著者:蓼沼宏一[たでぬま・こういち] 社会的選択理論、厚生経済学、ゲーム理論。
カバーデザイン:小林 宙[こばやし・そら](ドモン・マインズ)
シリーズ:〈知の航海〉シリーズ (背表紙のイルカが目印)
NDC:331 経済学、経済思想。
【目次】
まえがき [iii]
目次 [v-vi]
1 「経済」とは? 001
1-1 チリの落盤事故から
1-2 「経済」とは?
1-3 限りある資源の配分
1-4 人間の多様性
1-5 効率・衡平・公正
1-6 資源配分の評価
1-7 最善と改善
2 ひとの「福祉」とは? 019
2-1 「福祉」の意味と基準
2-2 モノ・サービスの量
2-3 国内総生産(GDP)
2-4 幸福・欲望充足――効用
2-5 選択論アプローチ
2-6 選択論アプローチと福祉の個人間比較
2-7 機能
2-8 モノ・サービス、機能、効用の関係
2-9 幸福度と機能
2-10 機能ベクトルと等福祉曲線
2-11 潜在能力――選択の機会の豊かさ
2-12 情報の制約と福祉評価
2-13 想像上の立場の置換
2-14 基準値との比較
3 無駄のない経済システムとは? 057
3-1 「無駄」があるのはどんなときか?
3-2 パレート効率的な資源配分は社会的に最善か?
3-3 パレート効率性は相対的な評価基準として有効か?
3-4 利害対立があるときには?
4 市場システムの効率性 071
4-1 パレート効率的な資源配分のための条件
4-2 パレート効率的配分を実現するメカニズム
4-3 貨幣との交換
4-4 労働供給
4-5 生産費用
4-6 市場メカニズムが機能するための条件
4-7 市場メカニズムに欠けていること
4-8 市場メカニズムでは解決しないこと
5 格差のない社会とは?――衡平性の考え方 093
5-1 何に関する格差・衡平か?
5-2 個人間の状態比較の基準
5-3 個人間比較の主体
5-4 羨望の無い状態としての衡平性
6 消費・労働に関する衡平性――無羨望配分の考え方 105
6-1 消費に関する無羨望配分
6-2 選択の機会の均等
6-3 消費と労働に関する衡平性
6-4 衡平性基準による相対的な評価
6-5 パレート改善第一・衡平性第二の評価基準
6-6 羨望の無い状態としての衡平性基準の難点
7 消費・労働に関する衡平性――平等の考え方 125
7-1 平等等価の考え方
7-2 平等等価配分と効率性
7-3 PS福祉指標と功利主義の違い
7-4 パレート改善第一・衡平性第二の基準とマキシミン原理
7-5 消費・労働に関する評価基準に基づく平等等価配分
8 機能に関する衡平性 143
8-1 消費・労働に関する衡平性の限界
8-2 機能に関する衡平性
8-3 機能に関する無羨望配分
8-4 社会的評価の循環の問題
8-5 潜在能力に関する衡平性
8-6 平等等価に基づく衡平性
8-7 パレート改善第一・衡平性第二の基準とマキシミン評価法
8-8 マキシミン原理の正当性
9 経済学の役割 163
9-1 規範的評価と合意形成
9-2 ひとの福祉評価の情報ベース
9-3 福祉の個人間比較の方法
9-4 資源配分の社会的順序付けの方法
9-5 社会的選択の問題
9-6 経済学の役割
10 さらに学びたい人のために 173
あとがき(二〇一一年五月 蓼沼宏一) [187-189]