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『タックス・ジャスティス――税の政治哲学』(伊藤恭彦 風行社 2017)

著者:伊藤 恭彦[いとう・やすひこ](1961-) 政治哲学。
装丁:坂口 顯[さかぐち・あきら](1939-) 編集、装丁。
シリーズ:選書 風のビブリオ
NDC:345


風行社


【目次】
目次 [III-VIII]


はじめに 001


第1章 税を考える視点
第1節 市場社会と税 010
  市場社会
  税金と年貢の違い
  税を問うことは政府活動を問うこと

第2節 税は強制労働か 020
  リバタリアニズム
  労働価値説

第3節 社会的協同システムとしての市場と税 028
  市場社会の正しい理解
  「共同の資材」の分割と政府
  公正な税を考えるとはどのようなことか

第4節 市場社会の陥穽 039
  政府の役割と社会構想
  人間の尊厳
  市場における競争


第2章 タックス・ジャスティ
第1節 市場社会における政府と税 056
  政府をつくる
  道徳的分業
  税の倫理的根拠

第2節 タックス・ジャスティスの規範的要求 067
  タックス・ジャスティスとは
  課税の公正と課税前所得という神話
  社会正義とタックス・ジャスティ
  タックス・ジャスティス1 ――尊厳損傷構造をを規制する
  尊厳損傷構造を変える税
  タックス・ジャスティス2 ――エンパワーメント
  タックス・ジャスティス3 ――バッド増税・グッド減税
  タックス・ジャスティス4 ――市場社会の絆
  税を真剣に考える


第3章 税制上の不正義と税不信
第1節 租税回避という不正義 108
  租税回避
  タックス・ジャスティスと納税
  フェアプレー義務
  不正義から利益を得る

第2節 政府という不正な存在 121
  政府不信
  財政幻想
  財政幻想を越えて
  普遍的給付と社会不信
  税制改革と経路依存性

第3節 税を社会に取り戻す 137
  「ふるさと納税」ブーム
  寄附と正義
  ローカル・ガバナンスと税
  税不信を乗り越える


第4章 グローバルな正義と税
第1節 貧困と正義
  世界の貧困問題
  グローバルな市場と不正義
  慈善活動と正義

第2節 グローバル・タックスの可能性
  グローバル社会と徴税権
  人間の尊厳とグローバル・タックス・ジャスティ
  地球資源税と排出税
  グローバル富裕税と金融取引税
  法人税引き下げ競争とグローバルな背景的正義
  グローバルな背景的正義

第3節 グローバル・タックスとグローバル・ガバナンス
  薬品市場のガバナンス
  「代表なければ課税なし」
  グローバル・タックスを考える意義


おわりに 189
  正義にかなう租税体系を目指して1 ――資産課税
  正義にかなう租税体系を目指して2 ――消費税増税
  正義を実現する税・不正義を除去する税
  税に対する見方を変える
  弱き人間たちの連帯へ


引用・参考文献 [205-213]
あとがき(二〇一七年四月三日 新入生の明るい声が響き渡るキャンパスで 伊藤恭彦) [214-217]
索引 [i-v]




【メモランダム】
・「風のたより 第66号」(風行社)に掲載された、佐野亘による本書への短評が公開されている。ただし「文字化け」が残っている。