contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『〈中東〉の考え方』(酒井啓子 講談社現代新書 2010)

著者:酒井 啓子[さかい・けいこ](1959-) イラク政治史。現代中東政治。
NDC:319.27 国際問題 >> 中近東問題


『<中東>の考え方』(酒井 啓子):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部


【目次】
プロローグ [003-013]
  なぜ中東情勢はわかりにくいのか?/なぜ「中東」とくくるのか?/中東は欧米が導入した言葉/「神様」や文化の違い?/世界のど真ん中で/本書の目的と構成
目次 [014-019]
関連地図 [020-023]


第1章 石油の海に浮かぶ国々 020
  オイル・マネーが生んだ摩天楼/最初の中東体験/世界の動乱の鏡
1 大英帝国の遺産「湾岸首長国 031
  「中東」はいつできたか/大英帝国、部族長と手を結ぶ/砲艦外交
2 サウディアラビアの登場 039
  イスラームの盟主/宗教家と部族の雄のタッグ/半島のヒーローと英外交官たち/アメリカとの蜜月/アラブ民族主義の政権が続々と/イギリスの退場と左派の台頭/石油がサウディアラビアを救った/石油が国を強くする
3 石油の国々 058
  外国人で成立する湾岸産油国/なぜ格差が政治の不安定につながらないのか?/軍事力を持たない国の生きる道/クウェートパレスチナ人/小説「太陽の男たち」のラストシーン/「石油の国々」の現在


第2章 パレスチナ問題とは何か 073
  故国の味/アラブ民族意識とは何か/パレスチナは共通の問題
1 中東の人々のアイデンティティーを考える 078
  そもそもアラブ人とは?/「アラブ民族はひとつ」という思想/「人工的な国分け」への反発とアラブ民族主義イスラエルの建国/シオニズム思想/イスラーム地域出身のユダヤ教徒「ミズラヒーム」/イスラエルに暮らすアラブ人「イスラエル・アラブ人」/国民とはなにか/移住と衝突
2 パレスチナ問題をふりかえる 095
  「ゲリラ」から「テロ」へ/イスラエルの外交戦略「一国ずつの和平協定」/アラファートPLO議長の登場/占領地のパレスチナ人たち/アメリカはなぜパレスチナ問題に関わったか?/オスロ合意/細切れになっていく自治地域/分離壁で切り離されて
3 アメリカはパレスチナ問題にどのように関わってきたか 116
  アメリカの政権とイスラエルのロジック/脅威は外からひっくりかえす/アメリカの対中東政策/『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』/オバマの中東政策


第3章 冷戦という時代があった 127
1 アメリカとソ連の時代 128
  世界が「東」と「西」に分かれていた時代/二大ボスが世界を回す/なぜ今冷戦時代について考えるのか?/超大国を操作する技術/「二大ボス間の戦い」の時代から「仮想敵との戦い」の時代へ
2 北辺防衛のための国々――トルコ、イラン 138
  ソ連の南下をどこで防ぐか/トルコはアジアかヨーロッパか?/冷戦時代のイラン/湾岸の憲兵ソ連の戦略「民族主義政権を取り込め」/アメリカの関心を引くための「ソ連カード」
3 アフガニスタン侵攻 149
  なぜソ連アフガニスタンに軍事介入したのか?/サウディアラビアとパキスタンをパートナーに/オサーマ・ビン・ラディーンの軌跡/「アフリカの角ソマリア
4 アメリカの一極集中時代へ 160
  アメリカはなぜ直接の軍事関与を避けてきたのか?/「地平線のかなた」作戦/湾岸戦争が「超大国操作術」の転機に/イラク戦争/冷戦時代は中東をどう変えたのか


第4章 イランとイスラーム主義――イスラームを掲げる人々 171
  イランの反政府運動イスラーム主義とは
1 イランで実現した「イスラーム共和制」 174
  「よくわからない国」というイメージ/ホメイニーはどんな指導者だったのか?/イラン革命アメリカ/なぜアメリカは「大悪魔」と呼ばれるようになったのか
2 「革命」政権の変質 184
  ホメイニー亡き後/ハータミーの微笑み外交/アフマディネジャードとはどんな人物か?/「救世主〔マフディー〕」と交信できる大統領
3 「民主化が進むとイスラーム主義が強まる」のはなぜか? 194
  イスラーム主義はなぜ台頭しているのか/ヒズブッラーとハマース/民衆が支持するのはなぜか?/ムスリム同胞団
4 「弾圧されて過激化する」 202
  アルジェリア総選挙で開いた風穴/米国同時多発テロへの流れ/アフガニスタンとアルカイーダ/イスラーム主義の多様性


終章 メディアとアイデンティティー 209
  パレスチナのラッパー/庶民の声はどこにいった/アラビア語衛星放送「アルジャジーラ」の影響力/イランのインターネット普及率は四八パーセント/ネット空間/ヴァーチャルなイスラームの連帯/ネットでのイメージと民衆感情にはギャップも/イスラーム銀行とスカーフ/なぜスカーフをかぶるのか


読書リスト [229-232]
おわりに(二〇一〇年四月 酒井啓子) [233-237]
関連年表 [i-vii]