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『グローバルな正義』(宇佐美誠[編] 勁草書房 2014)

編者:宇佐美 誠[うさみ・まこと](1966-) 法哲学
NDC:319 外交.国際問題
NDC:321.1 法哲学[法理学].自然法


グローバルな正義 - 株式会社 勁草書房


【目次】
はしがき(2014年8月 宇佐美 誠) [i-vi]
目次 [vii-ix]


   I 原理と構想

第1章 グローバルな生存権論[宇佐美誠] 003
1 主題の設定 003
2 誰がなぜ生存権をもつか 005
3 生存権とはいかなる権利か 008
4 誰がいかなる義務を負うか 012
5 義務はどのように果たされるか 016
6 批判への応答 019
7 結論 023
注・参考文献 020
[Comment]ナショナルな絆の理論的位置づけを[施光恒] 027


第2章 グローバルな〈シンボリック・ネットワーク〉[長谷川晃] 031
1 はじめに 031
2 正義の構成条件 033
3 〈シンボリック・ネットワーク〉とその構造 036
4 〈シンボリック・ネットワーク〉の機能 040
5 〈シンボリック・ネットワーク〉と正義の正当化 044
6 おわりに 047
注・参考文献 047
[Comment]「多様性の要請」と「統合の要請」をいかに両立させうるか[施光恒] 051


第3章 社会契約モデルの拡張──ロールズからセンへ[後藤玲子] 055
1 はじめに 055
2 功利主義的社会厚生モデルとそれに対するロールズの批判 058
3 ロールズ原初状態モデルの拡張 060
4 潜在能力指標を用いることの意味 062
5 ルール制定主体の範囲と情報 064
6 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い 067
7 センのグローバル正義構想 068
8 複数の集団にまたがる個人の自己統合化 070
9 結びに代えて 073
注・参考文献 075
[Comment]より現実的なグローバル正義論へ[松元雅和] 078


第4章 正義の宇宙主義から見た地球の正義[瀧川裕英] 081
1 正義の射程 081
  (1) 問題状況 
  (2) 国家主義 
  (3) 関係主義の問題点 
2 非関係主義 085
  (1) 宇宙主義
  (2) 地球の正義 
  (3) 正義の自然義務 
3 正義の自然義務と消極的義務 089
  (1) 消極的義務 
  (2) 正義の自然義務の基底性 
4 正義の義務と人道の義務 092
  (1) 多様な区分法 
  (2) 正義の積極的義務 
注・参考文献 097
[Comment]関係主義/非関係主義概念による整序[施光恒] 102


  II 制度と実践

第5章 移民の規制は正当化できるか?[森村進] 107
1 序 107
  (1) この問題に関する議論はまだ多くない――とくに日本では
  (2) 出国と入国
  (3) 本章で取り扱わない問題
2 自由権 112
  (1) 移動の自由
  (2) 経済的自由
  (3) 結社の自由
3 民主主義 117
  (1) 集団的自己統治
  (2) 国民の意志
  (3) 「足による投票」
4 社会の一体性 120
5 経済的豊かさ 121
6 配分的正義,とくに平等 123
7 エコロジー 126
8 パターナリズム 126
9 結語 127
参考文献 128
[Comment]自国民/外国人の二重基準を掘り崩す[松元雅和] 131


第6章 グローバル不正義としての南北間搾取[吉原直毅] 135
1 問題の所在 135
2 搾取の概念的定義をめぐる論争 140
  (1) 投下労働価値説に立脚した搾取理論
  (2) 所有関係的搾取理論
  (3) 政治哲学・社会学における最新の搾取理論
    1 ブローセリスにおける搾取の概念的定義 
    2 ライトにおける搾取の概念的定義 
    3 搾取概念と経済的抑圧および分配的不正義との関係 
3 拡張されたヘクシャー=オリーン型国際経済環境 150
4 自由貿易均衡における南北間搾取関係の原理的生成 160
5 結論 164
注・参考文献 166
[Comment]搾取理論に基づくグローバル正義観の刷新[松元雅和] 170


第7章 「食」とグローバルな正義[伊藤恭彦] 173
1 はじめに 173
2 グローバル・フードシステム 175
  (1) 食の工業化とフードシステム
  (2) グローバル・フードシステムの陰
3 グローバル・フードシステムと正義 180
  (1) 適切な食への人権
  (2) グローバル・フードシステムと強制
  (3) 自由な食品市場の陥穽
4 おわりに──グローバルな正義と食料主権 187
注・参考文献 189
[Comment]ゼロサムゲームを越えて[桜井徹] 193


第8章 多国籍企業の政治的責任[神島裕子] 197
1 はじめに 197
2 導きの糸としてのロールズの社会的協働論 199
3 政治的に分断された世界の正義論――フリーマンとミラー 203
  (1) フリーマンの国内的な社会的協働論
  (2) ミラーなナショナルなグローバル正義論
4 多国籍企業の政治的責任 209
  (1) 正義の遂行主体(agents)しての多国籍企業
  (2) 準政府的制度としての多国籍企業
  (3) 多国籍企業の責任
5 おわりに 214
注・参考文献 215
[Comment]社会契約説とグローバル正義論[桜井徹] 219


人名索引 [223-224]
事項索引 [225-227]
執筆者紹介 [229-230]