
  公共団体による美の判定は正当か
  女性性市場の公認
3 売春、猥褻と恋愛――女性性市場の構造 129
  売春が売っているもの
  ミスコンと恋愛
  ポルノが売っているもの
  猥褻とポルノ
  ポルノの広告はそれ自体がポルノである
  ポルノの広告、流通、消費による外部効果
  売春市場の問題点
4 女性性市場の効果 144
  価格がつくということ
  営業者/非営業者のメルクマール
  女性性市場と労働市場の奇妙な関係
  労働と女性性、二重の最適化(Double Optimality)問題
  理念と現実のギャップ
  解決の模索
5 結婚と女性性市場 163
  理念的結婚
  女性性市場の効果
  婚姻契約の必要性
6 「市場だからよい」わけではない 168
注 168


第四章 「性の商品化」は道徳的か 179
1 「好きでやってるんだから、よい」とはいえない 181
2 快か不快か 183
3 権利か権利でないか 186
4 性道徳は健全である 187
5 ポルノは性道徳に依存している 191
  性行為の非公然性
  無効化原理によって支えられる性の商品化
  猥雑化と反ポルノ言説
  合意と強制
  ポルノ業者のジレンマ
6 「性の商品化」は非公然性の規則に反する 200
7 性表現は自由であるべきか 203
  行為と表現  ポルノと子ども
8 性道徳と不快 209
  対象限定規則
  道徳的迷惑
9 公然性道徳か非公然性道徳か 214
  主体性は通用するか
  性の「公然性」道徳
  道徳からの中立性
10 フェミニズムと性道徳 220
  性道徳とフェミニズムの奇妙な関係
  フェミニズム自由主義
  性道徳の無根拠性
  道徳の選択
  多様な社会の均一なルール
注 225


第五章 伝統は世界を救うか 233
1 SF的予測 235
2 現在の課題 238
3 生殖技術批判への反批判――自由抑制の根拠はない 239
  「本人のためにならない」
  家父長制による強制
  技術による解決
  良心の自由
  他者に被害を与えるか――優生学批判の誤り
  公共の福祉
4 仏教は答えられない 256
  生殖への両義性
  慈悲の抽象性
  仏教とテクノロジー
  否定と選択
5 儒教は選択できない 264
  儒教の基本モデル
  儒教の家父長制モデル
  会社モデル
  社会の選択と儒教
6 新たなる正当性の創出を 276
注 277


第六章 新しい再生産道徳に向けて 283
1 性と生殖は分離しているか 283
2 再生産責任 285
  「道徳家」たちの危惧
  もう一人分の責任――男性の再生産責任
  フェミニズム的再生産道徳
3 売買春と再生産責任 299
  売買春を公認することの意味
4 中絶と再生産責任 304
  中絶論争
  再生産責任の個人化と自己決定権
  親権の限界
5 「性の自由」の代償 312
  性行為責任と再生産責任の分離
  子ども共産主義
6 生殖契約 317
7 道徳の混乱 319
注 320


最後に(一九九七年七月七日 永田えり子) 329
文献 [iv-xxiii]
索引 [i-iii]