編者:大瀧 雅之
編者:宇野 重規
編者:加藤 晋
著者:一之瀬 佳也
著者:井上 彰
著者:薄井 充裕
著者:海老名 剛
著者:岡田 尚人
著者:小田川 大典
著者:釜賀 浩平
著者:児玉 聡
著者:神藤 浩明
著者:高田 宏史
著者:高田 裕久
著者:玉井 義浩
著者:田村 正興
著者:中井 大介
著者:堀内 昭義
著者:間宮 陽介
著者:渡部 晶
装幀:米谷 豪[よねたに・ごう] ブックデザイン。
件名:経済哲学
件名:正義
NDLC:DA3 経済・産業 >> 経済学・経済思想 >> 経済哲学・経済学方法論
NDC:301 社会科学 >> 理論.方法論
NDC:304 社会科学 >> 論文集.評論集.講演集
NDC:331.1 社会科学 >> 経済 >> 経済学.経済思想 >> 経済哲学
【目次】
はじめに(大瀧雅之・宇野重規・加藤晋) [i-vii]
目次 [ix-xii]
序章 社会科学における善と正義[加藤 晋] 001
1 ロールズと功利主義 001
1.1 古典功利主義基準とパレート基準
1.2 ロールズの正義論
2 市場と倫理 010
2.1 市場交換の科学としての経済学
2.2 市場の価値と倫理
3 民主主義と経済学 015
3.1 投票ルールと功利主義
3.2 民主主義の経済分析
参考文献 019
第1章 ロールズにおける善と正義[宇野重規] 025
1 「論争」をふりかえる 025
2 サンデルの正義論 029
3 歴史に探るアメリカの公共哲学 034
3.1 憲法判例史
3.2 経済論戦の歴史
4 ロールズを読み直す 039
4.1 道徳的理想と経済学的思考
4.2 正義の二原理の「辞書的順序」
3.3 相互に無関心な個人
5 結び 045
参考文献
第2章 ロールズ『正義論』における契約論的プロジェクト[井上 彰] 049
1 ロールズ「正義論」の再検討――第3部を中心に 049
2 契約論と反照的均衡の方法 050
3 原初状態と一般的事実 054
3.1 原初状態の構想
3.2 無知のヴェールで排除されない情報―― 一般的事実
3.3 コミットメントの重圧と動機
4 「正義論」第3部の議論とその問題点 061
4.1 合理性としての善さをめぐって
4.2 正義感覚をめぐって
5 「正義論」における契約論的プロジェクトの今日的意義 071
付記 074
参考文献 074
第3章 イギリスにおける功利主義思想の形成[中井大介] 077
1 功利主義の現状 077
2 J. S. ミル――ベンサムの功利主義を乗り越えて 079
3 シジウィック古典的功利主義の完成 086
4 おわりに 092
付記 095
参考文献 095
第4章 功利主義批判としての「善に対する正の優先」の検討[児玉 聡] 099
1 「善に対する正の優先」というフレーズ 099
2 「善に対する正の優先」についての議論の俯瞰 101
2.1 ムーアとロス,ブロード
2.2 ロールズのテキスト
2.3 サンデルの解釈
2.4 井上達夫の解釈
2.5 キムリッカの解釈とフリーマンの批判
3 「善に対する正の優先」に対する筆者の見解 115
3.1 功利主義は正義についての信念を適切に説明できない
3.2 功利主義は原理的に分配的正義の考慮を欠く
3.3 功利主義は正義に反する欲求も等しく考慮に入れる
3.4 功利主義はリベラルではない
4 「善に対する正の優先」というフレーズと翻訳について 121
参考文献 127
Book Guide I 129
I-1 ジョン・ロールズ『ロールズ政治哲学史講義』/随所からにじみ出る,リベラリズムな政治哲学[小田川 大典] 131
I-2 M. J. サンデル『民主制の不満――公共哲学を求めるアメリカ』/政治における道徳の論じ方[一之瀬 佳也] 137
I-3 チャールズ・テイラー『世俗の時代』/「世俗」再編の試み[高田宏史] 143
『世俗の時代』はどのような本か
『世俗の時代』への批判
世俗主義を論じる――『世俗の時代』以降のチャールズ・テイラー
第II部 市場と倫理
第5章 理論経済学における善と正義[大瀧雅之] 151
1 新自由主義批判 151
2 善と正義の関係――状況と独立の普遍的な善はあり得ない 154
3 個人的善と社会的善の相互作用——正義の役割 156
4 理論経済学における正義とは 159
5 ムーアとロールズ,サンデル 164
付論 サンデルにおける Bailout Outrage に関する誤認 166
参考文献
第6章 分割の正義と不正義[間宮陽介] 169
1 所有と共同体の相関性 169
1.1 私化による社会の解体
1.2 社会の多元性
2 共同所有の諸形態 178
2.1 共有・合有・総有
2.2 入会権は解体したのか
3 現代総有論の可能性 189
参考文献 192
Book Guide II 195
II-1 ソースティン・ヴェブレン『有閑階級の理論』/市場の発達と慣習の進化[岡田尚人] 198
はじめに
本書の概要
本書の意義
参考文献
II-2 ソースティン・ヴェブレン『特権階級論』/「市場」と「倫理」の関係を見切った洞察力[薄井充裕] 204
本書の概要
本書を貫く深き洞察力
II-3 J. M. ケインズ『ケインズ ラジオで語る』/マスメディアにおけるケインズ・スピリット[神藤浩明] 210
ケインズの復活とその人物像
ジャーナリストケインズの葛藤
『ケインズ ラジオで語る』の構成とエッセンス
インターネット全盛時代の偉大な経済学者は誰か?
参考文献
II-4 J. M. ケインズ『ケインズ説得論集』/歴史的文脈の中での、資本主義の相対化[玉井義浩] 229
論集の構成
ケインズが直面し取り組んだ課題
課題に対するケインズの姿勢と,ケインズにとっての「正義」
ケインズが説得を必要としたもの
ケインズのインフレーション・デフレーションに関する見方と正義観
ケインズの「説得」についての考えと「エリート主義者」批判
ケインズの著述の今日的意義
II-5 ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』/市場経済の光と影[堀内昭義] 237
フリードマンの経済学
『資本主義と自由』の内容
フリードマンの主張の評価
フリードマンの提案はどのように扱われてきたか
フリードマンの主張を受け入れるか否か
II-6 ジル・ドスタレール『ケインズの闘い――哲学・政治・経済学・芸術』/経済学者のディシプリン・生き様とは?[渡部 晶] 243
はじめに
本書の意義
本書の構成
内容の概観
おわりに
II-7 ニコラス・ワプショット『ケインズかハイエクか――資本主義を動かした世紀の対決』/色合いの異なった二人のリベラリスト[高田裕久] 252
今日に続く怪人と奇人の戦い
Keynes versus Hayek
Keynes and Hayek
つないでゆく責任――豊かで不安な時代の貨幣愛を超えて
参考文献
第III部 民主主義と経済学
第7章 社会的選択理論と民主主義[加藤 晋] 265
1 アローの定理とサミュエルソンの「輸出宣言」 265
2 社会的選択理論の基礎 268
2.1 アローの不可能性定理
2.2 定義域の非限定性の緩和
3 社会的選択理論のSemanticsとSyntax 276
3.1 社会的選択理論の意味論的側面
3.2 社会的選択理論の構文論的側面
4 社会的選択理論と民主主義 283
4.1 意味論的側面と構文論的側面
4.2 討議による統治
5 不可能性定理と民主主義の意味 290
付記 291
参考文献 292
第8章 世代間正義の公理的分析[釜賀浩平] 295
1 世代間正義の公理的分析とは 295
2 公理的分析と反照的均衡 299
3 世代の不偏的処遇と効率性 302
4 功利主義に基づく優劣評価と世代の不偏的処遇 307
5 キャッチング‐アップ基準と世代の不偏的処遇 313
6 演繹の前提と非効用情報 318
参考文献 319
Book Guide III 321
III-1 ドナルド・ウィットマン『デモクラシーの経済学――なぜ政治制度は効率的なのか』/シカゴ・アプローチによる政治経済学[海老名 剛] 323
はじめに
本書の構成と内容
第I部 政治市場を効率的にする特徴
第II部 政治市場の編成
第III部 方法論
今後の課題
参考文献
III-2 J. M. ブキャナン・G. タロック『公共選択の理論――合意の経済論理』/合理的計算による国家形成[加藤 晋] 328
はじめに
本書の概要
民主主義と社会的合理性
参考文献
III-3 R. ドゥオーキン『いま民主主義は実現できるか?――新たな政治議論のための原則』/平等論と租税論について経済学からの批判的検討[田村正興] 334
本書の構成
平等論と租税論について
III-4 D. アセモグル・J. A. ロビンソン『独裁制と民主制の経済的起源』/「近代化」の経済学[加藤 晋] 338
はじめに
近代化のモデル
本書の意義と「近代化」の経済学
参考文献
あとがき [347-348]
索引 [349-353]
初出一覧 [355]
執筆者紹介 [356-358]