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『朝鮮人強制連行』(外村大 岩波新書 2012)

著者:外村 大[そとむら・まさる](1966-) 日本近現代史
NDC:366.8 労働問題(各種の労働・労働者)


朝鮮人強制連行 - 岩波書店


【目次】
はじめに [i-iv]
目次 [v-vii]
朝鮮行政地図(1940年) [viii]
凡例 [ix]


序章 朝鮮人強制連行を問う意味 001
  用語をめぐる議論
  遅れている研究
  韓国での真相究明の活動
  日本社会の無関心
  本書で論じる対象
  歴史研究としての意義
  総力戦が見せる国力
  植民地朝鮮の特徴
  現代的課題との類似
  民族関係・民族政策の検証
  史料と方法


第1章 立案調査と準備不足の始動 019
1 植民地期の朝鮮社会と人口移動 020
  「近代化」の度合い
  低い識字率
  メディアの未発達
  行政機構とその人員
  社会教化の限界
  農民の没落と移動
  「朝鮮人移住対策の件」
2 労働力不足をめぐる議論 033
  軍需景気と人手不足
  日中戦争の勃発
3 法令の整備と動員計画樹立 038
  国家総動員法
  職業紹介所の国営化
  朝鮮の労働行政
  労務動員計画の策定
  渡日規制の強化
  「募集」とその手続き
  玉虫色の合意
  協和会の整備
  朝鮮職業紹介令
4 労働者確保と処遇の実態 054
  職業紹介と統制
  地域社会の連絡委員
  低い充足率
  旱害罹災者の応募
  逃亡防止の監視
  紛争議の多発
  受入れ側の認識


第2章 「余剰」なき労働力の実情 069
1 動員の展開と矛盾の表出 070
  「余剰労働力」の調査
  本格化する動員行政
  朝鮮農村労働力の実情
  警官と面職員の協力
  道会における批判
2 動員への懸念と異論 082
  動員体制の強化
  拡大する動員規模
  動員強化の法改正と施策
  日本内地の徴用増加
  朝鮮での充足率の低下
  過剰人口論の検証
  異質な存在への警戒
  経営合理化論からの疑問


第3章 押しつけられる矛盾 103
1 朝鮮人労務動員制度の再確立 104
  英米との戦争
  新たな閣議決定
  決定の実現不可能性
  渡日統制のさらなる強化
  官斡旋による要員確保
  行政の権限と責任
2 日本内地の動員施策 118
  日米開戦後の動員計画
  連絡委員制度の再編
  商工業者等の転廃業
  徴用増加と勤労援護
  農業労働力の保全
  学生と女性の動員
3 困難になる朝鮮での要員確保 132
  行政機構の再編
  朝鮮内の労務動員
  軍事動員と錬成
  朝鮮農村再編論
  充足率の異常な上昇
  発動できない徴用
  動員忌避の背景
4 劣悪な待遇と生産性の低下 152
  朝鮮人の基幹労働力化
  契約期間の延長
  減少しない逃走者
  監獄部屋の活用
  労働紛争議の変化
  生産性の低下
  帝国議会での議論


第4章 広がる社会的動揺と動員忌避 169
1 戦況の悪化と動員の拡大 170
  膨れ上がった動員計画
  動員体制の強化
  根こそぎ動員論批判
  困難になる要員確保
  内務省の実情把握
2 朝鮮における徴用発動 183
  地方末端行政の負担
  改善されなかった待遇
  徴用忌避と抵抗
3 機能不全の援護施策 191
  朝鮮での援護会設立
  援護の遅れとその原因
  厚生省の実情把握


第5章 政策の破綻とその帰結 199
1 本土決戦準備と動員継続 200
  崩壊過程の生産体制
  給源の裏づけなき計画案
  要員確保の追求と混乱
  敗戦直前の民族関係
2 日本敗戦後の帰還と残留 209
  敗戦時点の労務動員数
  徴用解除と帰還
  外務省文書の問題点
  残留者数の推定
3 被害者と加害者のその後 216
  被動員者の「解放後」
  政策に関わった者の認識


終章 暴力と混乱の背景と要因 223
  目標と現実の齟齬
  労働者軽視の経営
  曖昧な決定と迷走
  強力な統治の陥穽
  後手に回った施策
  動員のインフラの不在
  収奪の規制の欠如
  日本人中心主義
  マジョリティの不幸
  記憶すべき史実


あとがき(二〇一二年二月 外村 大) [241-242]
主要参考文献 [243-250]
略年表(1934年〜1945年) [5-8]
索引 [1-4]